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異世界、初めての街。これから

ノルス王国南部霧の迷宮




 【ノルス王国】


 国土の北部は険しい山脈があり、麓は森が広がる。

 ノルス王国王都は豊かな土地で、農業や酪農も盛んに行われている。

 小さな国ではあるが、豊かな国であった。

 そして、南部に広がるのは霧の迷宮である。

 人の住む土地と迷宮は霧で隔たれており、人に害為す霧の魔物が徘徊している。

 霧の魔物は、迷宮を出て近くの人里を襲うこともあるそうだ。


 迷宮を出た後も荷馬車に揺られながらアンナにノルス王国の事を聞きながら王国内の霧の迷宮の中、舗装されていない道を荷馬車に乗って揺られていた。

 荷馬車より先を警戒しながら進むのは、モーリスと言う男性だ。

 モーリスに合わせて荷馬車を操るのは、ラーシャと呼ばれた女性。

 荷馬車の側には、2人を率いているのがアンナと言う女性だった。

 彼女達は、ノルス王国軍のオイレ旅団に所属する探索者と教えてくれた。


 心に余裕が出来た為、3人の様子を改めて見る。

 アンナは、青い髪を肩口で切りそろえている。

 目は切れ長で、キリッとした表情。

 ラーシャは、フードを被り表情も見えないが綺麗な顔立ちをしているように思えた。

 モーリスは金髪で髪を短髪に刈り上げ、片目の所に大きな傷跡があった。

 そして、3人は同じ様な装備を身に着けていた。

 赤い生地の服に、籠手と胸当て、脛を金属製の防具で守っており、手にはボルトアクションの銃を持っている。

 ラーシャは、出会った時に持っていた杖もどこかに忍ばせているのだろう。

 アンナとモーリスの腰には、サーベルの様な物も確認できた。


 「それで、探索者とはいったい何ですか?」


 【探索者】とは、霧の迷宮内部の調査、霧の魔物の掃討。霧の迷宮内から特有の資源を人間の世界へと持って帰る人たちの事だと言う。

 霧の迷宮は世界各地に存在し、今もなお広がり続けていて、新たに生まれることもあると言う。

 その為、【探索者協会】と呼ばれる世界規模で活動する組織が存在し、探索者を統括している。

 そして、探索者同士でチームを組み活動するとそのグループを旅団と呼んでいる。

 また、探索者は協会を通して出される依頼クエストを受け、それをこなす事で依頼クエストを達成し報酬が支払われるのだそうだ。


 「しかし、名前以外に何も覚えていないか」

 「ここが何処なのかもまったく。なぜこんなところに居るんでしょうか」

 「それは、私達が聞きたいくらいだ。しかし、女性が攫われるという事が無いわけでもないから」


 女性を好んで攫って行く魔物もいるようだ。

 魔物によっては、女性を繁殖する為に使うものもいるらしい。


 「あとは、子供を連れて迷宮に挑み親と逸れてしまったのかもしれない」

 「そういう事も、あるんですか?」

 「無いとは言えないが、自分の子供も探索者にするとかで連れていく者もいるらしい」

 「なれるんですか?」

 「生まれて、13年で成人とされている。それからは、大人として責任を持つことになるが、何でも出来るんだよ」

 「それで、探索者ですか?」

 「もちろん、生まれで未来が決まることもあるが、記憶を無くした君が今までどうしたいと考えていたのか」


 少し間があって、記憶を無くすほどの事、例えば親はもう……、と含むような言い方をアンナはしている。

 女神様によってこの世界へと転移させられ、なし崩し的にこの人達と一緒に行動している。

 女神様も、この世界の事を教えてくれたわけでは無く、自分の目で見て聞いて考えるようにと言われている。

 探索者、か。自分には、親も兄弟も、家族もいない。後ろ盾も無い状況であれば、悪くないかもしれない。


 「探索者は、誰でもなれるんですか?その、自分みたいな記憶も無いし」

 「正直に言えば、誰でもなれる。過酷な仕事だよ?今回死んだような者達の様に死ぬかもしれない」

 「死ぬ、そうですよね」


 そうか、迷宮内部に入れば魔物に襲われたら死ぬこともあるんだ。

 でも、この世界の事を知りたいと言う気持ちもあるし、女神様の言っていた「手助け」と言う言葉や「また会おう」と言う言葉も気になっている。

 世界を回れる仕事の様だ。悪い選択肢では無いとは思う。


 「そう言えば、自分に一度、カードを触らせていましたよね?あれはいったい?」

 「あぁ、あのカードか。あれはね、探索者の身分証だよ」

