書きたくないシンドローム。
皆さんはご存じだろうか。
小説家になろうに投稿している作家たち。いや、違う。アーティストたち。
その人々を蝕む恐ろしい病が流行しているのである。名は、書きたくないシンドローム。
病は投稿疲れから始まる。小説を読んで貰える喜び浸るアーティスト。そして、感想を書いてくれるありがたい読み手。需要と供給。そのバランスに答えようとするアーティストたち。一日一話投稿、頑張らなきゃ、かならず投稿するんだ、という焦りから病魔は確実に広がっていく。
そして、気づいた頃には遅い。瞬く間に、病は彼らの身体を蝕んだいくのだった。
倦怠感に似たやる気の低下。集中力の欠如。読み手の感想に一喜一憂する精神的揺らぎ。そして、低めの評価という決定打。病は全体を覆い、最悪の結果、小説家になろうで自己表現の停止にいたる。それはアーティストの死を意味する。ああ。恐ろしい。
ここに、書きたくないシンドローム研究の第一人者、多摩似休夢、教授との対談の一部を記載する。
筆者
多摩似教授、今日はよろしくお願いします。
多摩似教授
こちらこそよろしくお願いします。
筆者
単刀直入にお聞きします。現在、小説家になろう内で囁かれている、書きたくないシンドローム、について教授のご高察を教えてください。
多摩似教授
はい。現在、ネット環境の整備、さらにスマートホンの普及により、多くの人々が小説家になろうで自身の考えを発信しています。しかし、その反動による投稿疲れが深刻化しています。私の推計では、書きたくないシンドローム予備軍は数万人にものぼる、と思われます。対策を早急に練らねばなりません。
筆者
教授の考える対策について教えていただけますか。
多摩似教授
私が開発した新薬、キョーワヤスム、を内服し、休息期間を設けることで回復するとの実験結果が出ています。
筆者
効果のほどは。
多摩似教授
効果はあります。しかし、症状が重い患者には内服と休息の継続を勧めています。そして、ほとんどの患者が回復します。ですが、その症状に気づかず、治療が遅れ、症状を悪化させた方はアーティストの死が待ち構えています。
筆者
死。恐ろしいですね。
多摩似教授
はい。ですので、発症されたアーティストの皆様には早めの、キョーワヤスム、の内服、一時の休息を勧めているのです。この事実を多くの方に知っていただきたいのです。
多摩似教授は熱く熱く語っていた。それほど、書きたくないシンドローム、は小説家になろうを蝕んでいるのだ。
皆さんの周りにも、書きたくないシンドロームの初期症状を発症されている方はいないだろうか。私は、ぜひ、キョーワヤスムの内服と休息、そして、回復するまで小説家になろうの一時的な避難を呼び掛けている。
私はアーティストのみなさんのために声を大にして言いたい。
小説の投稿、今日ぐらい休もうよ。誰も責めないよ。
完
あ、一応、フィクションです(笑)