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蝉が見た夢

二十年間を過ごした。

ある日のこと、縁側に座って夕涼みをしていると、一匹の蝉が庭の木に止まって鳴き出した。しかしどうにも弱々しい。もうすぐ死ぬのだろうと考えた。ここは一つ死ぬまで見ていてやろうと思って、立ち上がってその木に近づいた。死んだら庭の隅に埋めて、墓標くらいは立ててやろう。すると、剥がれ落ちるように、蝉が木の幹からはらりと離れた。その途端、電気のスイッチを切ったみたいに周りが真っ暗になった。


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