 「身分証?それを触らせて、どういう事だったんですか?」

 「簡単に言えば、魔物かどうか分かる」


 探索者証と呼ばれる身分証だそうで、探索者であれば誰でも持っている。

 素材が、ミスリルと言う魔力伝導率の高い鉱石と魔石と言う魔力マナを秘めた石を混ぜて作られている。

 過程で、魔物であれば持てない様な拒否される為に人に擬態した魔物等を見破ることも出来る。


 「ただし、カードを持たせる必要があるからこの方法は危険だがね」


 確かにそうだ。

 カードを渡せる距離に近付かないといけないのだから、危険が伴う。

 だからこそ、モーリスが警戒していたし、動けない振りまでしてラーシャさんが側に控えていたのだ。

 そうして、アンナと話しているとモーリスが叫んだ。


 「アンナ、出口に着きましたっ!」


 言葉に釣られて、前の方へ視線を向けると深く向こう側が見えない霧が発生していた。

 何の変哲もない霧にか見えない。

 モーリスが先に霧の中に入り、続いて荷馬車とアンナと続く。

 霧の中に入った、と思ったら視界がすぐに開かれた。

 広い平野に出たようで、丘へと続く道が伸びる。

 空は青空が広がり、雲一つない。心地よい風が吹いている。

 気になって振り返ると、背筋がゾクリとした。

 霧がそこにはあった。中を見通す事の出来ない濃い霧。


 「不思議だろう?この霧の迷宮は未だに誰も解明した事も無く、踏破した者もいない」

 「それでも、人は霧の迷宮に入るんですか?」

 「そうだな。しかし、ナオヒトは知りたがりだな」

 「それはもう。何も分からないまま、と言うのは怖いですから」


 しかし、その話も誰かが遠くで呼ぶ声がした為中断された。

 丘の向こうから、人影が現れる。

 その姿が近付いてきて分かったのだが、アンナ達と同じ様な姿をしている。ただし、銃は持っていないようだ。

 ただ、違うのは紋章だった。全員が馬に乗っており10名が自分達の進行方向を遮る様にして立つ。


 「ゴウラム殿」

 「アンナか。ドットはどうした?」

 「ドット様は、霧の迷宮にて魔物との戦闘で死亡。ドット様の配下であるアサ、ハデル、ボウススも戦死しました」


 その言葉を聞いて、ゴウラムと呼ばれた男の顔が真っ赤になる。頭も沿って丸く剃っているから、茹蛸の様だ。


 「貴様はっ!命を賭して守れと言われておっただろう!」

 「領主軍から出向していただいておりましたが、戦闘の最中に少年を保護。少年を守る為にドット様はお亡くなりに」

 「少年だと?」


 その言葉を聞いて、自分の存在に気付いたようだ。

 茹蛸だった顔が少しずつ落ち着いてきたようで、元の顔色に戻っていく。


 「何処の誰だ?」

 「はい、確認いたしましたが記憶を失っており名前以外は覚えておりません」


 アンナからそう聞いたゴウラムは、自分の事を値踏みするかの様に見てくる。


 「貴様、名前は?」

 「直人ナオヒトと申します」

 「荷馬車の上からか。まぁいい。アンナっ!」

 「はっ!」

 「戻るぞ、この小僧は貴様の言っていた通りにな」


 アンナは、ゴウラムへと頭を下げる。

 自分の乗る荷馬車を守る様にして前後に騎馬が付いて進む。


 「あの、アンナさん。ゴウラムさんはどういう方ですか?」

 「ゴウラム殿は、我がノルス王国軍のフェゼント旅団の団長だよ」

 「アンナさんよりも上の方の様でしたので」

 「まぁ、そうだな」


 モーリスやラーシャの様子も見る限り、あまり好いてはいないようだ。

 モーリスに至っては、霧の迷宮に入りもしないで、と小声で悪態をついている。

 そうして、一行が平野を進み、と丘を登るとすぐに目に入ったのは壁に囲まれた街だった。

 かなり大きいようだ。丸い円状の街を分断する様にして川が流れていた。


 「ボブレー!街へ戻って、凱旋すると伝えろっ!」


 ゴウラムに言われ、一騎が速度を徐々に上げて先の進む。

 凱旋、とはきっと自分を霧の迷宮から救出したと言う事を指すのだろう。


 「アンナさん、あの街は?」

 「ノルス王国最南端であるハダテ城塞都市だ」


 ノルス王国最南端に広がる霧の迷宮。

 その霧の迷宮の目と鼻の先にあるハダテ城塞都市は、迷宮へと向かう探索者達の拠点となる街である。

 アンナやゴウラムの率いる旅団もこの街に駐屯している。

 街の人口は、1000人程いるそうだ。探索者達が使用する宿屋や鍛冶屋、武器防具屋、探索者協会や教会などがある。

 さらに、それら関係者が街に移住する事で徐々に大きくなってきたそうだ。

 

