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スカパーの中継・試合開始から前半まで

スカパーのJリーグ中継をイメージしました。

「」が実況、『』が解説者、()がピッチリポーター、何もなしが試合中の雑音です。

「3月に開幕してから激戦が続いたJ2は、今日で全日程の3分の2を消化します。ロンドン五輪やW杯最終予選があろうとも戦いが続くJ2。いよいよJ1昇格、JFL降格とも目が離せなくなってきました。Jリーグディビジョン2第28節、アガーラ和歌山対モンテビアンコ山形。解説に元和歌山の検見川安彦さん。ピッチリポートはきのくにテレビの斎野保奈美アナウンサー、実況楠川高久で、橋本市陸上競技場からお送りします。検見川さんよろしくお願いします」

『よろしくお願いします』

「さあ検見川さん」

『はい』

「自動昇格を狙う山形を、今シーズンハットトリック達成者を3人出した和歌山が迎え撃つという今節ですが、どんな試合になりますかねえ」

『いや〜先週西谷もやりましたからね。やっぱり山形としては、この和歌山の攻撃力は驚異でしょうね』

「まあ和歌山は失点も多いのでなかなか勝ちに結び付いていませんよね」

『勝ちと言うより引き分けが少ないですよね。勝ち負けがすごいハッキリしてるんでえ…まあチームのカラーはすごい出てますよね』

「山形としては何がポイントになりそうですか」

『やっぱりセットプレー、特に和歌山にコーナーキックを与えないことですね。いいキッカーもターゲットもいますしね』

「やはり鶴岡と剣崎ですよね」

『逆に和歌山としては守りに入らず攻め続けられるかですよね。我慢くらべになったら山形のペースになりますからね』

「ではスタメンを確認しましょう。まず和歌山からです。キーパーは今日は天野、ディフェンスライン4バックは右から藤川、猪口、川久保、村主。チョンと栗栖のダブルボランチ、サイドハーフは右竹内、左西谷、2トップ剣崎と鶴岡となっています。ディフェンスラインは藤川は今シーズン初スタメン、組み合わせも今シーズン初めてとなりましたね」

『まあ内村と大森が出場停止という影響もありますけど、守備力に関しては結構安定感ある布陣ですね』

「リザーブの選手はキーパー友成、ディフェンダー桐嶋、園川、根木。ミッドフィルダー江川、小西、野上となっています。今日はフォワードの選手が入っていませんね」

『まあ特に代える必要もないし、鶴岡は前節休んだんで万全ですからね』

「一方の山形は、前節主力3人が出場停止の中、草津に完封勝ち。今節は停止明けの選手をどうするかが気になるところです。キーパーは佐藤、ディフェンスは鈴木、高橋、渡辺の3バック。中盤は山本、山口のダブルボランチに林、佐々木の両サイド、トップ下の加藤と中村と2トップを組む小林が出場停止からの復帰です。山形にとって得点源が戻ったのは大きいですよね」

『ですねえ。前の試合は中村のPKを守りきって勝ちましたけど、やっぱり得点を計算できる選手が戻ってきたのはありがたいですよね』

「山形のリザーブは、キーパー山田、ディフェンダー伊藤、井上。ミッドフィルダー田中、松本、清水、フォワード吉田。停止明けの田中はベンチスタートですね」

『やっぱり山口と山本のボランチの安定感を買いましたね。前節の完封も影響してますね』

「ただ、山形は鈴木、高橋、渡辺の3人が累積でリーチかかってるんですよね」

『だからそれも考えてのボランチではないかなとも思いますね。最終ラインが慎重になる分フォローを求めているんだと思いますよ』


「それではピッチサイドの情報を、斎野保奈美アナウンサーに伺いましょう。斎野さんお願いします」


(はい。楠川さん、検見川さん、こんにちは。きのくにテレビの斎野です。今日もよろしくお願いします。えっとまずは両チームの試合前の様子なんですが、アウェーの山形の選手たちの方が緊張しているように思いました。和歌山のキャプテン、チョン選手は「気持ち的には自分達の方が余裕があるので、それが油断にならないように声を張り上げていきたい」と意気込んでいました)

「ピッチのコンディションはどうでしょうか。少し小雨がぱらついているようにも思いますが」

(はい。あの雨なんですけども、降っていると言うより霧のような感じで、体にまとわりつくような雨です。これには選手たちも嫌そうな表情を浮かべていました。この雨は先程から降っていますので、まだピッチの方は湿ってはいません。それから風のほうはあんまり吹いてなくて、ちょっと選手にとっては集中力を保てるかも焦点となりそうですう)

「わかりました。では今後もピッチからの情報をよろしくお願いします」

(はあい、頑張りまあす)



「斎野さんのピッチサイド情報でした。こういう霧みたいな雨っていうのは、選手にとってやはり気になるところですか」

『やっぱり普通の雨と違って蒸し暑さもあるので、できることならしたくないですね』

「それだけ集中力も必要と」

『やっぱりつねにまとわり付くので気は散りますよね。だからそこに隙が生まれるか否かはかなり勝敗にくると思いますね』




−−−−−−−−−



「さあ今ピッチではコイントスが行われています。今日の審判団は、主審が池田義之さん。副審が小田健二さん、島井智喜さん。第4審判が戸羽誠一さんです。…さあコイントスの結果、和歌山ボールから始まるようです」



