表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

気付けばこうなった

気付けばこうなった

作者: 紅梅

自分の好きなものを好きな用にしか書いていないので、読みづらいことはあるかと思いますが、楽しんでもらえれば…と思います。

気付けば、知らない甲冑らしきものを纏った兵隊に、刃物を突きつけられて、そして何やらわからない言葉を叫ばれていた。

ただ、そんなこと気にならないほど体が痛くて、周りに纏うこの黒い霧みたいなものが嫌で、頭の中に響く言葉に何も考えることもなく従っていた。



――――瘴気を取り込みすべて糧とせよ。さすればすべてが再生される。―――――


息を吸い込むのと同じ要領で、身体の周りを覆っている黒い霧を思い切り吸い込んだ。何度も何度もそれを繰り返すと、確かに身体にあった痛みが無くなり、むしろ健康だと言わんばかりに身体が軽くなってきた。

それに機嫌をよくした私は、ただ、それを無我夢中で吸い込みまくり、気づけば、あたりはすっかり澄み切った空気に変化していた。


そして、一言。


「けぷう・・・・。」


食べ過ぎた後の生理現象だということで、許してほしい・・・。


それにしても、なんだか周りの兵隊さんたちがなんだかとってもあわてているような感じで、自分を見ていた。

何かおかしいのか?・・・・・・きょろりと自分の身体を見ようとするのだが、どうやらこの身体はあまり器用な動きは出来ないらしく、ぽてりと見事に後ろへと倒れていた。


・・・・・はずかしい・・・・。


その状態に、周りから噴き出した音や、空気が震えるのが分かった。


・・・いっそ大笑いすればいいじゃないか~~~~!!!


なんて思って、内心しくしくとうなだれていれば、誰かが近寄って、分からない言葉で何か宥めるように声をかけてきた。倒れたまま小首を傾げていると、その相手は何を思ったのか、いとも簡単に身体を抱き上げていた。


「きゃううう???」


驚きのあまり声を上げた。それは間違いないのだが・・・はて?こんなに簡単に抱き上げられるほど自分はちいさかっただろうか????


頭をひねっている間に、体中を触って怪我がないか確認をされていたのだが、全く気付かず、気づけばその人物?に抱えられたまま移動が始まっていた。


え???


私・・どこにつれていかれるんでしょう・・・???もしかして・・誘拐!!??


いや、こんな堂々とした誘拐はないか・・。いや、落ち着け私・・・。というか、さっきから見える自分の手足が、真っ黒な鱗でおおわれている事実にようやく気付き、そしてたまらず、叫んでいた。


「きゅううううるううう???????」(うろこおおおおおおおお?????)


そして、口から出たのは、言葉とはいえないもの。


・・・・・・いったいいつから私は人間を脱してしまったんでしょうか・・・。


叫びながら、気づけば私の意識は暗転していた。









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