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春や昔の -佐賀の役拾遺-  作者: 深川ひろみ
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序 衝突

 明治七年二月十五日。

 佐賀県下の不平士族の不穏な動きを鎮定するためとして、一月末に任命されたばかりの新県令、岩村高俊が、熊本鎮台兵三百名余りを率いて佐賀城へ入城した。

この措置に反発した憂国社約二千名と征韓社一千名が、翌十六日払暁、城を急襲して県令・鎮台兵を追い払い、城を奪取した。憂国社の首領は島団右衛門(義勇)、征韓社は江藤新平。

 佐賀の役の始まりである。




 政府と軍との認識の齟齬もあり、緒戦こそ劣勢だった政府軍だが、その後迅速に態勢を整え、反攻に転じた。七日後の二十三日、征韓社の江藤新平は、神崎での敗戦を知るや、憂国社側に無断で幹部と共に戦線を離脱、支援を求めるとして海路鹿児島の西郷隆盛の許へ奔った。

 残された憂国社は戦闘を継続。二十七日、島の実弟、副島義高は劣勢を聞き、午後六時過ぎに幹部を率いて境原の戦線へ駆けつけ、夜中の九時まで戦ったが力及ばず、退却した。

 境原と佐賀城の距離、およそ五キロ。既に大勢は決していた。

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