ヒメ「ヲタクがなんたるか、わかってないわね」
ザキ(山鷺 翔人)(やまさぎ しょうと)……アニメオタク。渾名の由来は、名字を初めて聞いた人に「山崎」だと思われたこと。「ザキちゃうわ」と言っているうちにザキになった。
モヒ(元木 秀俊)(もとき ひでとし)……マンガオタク。渾名の由来は、名字と名前の頭文字から、と本人は豪語しているが、本当は小学生の頃の『とんでもない寝ぐせ事件』から。別案で「トサカ」というのもあった。
ロキ(興梠 誠)(こうろき まこと)……ラノベオタク。渾名の由来は、「格好いいニックネームが欲しい」と言って本人がつけた。頑張って広めた。ロキと読んでくれる人は優しい人だと思う。
ヒメ(望月 紗姫)(もちづき さき)……ヲタクオタク。渾名の由来は、部員に「サークルの姫って感じがする」と言われたこと。本人も実は気にしている。でもヲタクに興味があるのは変わらないので、ときどき距離感がおかしい。そのせいで余計に姫として見られている。
ヒメ「ヲタクというのは本来、何かを極めた者のみが名乗ることを許される、一つのの称号であると考えられるわけね。つまり、ヲタクを名乗るからには相応のプライドと覚悟を持ち合わせておいて欲しいの。そのあたりのことをよくわかっていなくて、何となくのカテゴリーというか、ある種のレッテルのようにヲタクを名乗られちゃうと品格が損なわれるのよ。ヲタクは専門家なの。テレビ番組が学者や大学教授にインタビューに行くみたいに、第三者からその知識の正確さと量をアテにされるような、そういう存在であってほしいと思っているわ。貴方たちも、そのことを努々忘れないように――」
ザキ「あ、死んだ」
モヒ「もらいーっ! やーい、雑ー魚っ! あっ待て待って!? それあかんやつ! ぐあああっ!」
ロキ「イキっとるからやアホンダラ。誰か倒すたんびに煽るんやめーな」
モヒ「死んでもやめへん」
ロキ「見事に死んだもんな、今」
ザキ「あ、俺もう一機残ってた」
モヒ「裏切り者――――!!!!!!」
ザキ「いや、知らんがな」
ロキ「あっ、嘘やろ。強い」
モヒ「おいこら負けんな! 俺を倒したお前が一番やないと、俺まで弱いみたいやろ!」
ザキ・ロキ「「いや、一番弱いやん」」
モヒ「そんなとこばっかハモらんでえーねん!」
ザキ「モヒは基本広く浅くやからなー。ゲームにもそういうとこ出るよな」
ロキ「わかりみが深い」
モヒ「……否定できんな」
ザキ「せやろー?」
モヒ「でもパーティーゲームなんてそんなもんちゃうん?」
ロキ「スマ〇ラは戦争や」
ザキ「殺し合いを制したやつだけが発言権を持つんや」
モヒ「俺の知ってる世界観とちゃうやん……」
ロキ「おおっしゃ勝ったっっしゃああいいい!!!!!!」
ザキ「ぬあー! 勝てる思たのにー!」
ロキ「これで俺だけが発言権を有してるわけや。せやから言うで?」
ザキ「聞こうか」
ロキ「ヒメの相手は任せた」
ザキ・モヒ「「断る」」
ロキ「お前らが遮ったからやろ!? 見ろあれ! めっちゃ涙目なってるやん!」
ザキ「みんな共犯なのでみんな同罪だと思いまーす」
モヒ「そもそもゲーム中に長々と話し始めたヒメが悪いと思いまーす」
ロキ「そういうこと言うなよ後が大変やろ!?」
ザキ「…………ええか、ヒメ」
ヒメ「………………………………なにかしら」
ザキ「そんな概念的なこと考えながらオタクやっとるやつは、…………おらん!」
ヒメ「オタクじゃなくてヲ・タ・ク! プロフェッショナルには敬意を込めて特別な呼び方をするの!」
ザキ「それ、別に嬉しくもなんともないんやけどな……」
モヒ「まー、今日はゲーヲタ来てないしな。おったらここまで平和なゲームにはならん」
ロキ「平和やったか……?」
ザキ「そもそも俺ら、別にプロフェッショナルでも何でもないっていうな」