 「霧の迷宮、こんなに近くに危険な場所があるのに街があるんですか?」

 「そうだな。迷宮は危険だが、それを踏まえても入る理由があるとでも言おうか」


 迷宮内部に現れる魔物は霧の魔物と言う。

 霧の迷宮で生まれ、人に害為す存在。

 しかし、迷宮内部は珍しいミスリルと言う鉱石や傷を癒す各種回復薬、ポーション等の素材が豊富である。

 また、倒した魔物は、身体の一部を素材と魔石を残す。


 「これが、魔石と言うんだが」


 腰から下げていた袋から1つ、手のひらに収まる程の石が取り出された。

 球体で、色は全体的に薄いが緑色をしている。


 「この魔石には魔力が含まれている。これが、今の人間にとっては必需品なんだよ」

 「必需品?」


 魔石は、燃料となるそうだ。

 火を起こすのも、水を出すのも明かりを灯すのも魔石があれば簡単になったそうだ。

 魔石は、現在は魔物からしか手に入らない。

 魔石の大きさや質は、倒した魔物によって変わるが必ず手に入る。

 大きく魔力を多く含んだ魔石であれば、高額で取引される為一攫千金も夢ではないのだそうだ。


 「しかし、そこまで高価な魔石を持つ魔物はかなり強力な個体だから、手に入れることは難しい」

 「そうだとしても、人は霧の迷宮に行くんですね」

 「まぁ、放っておくわけにはいかないのだ。だからこそ、我々の様な者もいるのだ」


 そして、袋から4つの魔石を取り出し、見せると袋に戻して自分へと持たせる。


 「これは、君が初めて霧の魔物を倒して手に入れた魔石だ。何かあった時の為に、取っておきなさい」

 「ありがとうございます」


 袋を受け取った手の平が、なぜだか熱くなったように感じた。

 じっと、袋を見つめていると突然ラッパが鳴り響く。

 慌てて顔を上げると、騎馬の1人が吹き出したようだ。

 城壁の1つの門に辿り着いていて、門がゆっくりと開く。


 「あれは一体?」


 門の両脇には、人よりも大きな何かが見えた。

 2本足で立ち、腕は2本のカギ爪のような物が付いている。

 頭部があるだろう場所には人が乗っているようだ。


 「あぁ、そうか。記憶がないんだったな。あれは、魔導アーマーと呼ばれる兵器だよ。このハダテ城塞都市を守るノルス王国軍の兵器だ」


 近付いてみると、結構大きい。

 高さは、3m程だろうか。腕の先の爪で白兵戦をするのだろう。

 白兵戦以外にも、何かできるのだろうか。

 乗っている兵士の顔はマスクの様な物で見えない。


 「動力は、魔石だよ。あれは霧の魔物から街を守る為のものだが、動かすには、その魔物を倒した際に手に入る魔石が必要だ」

 「へー」


 矛盾しているだろう、とアンナはその巨体を見上げていた。

 でも、あんなロボットがあるなんて、すごく興味が湧くのも無理はないだろう。


 「どうやったら、あれに乗れますか?」

 「あれにか?うーん、国軍に入隊する必要があるが、殆どは貴族の子弟が配属されていて乗るのも難しいと聞いている」

 「アンナさんの旅団には無いんですか?」

 「うちは、金銭的にも無理だな。アレも、旧式だが帝国から購入したそうだ。整備にも金がかかるからなぁ」


 アンナはそう言って笑っていた。

 門をくぐると、ワァっと歓声が上がった。

 荷馬車が2台はすれ違ってもなお余裕がある舗装された道が街の中心へとまっすぐ進んでいる。

 道の両脇には、自分を一目見ようと人が列をなしていた。

 ゴウラム達騎馬隊がまず、先頭を進んで行く。

 その後ろにアンナやモーリス、ラーシャと自分が荷馬車で進んでいく。

 しばらく進むと、街の中心に出た。

 噴水と時計台のある大きな広場で、そこには式典でもするかの様な舞台が設置されている。

 そのまま、促される様にして舞台の上に上げられる。

 しかし、話の内容は酷かった。

 アンナに保護された話ではない。

 ドットと言うアンナの上司が命を顧みず救出し、ゴウラムがアンナ達を救出した事になっているのだ。

 抗議しようと口を開きかけたのだが、視線に気付きアンナの方を見ると、首を横に振って自分を止める。

 結局、歓声に包まれて上機嫌なゴウラムと、この街を治める領主の話が続く。


 「して、誰かこの者を知っている者はいないか!」


 自分を指差し、集まった聴衆に問いかけるが誰も知らないと口を閉ざしてシンとする。

 結局、この場で自分は教会の孤児院へと預けることがあっという間に決まってしまう。

 そんな茶番の様な式典が終わったのはもう陽が沈み始めていた。

 アンナは、自分のところへと来ると、「これから君の良く先に幸あらんこと」を、と言って旅団の詰所へと戻っていくのだった。

