評価ラブ始めました
あーあ。純友クン。カッコいいなぁ。
教室の隅の席で活動的な彼をこっそり眺める根暗、メガネっ子の私。
でも、こうして眺めることしかできない。
例えていうなら「小説家になろう」において好きな作家の作品に評価や感想もしないでただリードオンリーメンバーなだけ。
そう。そんなことをしても、彼が気が付くはずが無いのに。
せっかく見たなら、感想を入れるべきなのよ。そうすれば書き手に自分のことを知らせられるわけだし。
それに評価は、「マイページ」→「評価つけた作品」でずっと記録として残るわけだからしない手はないのよね。
知らなかったなら今からするべきよ。しないなんて闇夜に錦を着て歩くようなもの。きらびやかな服装は誰にも気付かれない。そんなバカな真似は誰もしない。するわけない。
一昔前と違って、評価は五ツ星採点になってるから簡単。前はラジヲボタンを二回押す必要があったのよ。それに比べればワンボタンでラクチン・ポン。
ふぅ。危ない。中黒(・←これのこと)を入れなければお色気警告を受けてしまうところだったわ。それくらいなろうは厳しいところ。
厳しいといえば恋と同じね。
いくら気持ちを溜め込んでいても相手には気付かれない。積みブクマといって、後から読もうとブックマークを溜め込むのに似ているわ。PVも評価も増えない。
相手に気持ちを伝えたい。純友クンに。
はぁ、なろうなら簡単にお気に入りユーザー登録出来るのに。そうすると相手にもこちらの気持ちが伝わるわ。「好きです」って気持ちを手軽に伝えることが出来る。
最高。なろう最高。
いつまでも鬱々とした気分。純友クンのことを思いながらなろうの現実恋愛カテゴリ作品に自分の分身を重ね合わせることしか出来ない。
「上原。なに見てるんだ?」
す、す、す、純友クン!?
後ろから急にキス! いや違う。奇襲! でもこれは嬉しい奇襲だわ!?
普段見てる恋愛小説のようなシチュエーション!
どう答えればいいの?
アンチ書かれた感想返信くらい答えが分からない。
だって向こうは好き勝手に書くだけだけど、こっちには世間体も積み重ねてきたイメージもあるもの。それに対して激高した感想返信をしたら、ダメージがあるのはこちらだけ。本当に厄介よ。なろうのならず者をどうにかして貰いたいというのが作家たちの切なる気持ちじゃないかしら?
って、今はそんなこと関係無いわよね。
大事なのは純友クンよ!
私はどもりながら純友クンに答えようとした。
「あのあのあのえっと」
「あ、なろうのマイページじゃない。小説書いてんの?」
「う、うん」
「へー。すげぇじゃん。オレはもっぱら読む方だけどな」
「え? 純友クンもなろうユーザーなの?」
「ああそうだよ」
なんてこと?
純友クンが同じなろうの環境にいたなんて。
純友クンの温かい言葉。
私は舞い上がった。なろうでレビューを受け取ったときのように。
それから私たちはとんとん拍子に恋の階段を駆け上がったわ。
そう、まさに異世界恋愛に作品を投稿して100位以内にランクインしたと思ったら5位以内に入って評価がググッと伸びるように。
それもこれも、読者から評価を貰えないことには始まらない。なろう作家は因果なものよね。
とにかく大事なのは評価、ブクマ、レビュー、感想。大事なことなのでもう一度いいます。評価、ブクマ、レビュー、感想。
読者の方はもちろん、作家の方もどんどんして下さいね。
私は純友クンと付き合えて、とっても幸せです!
純友クンったら、すぐ私のに入れてくるの。
もちろん評価を!