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四話 冒険者登録

俺達の間に数十の剣閃が飛び交った。


メリア(少女)の膂力じゃないだろ!)


瞬く瞬間に斬りあった俺は思った。流石に同年代の少女と斬りあったことはないがメリアの膂力がアレスと同じだったのだ。


(おそらくは剣の力か?)

俺は刹那の間に思考した。


(さっき見た時に思ったけど魔力も使ってないのにアレスの剣戟速度は早すぎるよ!?)


メリアはメリアでアレスの剣戟速度に驚いていた。


アレスとメリアは斬りあった回数が五十合を超えた辺りで一度離れた。


「アレス強すぎでしょ!?」

「メリアこそ本当に女か!?」

「失礼ね、当たり前でしょ!」


(それもそうか)


アレスとメリアはお互いの力に驚いたのである。


「いや、ごめんメリアが俺が思っていたよりも強かったから」

「そ、そう言う事なら許してあげる」


メリアはアレスに褒められたのが少し嬉しかったのだ。


「そういうアレスこそ本当に私と同い年なの?」

「ああ、俺は十七だ」

「本当に同い年なんだ、それであの動きって凄いね」

「それについてきたメリアも凄いだろ」


俺達は一度剣を下ろした。


「止めにしましょうここでお互いに本気を出したらこの城壁が壊れちゃうわ」

「そんなこと出来るメリアがどんな奥の手を持っているのか気になるけど賛成だ今日は冒険者ギルドに行くからな」

「アレスは冒険者なの?」

「いやこれからなるところだけど…」


アレスは月夜を鞘に納めながら答えた。


「それじゃあ私と一緒ね」

「メリアも冒険者登録をしに来たのか?」

「そうよ、ねぇ折角だから一緒に行きましょうよ」


メリアは剣を霧散させて提案してきた。


「構わない、メリアのこともいろいろ気になるからな」

「それはお互い様よアレスのこと私だって気になるわ」


互いのことが気になると告げた二人は初めて笑顔を向けあって、城壁から降りるのだった。


◆◆◆◆


もう完全に太陽がでてきた頃に俺たちは大通りを進みギルドに向かっていた。


「やっぱりこの都市は広いわね!」

メリアが笑顔で言った。銀髪が太陽の光を反射してキラキラしていた。

「王国第二の都市と言われてるらしいからな」

俺はそう返した。

「そうなんだこの町に来たの初めてだから知らなかったわ」

「俺もだよ、ここに来る時に会った人に聞いたんだよ」

「アレスも初めてだったんのね、アレスと一緒ってなんかいいかも」


しばらく歩いていると冒険者ギルドが見えてきた。

冒険者とは依頼を受けて報酬を貰って生活している人達のことだ。


(やっぱり大きいな)


冒険者ギルドはガエリオ様の屋敷程ではなかったがギルドの建物は大きかった。


「大きいね!」

「町が大きいならギルドも大きいんだろ」

俺たちはそう話しながらギルドに入った。


「そこそこ人がいるな」


ギルド内には人が沢山という訳ではなかったがそれなりに人はいた。


「アレス早く行きましょう」


メリアが肩を叩いて促してきた。


「ごめん、行こうか」


メリアに軽く謝って、受付に近付いた。


「すいません、俺達二人冒険者登録をしたいのですが」

「冒険者登録ですね、少々お待ち下さい」


そう言うと受付嬢は奥へ走っていった。


しばらくすると戻ってきた。


「どうぞ奥の練習場でまず実力を見てランクを判断します」

「どうやってみるの?」

「簡単に言うと試験官と戦って貰います」

「その結果でランクを判断するわけか」

「はい、冒険者は実力が一番重要ですから」


納得した二人は受付嬢の先導にしたがって練習場にやってきた。


「どちらからやりますか?」

「私からやるわ」


受付嬢に問われるとメリアが先に手を上げた。


「アレス、いいでしょ?」

「ああ、構わないぞ」


「お前たちが登録した来た奴らか、俺は試験官のバーンだ」


(お、こいつが試験官か中々強いがメリアはどう戦うのかな)


「バーンさんね、よろしく」


二人は練習場の真ん中で向かい合った。


「倒してもいいんですよね?」

メリアは笑った。先程のような笑みではなく戦う者の笑顔だ。

「ほう、そんなことが出来るならやってみろ」


「では始め!」

受付嬢さんが合図を出した。


「ふぅっ」

メリアは短く呼吸して一気突貫した。

(早っ)

魔力を纏ったメリアの速度は目を見張るものがあった。

しかし試験官もやはり手練なのかガードが間に合っていたがメリアの剣突で吹き飛んでいた。


ドガーン!!!!


試験官は壁にめり込んでいた。


俺はメリアの実力を知っていたから何となく予想してたが受付嬢は呆然としてた。

「おーい、試験の結果はどうなんだ」

「は、ご、合格ですね」

俺が声をかけるとやはりプロなのかすぐに冷静さ取り戻していた。半笑いだったけど


「ふふ、どんなもんよ」

メリアが笑顔で戻ってきた。

「お疲れ様ほとんど瞬殺だったけどな」

「あれは試験官が悪いのよ、私を女だからって侮ったからよ」

メリアはそっぽを向いた。その姿に少し笑ってしまった。


「な、なんで笑うのよー」

「いや、ごめんごめん」


少し話していると試験官が起きた。

「嬢ちゃん強すぎだろ」

少し苦笑いしていた。

「あまり女を舐めない事ね」

「ははは、そうするぜ」


「次はアレスね」

メリアの目がキラキラしていた。

「あ、あんたもなのか?」

試験官が少し戦慄していたが俺達は練習場で向かい合った。


俺は木剣を中段に構えた。

「それでは始め!」

その瞬間俺は闘気で自分に身体強化を纏い地面を蹴った。

試験官は木剣を大上段から振り下ろしてきたが俺はそれを木剣で打ち合い斬った。

「なんだと!?」

「アレス凄い!!」

後ろでめちゃくちゃメリアがはねている気がする。

俺はそのまま試験官の喉に木剣を突きつけた。

「ご、合格だ」

「ありがとうございます」

俺は木剣を下げた。


俺達は受付に戻ってきた。

「これがお二人のギルドカードです」

俺とメリアの名前が入った銀色のカードを渡してきた。

「二人のランクは銀級(シルバー)からですね」

受付嬢から聞いたが銀級(シルバー)は登録試験で一番良い成績だと貰えるらしいまぁ俺もメリアも試験官を倒したから納得だ。

冒険者ギルドのランクは下から鉄級(アイアン)銅級(ブロンズ)銀級(シルバー)金級(ゴールド)銀鉄級(ミスリル)幻鋼級(オリハルコン)神鉄級(アダマンタイト)の七種類あるらしく銀級(シルバー)からはベテランということらしいつまり俺達は登録初日でベテランになったということだな。


「やったね、アレス!」

「まさか初日から銀級とはな」

「なんか依頼を受けて行かない?」

「そうだなまだ昼前だしな」


俺達は依頼ボードに向かった。


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