第2章
今は実家から離れた、アパートに着くと、階段を駆け上がり、一人で暮らしている部屋へと辿り着けば、鍵を開けて中へと入った。
散らかった雑誌等を片付けて、掃除機もかけて、優真を待つ。
やがて、ピンポーンと来客を知らせるチャイムが鳴ると玄関へと行き、鍵を開けて扉を開ける。
「ちゃんと、俺か確認した?」
苦笑いで優真は尋ねる。私は、頭を左右に振った。
「優真だって、わかったから。女の勘ってやつよ。」
「なんだそれ。女の子が一人暮らししてるんだから、ちゃんと気を付けないと…」
「わかったわかった。ほら、上がってよ。」
優真の話を中断させると、早く部屋に入るように促した。…こういう話になると、長いのだ。
「まったく…お邪魔します。」
優真はそう言って、靴を脱ぎ、部屋に入ってから、私は玄関の鍵を閉めた。
「それで話って、何?」
私は、ベッドに腰掛け床に座る優真を見た。…気のせいか。少し、緊張してる?
二人っきりで話したのは、これが初めてじゃないし、私の部屋にだって、何度も来ている。…じゃあ、何故?
私にまで、緊張感が移ってきた頃、優真はようやく重い口を開いた。
「……き…なんだ」
「え?」
「好きなんだ!理子の事がっ!」
突然の告白に、私はぱちぱちとまばたきを繰り返す。
嬉しいはずなのに、頭の中が真っ白になっていく。
ふと浮かんだのは、もう一人の幼馴染み。…美鈴の顔。
何かが音を立てて崩れていく中、私の視界がぐるりと変わる。
いつの間にか、立ち上がっていた優真に押し倒されていた。
「ま、待って」
私は、焦って制止させようとする。優真は、真っ赤な顔で見下ろしてくる。
「どうして?理子は、ずっと俺のこと好きでいてくれたじゃないか」
「好きだよ!好き、だけど…あの子は、美鈴はどうなる……っ…?!」
唇に柔らかな感触。…優真の唇。
「俺が、ずっと好きだったのは…理子だけだよ」
「ゆ、ゆうくん…」
また、再び交わされる口付け。
その時だった…。
~♪