モヒ「ほんそれ(ほんまそれ、の略。『はげどう(激しく同意)』と同義)」
ロキ「え、今のセルフ副音声どうやったん? 腹話術?」
モヒ「凄いやろー」
ザキ「まーたヒメ放置してるぞー。だいじょぶかー?」
ロキ「ご機嫌麗しゅう、ヒメ」
モヒ「本日はお彼岸もよく」
ザキ「お日柄、な」
ヒメ「………………そもそも君たち、ここがどういうところか忘れたの?」
ザキ「ヲタクラブ」
モヒ「ヲタク、クラブの略」
ロキ「ヲタク、ラブの略でもある」
ヒメ「わかっているじゃない…………」
ザキ「なんなら、この作品のタイトルもそれでよかったくらい」
モヒ「じゃーなんでそうならんかったん?」
ロキ「他所様と名前が被るのを恐れたんやな。詳しくはグー〇ル先生に訊いてみ」
ヒメ「………………そのことは今はいいのよ。それじゃあ、この部ですることといえば?」
ザキ「アニメ鑑賞」
モヒ「マンガ漁る」
ロキ「ラノベ読む」
ヒメ「………………せめて、せめて貴方たちがプロフェッショナルとして各々の分野を研鑽するのならいいのよ、本当に。でもそうじゃないでしょう!? 今日何していたの!?」
ザキ・モヒ・ロキ「「「ゲーム」」」
ヒメ「何で!?」
ザキ・モヒ・ロキ「「「面白いから」」」
ザキ「まあまあ。今回はチュートリアルやから」
モヒ「読者の皆様に、本作品の雰囲気を知ってもらうためやから」
ロキ「ヒメがヒステリー起こしたことしか伝わってへんやろ……。これで続き読む人がおったら奇跡やろ」
ザキ「タイトルの回収だけでもしとく?」
モヒ「初回やのに?」
ザキ「言い方が悪かった。サブタイトルの回収」
モヒ「あー……」
ロキ「この作品のサブタイトルって台詞やろ? 回収って?」
ザキ「それぞれにとって、ヲタクとは何かを語る」
ロキ「なるほど乗った」
モヒ「じゃー言い出しっぺからな」
ザキ「へーい。俺にとってのヲタクとは、『好きなものを、胸を張って好きだと言える人のこと』です。なお、隠れヲタクは自分に嘘をつかない限り隠すことを認める」
モヒ「偉そうやな。俺は『なんかめっちゃそれが好きで詳しい奴。それについて語るときは目がキラキラして早口になる』」
ロキ「ヲタクの定義というより、ヲタクの生態についてやったな。俺は『その分野に関して広い知識と深い見解を持ち、多角的な観点から考察することのできる人材』」
ザキ「ヒメに寄せにいったに一票」
モヒ「追加でもう一票」
ロキ「おいそーゆーこと言うのやめろ。いろいろ怖いやろが。違うからな?」
ザキ「しょーがないなー。そーゆーことにしといたろー」
ロキ「うっっっっっっっっっっっぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇええ!!!!!」
モヒ「全力のうっぜぇいただきました」
ヒメ「唐突に巻き込まないでくれない? 迷惑」
ザキ「辛辣が過ぎる……」
モヒ「これでサブタイトル回収できた?」
ロキ「微妙なところやろーなぁ」
ザキ「次回はもっとまともな会議しよーや」
モヒ「まともってどんな? 金髪ヒロインの魅力についてとか?」
ロキ「いんじゃね? それ」
モヒ「マジか」
ザキ「それやと狭すぎるから、次回のテーマは『ヒロインの髪色選手権』でどう?」
ロキ「乗った」
ザキ「ヒメは明日も来るー?」
ヒメ「………………行くわ」
ロキ「よっしゃ」
モヒ「取り敢えず参考資料をパワポで用意してくればええか?」
ザキ「急にガチ勢」
ロキ「まあ、好きなようにやろや」
ザキ「決まりやな。次回はちゃんと議論するんで、またヒマしとったら見に来てなー。バイバーイ」
次回からは作品語りしていきます。
まあ、ヒロインの髪色についてがメインになるので、作品語りとも言い切れないかもですが。