0 プロローグ
「アティアナ・イエレンと申します」
「…クリス・アンヘル・ローゼンバーグです」
何故こんなことになったのか…それは数時間前…
「殿下!クリス殿下!起きてくださいませ!」
すぐ近くで聞こえてくる女性の声で目を覚ました。
(クリス…?誰のこと?)
「さぁ、こちらへ」
寝ぼけつつもその声に従う。
(あれ、心なしか身体が重い気がする…)
鏡の前に座らされたので覗きこんでみる。するとそこにはぽっちゃりとした男の子が写っている。
(うわぁ、肉まんみたいだなぁ)
さらさらとした金髪に鮮やかなターコイズグリーンの瞳、そして白く陶器のような綺麗な肌、痩せさえすればきっと絶世の美少年だろう。
しばらくして違和感に気づいた
(あれ??まって、私写ってなくない!?)
おかしい、普通なら写っているであろう自分の姿がどこにも見えない。そして私が動くと鏡の中の少年も同じように動く。
(え?どうゆうこと?)
左右に揺れたり手を振っても全く同じ行動…
「クリス殿下動かないでください!」
側にいて色々世話をしてくれていた女性に怒られる。
「あっ…ごめんなさ…え?」
(今この人私のことクリス殿下って言った?)
「あの、今私のことなんて呼びました?」
「はい?…クリス殿下と申し上げましたが」
「…!!!!」
やはり私はクリス殿下と呼ばれたらしい。
(え!じゃあ私今このぽっちゃり少年になっちゃってるってこと?!嘘でしょ!起きる前まで24歳OLだったのに!!)
そう、目覚める前までは24歳女性、松岡珠理というなんの変哲もない少々オタク気質の一般人だったのだ。
冷静になって周りを見ると確かに自分の部屋ではない、まるでお城の一室のような豪華な部屋
もう一度鏡を見る
(このクリスとかいう少年どこかで見たことあるような…)
「殿下大丈夫ですか?本日はイエレン侯爵のご令嬢との顔見せだから緊張していらっしゃるのかも知れませんね」
「イエレン…?それってアティアナ・イエレン?」
「ええ、そうですよ」
ここで私は完全に理解した。
自分が大人気乙女ゲーム『ローゼン学園メモリーズ』略してロゼメモの攻略者クリス・アンヘル・ローゼンバーグになってしまっていることに…
初投稿です!
中身はGL、外見はNLというなんとも言えないかんじです
至らない点しかないと思いますが生暖かい目で見守ってくださると嬉しいです( ノ;_ _)ノ