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第一章 転生~幼少期編  【第五話 王宮パーティー】

この作品は私の人生初小説です。

都度、書き直し、修正などをしていきますので、宜しくお願いいたします。

異世界美少女タマの活躍を応援していただけるとありがたいです。


それでは、作品をお楽しみくださいませ!

2020/6/25 改稿しました。

夕刻。

美しい山々の稜線がだんだんと影を伸ばし、陽が沈むにつれ空の色はオレンジから濃い藍色へと染まりながら、陽と入れ替わるように星々が輝きを増し始めている頃・・・。


ガラガラと街道を走る一台の馬車が王宮へと向かっている。


《もうこの世界に来て、5年になるのかぁ。》


火野珠美は夕焼けに染まる外の景色を見ながら、この5年間を振り返っていた。

3歳から剣と魔法を覚えようと奮起して、家庭教師もつけてもらった・・・が、残念ながら魔法の才はまだ目覚めてはいない。魔力は少しずつ上がっているようではあるが、前世は魔法が存在しなかった日本で生活していたのである。だから『魔法』という感覚が分かり難いのだ。もしかしたら無意識で拒否しているのかもしれない。そんなもういらない感覚が邪魔しているのかもしれない。などと考えていた。


今夜は5年に一度開催される《トゥアール王国建国記念パーティー》の日だ。


余談だが、

どの世界でもそうであるように、この世界にも色々な国が存在している。


王国、帝国、魔法国、獣人国、科学技術国などなど。


この世界にある科学技術国からの輸入品のひとつにタッパーがあるのだ。


とても便利なので、各国の主婦層に大人気なのである。中には氷系魔法を付与して、小型のクーラーボックスのようにして使う者も多い。


この世界は科学技術と魔法など、色々な要素が混ざりあっているのだ。


その広い世界にある、王国のひとつが、トゥワール王国。もう1200年の歴史と伝統文化をもつ大国である。その王都アキレスにある王宮で、今夜は「建国記念パーティー」が催されるのだ。


このパーティーは5年に一度開催される。1200年の歴史と伝統文化のある国だと、毎年盛大にやっていては大国といえども国の経済がもたないからだ。


このパーティーは王宮からの「招待状」があれば誰でも出席が可能であり、国内外から多くの客人が集まってくる。


他国との交流と商談の場でもあり各国からの要人がやってくるので、当然、警備も物々しく厳重である。


そのパーティーに母親のミネラ、メイド兼剣士兼護衛役としてヨーコ、そしてタマで迎賓館へと向かっていた。


ヨーコは、キリッとした顔立ちの少女で、彼女はまだ12歳でありながら王国十指の天才剣士である。

そして、本人のポリシーなのかいつもメイド服姿であり、今日も例に漏れず、コルセット式のフレンチメイドスタイルをしている。色はオーソドックスな白黒だ。ただし、スカート丈が膝上なのでスパッツを履いている。これで動き回ってもア~ンなことになる心配はない。


タマはミネラの隣に座っている。今はまだドレスに着られている感じするが、頭脳は火野珠美27歳の大人の女性なのだ。


タマはもう陽が暮れてしまい、暗い景色しか見えない窓から顔を戻して


「ママ?きょうはおいしいものたくさんたべられるの?」


「そうよ、ターニャマリー。美味しいもの沢山食べられるわよ?ケーキもお菓子も沢山あるわよ?」


「けーき!おかし!たくさん!!!うれしい!!!」


タマは目をキラキラさせて、口元からヨダレを垂らしている。珠美も甘いものは大好きだ。


母親のミネラはそんなタマを『可愛い〜♡』と思いながら


『きっと今、お菓子を食べまくっているところをモワ〜っと想像しているのね。』


と心の中で呟きながら、「あらあら」とか言いながら、ハンカチーフでヨダレを拭く。


ヨーコは、その親子のやりとりに思わず笑顔になりながら、


「お嬢様、お好みのお菓子がございましたら、ぜひ!このタッパーへ入れてください!」


と、どこから出したのか、器用にタッパーを指の間に挟み込み、マジシャンのようにバッと自慢のタッパーコレクションを披露する。


「まぁ、ヨーコったら。相変わらずシュールなジョークを言うのね。ウフフ。」


ミネラは苦笑している、実はパーティーの度にヨーコはその会場の美味しい料理をタッパーに入れて持ち帰っており、ロージズメルの使用人は安月給。という噂が立っているのであった。

半分真実ではあるが、使用人たちの忠誠心は厚いので納得の上でのことである。


しかし、タマにはミネラの意図する言葉の意味がまだわからなかったので、


「シュール♪ シュール♪ シュールなヨーコ♪ カッコイイ♪ 」


と、独自の歌と踊りを披露すしている♫ それに合わせヨーコもお尻を振って踊ってくれる。

ノリがいいヨーコのことがタマは大好きなのだ!


タマは、これから起こるワクワクなパーティーのことを思うと、もう嬉しくて楽しみでついノリノリになってしまうのだった♪


馬車が揺れるとタマはバランスを崩し「わっ」とミネラに抱きついた。ミネラは優しく抱き寄せて


「今日はターニャマリーを連れてくることができて、ママはとっても嬉しいわ!」


と、笑いながら優しくタマの頭をナデナデする。


「そうですね、奥様・・・前回はお嬢様が生まれたばかりでしたからね。タッパーの活躍はありませんでしたし。」


と、タッパーオタクのヨーコが残念そうにいう。

確かにタッパーは有能だが、その役目を果たせないのは悲しい・・・。でも今は関係ないぞ!


そんな愛情に満たされた温かい親子とメイドの三美女を乗せた馬車は、もうすっかり星々が支配している夜空の下を、まるで黄金郷のように光っている王宮の迎賓館へと軽快に進んでいる。



ミネラ、タマ、ヨーコで楽しく会話をしているうちに馬車は迎賓館に到着したようだ。


「どぉ、どぉう。」


と御者の声が聞こえ、馬車がゆっくりと停車した。入門のチェックだ。


ヨーコは窓を少しだけ開けて、警備兵に招待状を見せる。


招待状の中身を確認した警備兵はヨーコへ返すと、敬礼をして馬車を見送る。


しばらく行くと会場である迎賓館のロータリーに到着する。


「どぅ、ど〜う。」

再び御者の声が聞こえて、カポカポカポ・・・と、だんだんゆっくりとなる蹄の音。馬車が停車する。


タマは窓越しに見える美しくライトアップされた景色にすでに感動していた。


「うわぁ〜しゅご〜い♡」


優雅で素敵な音楽が聴こえてきた。

そして幻想的なイルミネーションにデコレートされた光り輝く前庭、噴水、花々。


タマはすっかり魅了されてしまう。


母親ミネラはそんな可愛いタマにほっこり癒される♡


ミネラは親バカなのだ。


迎賓館のドアボーイが馬車の扉をあけ、エスコートで手を差し伸べてくる。



ドアボーイのエスコートを受け、三人は馬車を降り、会場である迎賓館へとゆっくりと歩き始めるのだった。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

ご意見、ご感想などございましたら、遠慮なくお願いいたします。

よろしければブクマ、☆評価をよろしくお願いします!

更新は不定期ですが、引き続き応援していただけると嬉しいです。

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