−−−−−−−−−−



「両チームのサポーターのチャントが響いてきましたねえ。センターサークルには剣崎と鶴岡が入ります。検見川さんも現役時代はフォワードでしたから、ああやってセンターサークルに立ったことはありますよね」

『そうですねえ。やっぱりあそこに立てるっていうのはフォワードの特権ですよね』

「どういう感じなんですか」

『やっぱりこれから試合が始まるってことで、体がかなりジーンときますねえ』


ピィーーッ


「今レフェリーの笛がなってキックオフです。まずは和歌山ボール、栗栖、左サイドの西谷、前に蹴り出します。メインスタンドから見て左から右へ攻めるのが和歌山、右から左へ攻めるのが山形となっています」



−5分すぎ−−−−−−




「スローインとなります…もう5分ぐらいになりますが、両チームなかなかシュートまでいけませんね」

『お互いボールを持った選手への寄せが早いんで、どうしても横パスが多いんで、なかなか前に向けませんねえ』

「さあ高い位置でえ、剣崎、奪った。剣崎…シュート打ってきたあぁっ!」

『うおぅっとお』

「これはゴールマウスの上を飛んで行きましたぁ…この試合初めてのシュートが生まれました。さすがと言ったところでしょうか」

『ああいうミドルの意識はいいですよねえ』

「距離は20メートルぐらいですけど、迷わずいってますねえ」

『距離はありましたけど、ゴールマウスの延長線上だったんでいったんだと思いますよ。力んだ分浮いたんじゃないんですかね』


(楠川さんよろしいでしょうか)

「はい斎野さん」

(その剣崎選手に試合前に話を聞いたんですが、剣崎選手、ここまでのゴール数が19なんですね。それで「中途半端で気持ち悪いんで、今日中には20ゴールに乗せたい」と言ってました。また「シーズンまだ3分のい…)

「さあここで加藤が仕掛ける、ゴール前…和歌山人数足りているう、中村、小林、小林シュートぉっ」

『だあ惜しい、助かったあ』

「狭いパス交換から最後は小林。ゴールキックです。斎野さん続きどうぞ」

(はい。それで「シーズンはあと3分の1しかないけど、なんとか30ゴールは決めたい」と豪語していましたねえ)

「そうですかあ、ありがとうございます。いや、剣崎選手らしいというか」

『そうですね。なんとか先制ゴール決めて20点に乗せて欲しいですねえ』

「今山形のカウンターありましたか…」

『ちょっと危なかったですけど、よく集中してコース絞らせましたね。ただラインをこれでズルズルと下げると、バイタルエリアにスペースできてしまうんで、そのあたりの動きの確認をとって欲しいですね』



−前半30分頃−



「さあ山形がフリーキックのチャンスを得ました」

『角度といい距離といい絶好の位置ですからねえ、和歌山としてはここ踏ん張りたいですねえ』

「ボールをセットしたのは加藤、隣には中村もいます…加藤が助走をつけてえ、スルーした」


ボッ


「中村狙っていったっ!天野がはじく。まだボールは生きている。林が拾うっ!中にクロスっ、川久保がクリア、セカンドボール、山口ミドルっ!天野また弾く。詰めていたあ佐々木ぃっ!」

『ぅあっ!』

「あー決まったっ!前半31分山形先制っ!」

『いやあ天野がよく防いでいたんですけどねえ』

「最後は佐々木が押し込みました。佐々木は今シーズン3得点目っ。アウェーの山形が先手をとりました」



−−前半終了間際−−−


「前半44分、なんとか和歌山前半のうちに追いつきたい。天野のゴールキックっ」

(アディショナルタイムはありません)

「中盤、ああディフェンス速い山形」

『どうも中央で主導権取れませんねえ』

「やはり山形のダブルボランチが機能していますねえ」

『ですねえサイドで攻めるにしてももっと思い切りがないと、ちょっと攻めあぐねていますね』

「サイドに流れて、ボールを受けた栗栖、左サイド、前にはたく…抜け出したあっ西谷っ」

『さあこれはなんとかしたい』

「強引に持ち込んでいく、西谷、一旦戻す、チョンへ。右サイド竹内にふるっ。竹内が、クロスを上げる。鶴岡、競り勝って、落としたところ剣崎ぃっ!!」


ゴォーーーールッ!!!


「左足一閃っ剣崎ぃっ!」

『いやあいいシュートでしたねえ』

「宣言通り20ゴール目、ラストワンプレーできっちり仕留めました」


ただいまの得点はっ、アガーラ和歌山っ、背番号9、剣崎龍一選手っ!今シーズン20点目のゴールでしたぁっ!


ピィーーッ


「そしてこれで前半終了の笛っ。和歌山が土壇場追いついて同点で後半となります。これは大きいですねえ」

『いや大きいですねえ。特に山形にとって後半のゲームプランに大きく関わりますからねえ』

「Jリーグディビジョン2第28節、アガーラ和歌山対モンテビアンコ山形、1−1で後半に入ります」

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