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七話 討伐報酬と新たな依頼

「やっぱりアレスのその刀魔力を内包してるわよね?」

巨大イビルトレントを討伐した次の日の早朝鍛錬でメリアが聞いてきた。

「ん?。龍星(オロチ)のことか?」

俺は右の腰に差している刀を指さした。

「そうよ、月夜の方は見たところ名刀ではあるけど魔力は内包してないもん」

「そういえばこの(オロチ)を貰った時にそんなことを聞いたな」

「ということは何かしらの能力があるはずよね?」

「いや実は知らないんだ」

「え、知らないの自分の刀なのに?」

「はは、そう言われると身も蓋もないけどこの龍星(オロチ)は今は眠っている状態らしいんだ」

「まぁ魔剣にもいろいろあるしね、ん?刀だから魔剣じゃないわね」

「俺の家では《妖刀》と呼んでいたぞ」

「へー、妖刀ね」

「魔力を内包している刀をそう言うんだ」


そんな会話をした俺達は昨日言われた通り昼前にギルドに向かった。


「アレスさん、メリアさんこちらに来て下さい」

受付嬢にギルドの上階のギルド長室というところに案内された。

(あれ?、昨日のおっさんだ)

ギルド長室には昨日会ったおっさんがいた。

「よう、昨日ぶりだな俺はギルドマスターのガルドだ、昨日はまともに名乗らなくてすまんな」

「気にしないでください、アレスです」

「メリアよ」

俺達は目の前のおっさんがギルドマスターということに少し驚いたがそう名乗り返した。

「覚えているよ、なんせトレントの森の主である特級危険種のギガントイビルトレントを倒したのだからな」

「アイツ特級危険種だったんですよね」

(言われてみれば納得だ月夜の刃が通らないのはおかしいと思った、特級危険種なら納得だ)

特級危険種とはギルドが定めている魔物ランクの一番上だ。

「ああ、今はとある事情で冒険者が大量に出払っているのでお前たちが居てくれて助かった、それでこれがイビルトレントとギガントイビルトレントの素材の代金だ」

ギルドマスターはぎっしり詰まった皮袋を四つだした。

「昨日の依頼の報酬も入っているかな」

俺達は一つの皮袋を確認した。

「「白金貨五百枚!?」」

俺とメリアは同時叫んだ。

何とその中には白金貨が五百枚入っていた。

ちなみに白金貨が一枚あれば普通に生活すれば十年は生活出来る。

「そいつはギガントイビルトレントの代金だ」

(特級危険種ってこんなに高いのか)

残り三つにはそれぞれ金貨二百枚が入っていた。

「そしてこれからはお前たちは金級(ゴールド)だ」

更にガルドは金色のギルドカードを出した。

(受付で渡したのはこのためか)

「冒険者になってまだ三日目だがいいのか?」

「気にするな、それに特級危険種を倒せる奴らならもっと上のランクにしたいところだが俺の独断で上げられるのはここまでだ」

カルドは心底残念そうに言った。

(冒険者になって三日目では無理だろ)

俺は少し苦笑いした。

「だがとりあえず銀鉄級(ミスリル)にはなって貰いたい、その為にこの依頼を受けてくれないか?、これを達成すれば銀鉄級(ミスリル)になれる」

カルドは一枚の依頼書を机の上に出した。

「鉱山に住み着いている魔物の掃討依頼か」

依頼書の内容を見て俺は呟いた。

「確かにアレスと私なら出来そうね」

横から覗き込むように依頼書を見たメリアが言った。

「分かった、受けよう」

俺はそう返事した。


◆◆◆◆


「それにしても白金貨五百枚とはな」

「流石に驚いたわよ」

ギルドから出た後俺達は明日の鉱山の依頼に向けて道具を買い込んでいた。

「で、でもいくらお金が沢山あっても依頼は受けるからね」

メリアは少し焦って言った。

「当たり前だろもっとメリアと一緒に冒険したいもんな」

アレスは笑顔で言った。

「!!?、わ、分かってるのならいいのよ」

(不意打ちは止めてよね!?)

メリアはアレスの笑顔にドキッとしてそっぽを向いてしまった。


「どんな魔物が出るのかも調べるか」

「そうね」

アレス達は大通りから少し外れたところにある本屋で魔物に関する本を買い広場のベンチに座った。

「五級危険種キラーアント、ケイブバッド、いろんな魔物がいるんだな」

俺達は依頼書にある魔物を本で調べていた。

「特に気をつけないといけないのはコイツね」

メリアは本の右ページを指した。

「一級危険種バジリスク、コイツの魔眼を食らうと強力な麻痺にかかってしまう、戦っている時に食らったら最悪死ぬわ」

「コイツを倒すには目を潰すか視界に映らないようしないといけないか」

俺は少し思考した。

「メリアは何が出来るんだ?」

その結果そう聞いていた。

「私に出来ること?」

「ああ、まず自分達の手札を確認しないとな」

俺達が何が出来るかそれが分からないと作戦が立てられない。

「なるほどね、私が出来るのは昨日見せた飛光剣と光魔法が使えるわ」

「光魔法?」

「うん、光を使って攻撃するの」

そう言いメリアは周りに光球を幾つか出した。

「凄いな、メリアは剣以外にも魔法も巧みなんだな」

一瞬で幾つもの光球を出したメリアに驚いた。

「そんなこと無いわよ、そんなこと言うアレスも昨日使っていた雷魔法は凄かったわよ」

メリアはベンチから立ち上がり昨日の俺の動きを説明し始めた。

「魔法は何よりも想像力(イメージ)よ、魔力操作も大事だけどね、アレスは近接で戦うのを補助する感じで魔法を使ってるのよね」

「あ、ああ」

メリアの勢いに少し気圧された。

「それにそれにアレスはね」

「おい、メリア周りを見てみろ」

「え、」

メリアが驚いて振り向くと広場にいる人達がメリアのことを微笑ましそうに見ていた。

「~~~~~!?」

メリアは顔を一瞬で真っ赤にしてベンチに座り直した。

「ま、まぁとにかくバジリスクを倒す方法は思いついたぞ」

俺はそう話しかけた。

「本当?」

メリアは顔を上げそう聞き返してきた。

まだ顔は赤かったけど、

「ああ、メリアの言った通り魔法が想像力ならやりようはある」

俺は断言した。

「その作戦を教えて」

「目というのは一定以上の光を食らうと一時的に目が見えなくなるんだ、ほら太陽を見すぎると目を痛めるって言うだろう」

俺は空から照らす太陽を指して言った。

「つまり私の光魔法で太陽の光をイメージしてバジリスクの目を潰すのね」

「ああ、その通りだ」

「なるほどね、確かにその作戦ならバジリスクを討伐出来そうね」

「それじゃ明日に向けて宿に帰って休もうか」

俺はそう言ってベンチから立ち上がった。

「賛成よ、アレスもいつまでも魔力鍛錬してないで寝なさいよ」

「な、なんでそれを知ってるんだ」

「忘れたの私には《魔力視》があるのよ」

(そうでした)

そんな会話をしながら俺達は明日に備えた。




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