こいつら随分とあっけねぇな
教会の地下。上の講堂では戦闘が行われており、地下には叫び声や剣が合わさる音が響き上で戦闘が行われていることが容易にわかる。地下には一本の廊下があり食糧庫、武器庫、懺悔室、師員室、師教室の順に部屋がある。一人の師員が奥にある部屋へと訪ねた。師教室だ。
「魔教様」
明かりもつけず真っ暗な部屋。一部に人型の色の濃い暗闇があった。
師員の声に反応しその暗闇が左右に動く。
くちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃ
静寂に包まれているような室内ではあったが何かをかき混ぜるような耳に残る嫌な音が響く。
「魔教様」
「なぁーん?」
「シジミの軍です」
「わたくしなぁーもしてないよ。まだ一人も改造してなーよ」
「ばれたようですね。どうします?」
「あぁー。逃げるん」
「わかりました。ミラートはまだ出てきてないので出るなら今でしょう」
「あーあ。ごめんなぇー」
暗闇はそう言ってのそっりと動き出した。
兵に移る
「こいつら随分とあっけねぇな。リーダー」
「あぁ。弱すぎるな。というかはミラート様が圧倒的すぎる。だが、まだ師教を見ていない。警戒は緩めるな」
戦場となった講堂。既に戦闘員は果てて縄についている。
そのほとんどはミラートの気に恐れおののき降参したのだ。
「ハハハ。最小の戦闘に抑えられて結構。それよりも美しいものはあるか?」
「ミラート様ぁよ。こんな教団のものなんか集めてたらなんかあったときに一番の証拠にされますぜ。関与してたとか言われちゃいますよ」
「確かにそうだが、美しいものに善も悪もない。あるのは心だからな」
「うーん。公爵様のいうことはよくわかりませんわ」
ガタッ
突如鳴る異音に兵が武器を構える。
講堂の左端の石の床が外れおり、一人の男が姿を現していた。
「おやおや。ミラート様がおりましたか。これはちょっと計算外。」
その男は他の戦闘員とは違いスーツのような服を着ていた。そしてやれやれというような動作をしている。
「お前がここの師教か?」
「その頭はセリド様ですか。神々しい輝きですね」
「ぶっ。頭で判断されてますよ。リーダー。ぶっ。ゴホっゴホっ」
「貴様あとで覚えとけ」
セリドはスタバリーを睨む。
「隣におりますは怪力スタバリー様ですか。」
男はにやけた面でスタバリーを見た。
「おう。」
「異名によらず弱そうですね。そんなに小さいのですか。怪力は。」
「あ?なんだよあんたさん。失礼だぞ。152㎝は高身長の内に入るぞ。というかお前も名乗れ。誰だよ気持ち悪い。」
「いやいや。滅相もないです。私は一師員。あなた方に名乗れるような名前ではありませんよ」
「お前が師員ってことは、師教はどこにいる?その地下の中か?」
完全に切れたスタバリーが強い口調で聞く。
「ええ。そうです」
「出てこいよ」
「ちょっとまってくださいね。」
男は両手を前に開く。
その手のひらには黒い丸い穴が開いていた。
キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
耳を引き裂くような音がその穴から鳴る。
「ゔぅ」
兵たちは耳を抑え、膝から倒れこんだ。
その兵の鎧に黒い丸い穴が開いている。
「おいっ。こいつ師員か?嘘ついてんじゃねぇか?」
「流石にききませんか。」
男は感心したように首を振った。
「スタバリー様。確かに私は師員ではありません。遅れました。わたしは師教セガバンと申します。」