聖竜の選んだ聖女
私の名前はアリーナ、今代の聖竜の選べし聖女です。
聖竜の選べし聖女とはこの国が出来た時、初代国王の友だった聖竜が不毛で自然災害の多かった国土を自然災害から守り国土を豊かにした。
そのため守ってくれる聖竜に感謝の念を国中から集めて聖竜に渡すための聖女が産まれたと伝えられています。
そして現在は国が出来てから500年が過ぎ誰もが聖竜様への感謝の念を無くし只の伝説だと思っています。
私は孤児院に居た孤児ですが先代の聖竜の選べし聖女様が亡くなり神殿が探した聖竜の選べし聖女だと判明したら無理矢理神殿に連れていかれ今代の聖竜の選べし聖女になりました。
今の王家と神殿は聖竜の選べし聖女を只の聖女として扱い聖竜への信仰を無視しています。
そして王家は聖女だと言うことで年の近い第三王子の婚約者に決めました。
そして15歳になり学園入学するまで神殿で高い寄付金を払える貴族に聖女として治癒魔法で病や大怪我を治していましたが最近は治療院が発達し治療は減って来ました。
しかし私が15歳に成ると聖竜様との念話をすることが出来ました。
どうやら私は初代聖竜の選べし聖女に近いくらい能力が有るようで聖竜様と話をしました。
「聖女よ話を聞きたいが大丈夫か」
「聖竜様、わたしが今代の聖竜様の選べし聖女です」
「最近感謝の念がお主達聖女から渡って来ないので私の力が衰えて来たのだがどうしたのだ」
「私も感謝の念を贈りたいのですが国民にも感謝の念を持つ人が殆んど居ないためお渡し出来ませんので済みません」
「そんな事に成っていたのか、もう暫く待つので感謝の念を持つ様に伝えてくれ」
そうして学園に入ったので人が集まっている所で生徒の貴族へ話をしました。「聖竜様への感謝の念が必要ですので皆様聖竜様への感謝の念をお持ち下さい」
「馬鹿な事言うな、存在など創作の聖竜などへの感謝の念など必要無い」
「只の聖女が只の作り話で金を得ようと煩いな」
そんな返事ばかりが帰って来ます。
そして卒業式での第三王子の発言で恐ろしい事を言い出しました。
「治療院が増えたいまこの国に聖女など不要だ」
「その通りです、第三王子様」
「そして特に国の資金を使って儀式をしている聖竜の選べし聖女など無くして仕舞え」
「そうだそうだ」
「まずは私との婚約を破棄して掛かる金に対して役立たずの聖竜の選べし聖女は即刻国外追放だ」
「賛成です第三王子様」
慌てて私は発言する。
「婚約破棄はともかくこの国に聖竜の選べし聖女は絶対必要なんです」
「馬鹿な事を言うな、自分の立場を守るために嘘をつくな」
「そうだ今の我が国には貴様の様な者は不要だ」
生徒全員が否定する。
そうして私は呟く。
「聖竜様、この国には聖竜様は不要なそうです」
「そうかそれでは故郷へ帰るので聖竜の聖女よ一緒に行こう」
そう言うと聖竜様は私を乗せて竜の谷に旅立った。
そして竜の谷で竜とその友達と暮らしていると王国は、激しい自然災害と土地が不毛の大地へ戻ってしまった事により滅びてしまい今では各国で愚かな国の見本として伝えられています。