表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

雑多な小噺

足音

掲載日:2025/08/15

 そろそろ夜が涼しくなってきた頃。

 私は、花火大会に来ていた。


 最初の花火が上がるまで、まだ時間がある。

 屋台には人が群がっていた。

 普段より高いそれを手に入れる為に、人々が列を成す。

 まだ少し暑かったので、かき氷を買った。

 削りたてのかき氷。

 硬質を感じさせるその見た目は、何処か宝石の原石のようだ。

 青い原石。

 ブルーハワイって、どんな味が元なんだろう。

 じっと見ていたら溶けてきたので、急いで食べ始める。

 冷たい。


 最初の花火が打ち上がった。

 みんなが1つの方向を凝視している。

 鮮やかな閃光と、時間差で響く一瞬の轟音が、周りを魅了する。

 一説によると、打ち上げ花火は元々、慰霊のためにあったらしい。

 今は昔とは花火そのものが変わってるから、感じる風情も違うだろうか。

 花火が次々と打ち上がる。

 大輪がいくつも咲く。

 小さな花火が連続して爆ぜる。

 赤、青、黄、緑、桃。

 お盆で此方に来た霊たちも、楽しんでいるだろうか。

 役目を終えた火の粉が、力尽きて堕ちてゆく。

 あっという間に、時が過ぎてゆく。

 最後。

 とびきり大きい、光が、音が。

 爆ぜて、散って。

 消えた、


 帰りを促すアナウンス。

 流れる人混み。

 泣き叫ぶ子供。

 酔い潰れた大人たち。

 空に残る煙。


 少しずつ、夏が終わろうとしている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