 そして、残された自分のところへは修道服だろうか、それを身につけた年配の女性が近付いて来る。


 「ナオヒトと言いましたね。ワタシは、ハウス。孤児院の院長をしています」

 「初めまして、ハウス、先生?」

 「初めまして。さぁ、孤児院はすぐそこですから。まずは、そちらへ行きましょう」


 そう言って、手を差し伸べてくる。

 誰かとこうして手をつなぐのなんていつ以来だろう。

 しわが多く刻まれたハウス院長の手を握ると、優しく握り返された。

 不安がないと言うと、嘘になる。

 これからすべき事は、探索者になる方法を調べてすぐにでも孤児院を出る。

 方法が分かれば、探索者として世界をまず見て回ろうかな、と考えるのだった。




ハダテ城塞都市孤児院




 孤児院に到着したが、中に入る前にハウス院長に聞く事にした。


 「ハウス先生、自分は10歳くらいだと思うのですが、探索者になるにはどうしたら良いでしょうか?」

 「まぁ、探索者にですか?」

 「はい。もしかすると、記憶を無くした父と母の事を思い出せるかもしれませんし。何より、自分の力でしっかりとこれから自立していきたいのです」


 うーんと、唸るハウスの様子を見守る。

 さすがに、理由に無理があったかもしれない。



 「なれますよ。あなたの年齢でもね?」

 「お願いします、教えて下さい」


 そう言って、頭を下げる。

 ふぅ、とハウスからため息が聞こえてきた。難しかったか、と次の理由を考えようとすると分かりました、というハウスの声で顔を上げる。

 満面の笑みで、自分を見ていた。


 「孤児院には、あなたくらいの子も沢山いますよ。手伝ってもらうことも沢山ありますが、命の危険はまずありません」


 それでもですか、と聞いてくるハウスに「はいっ」と答えた。

 また溜息を付くが、今度は自分の事をまっすぐに見つめてきた。


 「まさか、こんなに早く言い出す子がいるとは」


 そう言うと、修道服のポケットから1枚の丸められた紙を取り出し自分へと差し出してきた。

 手触りは普通の紙では無く、羊皮紙と言う紙なのかもしれない。


 「これは、探索者協会への紹介状です。まずは、これを持って受付に行きなさい」

 「ありがとうございます!」


 そう礼を言って紹介状を受け取る。

 場所は、先程式典を行った広場であった。


 「ナオヒト、貴方のこれからに幸あらんことを」

 「はい、頑張ります」


 そう言って、ハウスと一緒に歩いてきた道を1人で戻る。

 目指すは、探索者協会だった。




???




 「彼は探索者の道を選んだようですよ?」


 狭い部屋の真ん中にはちゃぶ台と背の低い着物を着た金髪でおかっぱ頭の少女の姿をした女神がお茶を飲んでいる。

 それを見降ろすのは、栗色の長い髪を三つ編みにして束ね、肩口から垂らしている。

 身長も女性の平均身長程度、体形も平均的である。

 顔は、ニコニコとして人懐っこい表情をしているが、見る人が見れば仮面の様な笑顔に見えるだろう。

 ただ、街中で見ても、目立たない様な不思議な印象だ。


 「ヌシは、何をしに此処へ?」

 「いえ、私も一口噛ませてもらえないかな、と思いまして」

 「ヌシの所にも居るじゃろう。それが、なぜ儂の方にまで」

 「たまたま、にしても私の子供の所に来ているんですし、協力して事に当たれればと思ったまでです」


 子供とは言っているが、本当に血の繋がった子供ではない。

 女神や神は、自分の担当した転生者の事をそう言っているだけである。

 少女の姿をした女神は、腕を組んで考える。

 確かに、彼女の力を借りれば彼のこれからにとっては役に立つのは間違いない。

 しかし、その代償を考えてしまうのだ。


 「して、どのように?」

 「あぁ、大丈夫ですよ。私が直接手を貸すわけでもありません。優秀ながいるのですが、独立したいようでして」

 「それで、見返りはなんじゃ?」

 「先行投資です。こちらに何かあった時に助けてもらえませんか?」

 「あい、分かった」

 「あなたも、この展開を考えてはいたのでしょう?」

 「……、フン」


 儂の様子を見て、肯定と捉えたのだろう。満足したのか三つ編みの女神はこの部屋から消えていった。

 気配も完全に無くなったのを確認し、溜息をつく。


 「あとは、ナオヒトしだいよのぉ」


 そう呟くが此処には自分1人、誰に返事もない。

 また1つ、溜息をつき、現世におりた自分の初めての子供の事を思うのだった。

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