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第一章 転生~幼少期編  【第四話 ターニャマリー・フォン・ロージズメル誕生】

改稿しましたが、満足いってません。後日、再改稿します。


火野珠美は女神アルフューネの転生魔法陣により、異世界へ転生した・・・。




―――― オギャー、オギャー ―――



《あれ?ここは?どこかしら?》


部屋の扉が開く音がし、男が二人入ってきた。


《ん?誰かな?一人は20代で、もう一人は40代かな?》


「ミネラ、よく頑張ったな。」

「あなた・・・。」


「旦那様、玉のような可愛い女の子でございます。」

「おぉ、抱かせてくれ・・・よいよい、すごく可愛いのぅ。」

「アブアブゥ」


《え?これ私の声?って・・・そうか、転生したんだっけ? ということは、この20代の人がお父さんかぁ、イケメンだなぁ。》


「ミネラ、この子の名前は以前決めていた通り《ターニャマリー》でよいな?」

「ええ。あなた。ターニャマリー・・・愛するタマね。素敵な名前だわ。」


《ターニャマリー・・・ちょっと長い名前だね。てか、お母さん?美人!!!》


「あぁ、愛称はタマだな。可愛い響きだ。ははは!」


《タマ???って・・・猫じゃん!》


『ターニャマリー』となった火野珠美は、周りを見回そうとするが、まだ産着にくるまれたままだったので、大人たち次々と抱き回されている状態だった。


雰囲気からすると貴族家に生まれたことはわかった。

そして、家主とその奥様、使用人たちの雰囲気は良好で、とても良い家に転生したのだという安心感はあった。


《 よし、じゃあ、早速やってみるか。最強能力の威力を見せてもらおうじゃないの! 萌え、萌え~キュン♡ 》


一瞬、部屋全体が『キュン♡色』に染まった。


だいぶ分かり難かったが、周りの大人たちが一斉に笑顔になり、タマの周りに集まってきたので・・・たぶん成功したのだと思う。


決して、赤ちゃんの『笑顔が可愛いから』とか、『萌えキュン♡』なんてしなくても勝手に大人はメロメロになるという理由ではないはず・・・だと思いたい(汗)。





――― 3年後 ―――



「今から2300年前、地上に魔王が現れました。人々は魔王の軍隊にやられっぱなしでした。もうどうすることもできません。でもどこからメイドクイーンが現れて、「魔王よ!我が必殺のスーパーアークティスティックディメンションファイヤーを食らうが良い!」と言うと、もんのすごい魔法で、ドッカ―――――ン!!!っと魔王を封印してしまいました。


・・・でも実は魔王は二人いたのです。双子だったのです!!!

しかぁしっ、もう一人の魔王はメイドクイーンを恐れて、飛ぶように逃げてしまいました。その後、魔王は地上に現れないので、世界は平和になりました。

めでたし、めでたし。」


《この絵本の内容って、初代メイドクイーンが話していたことよね?だいぶ子供向けに脚色されているみたいだけど。》


火野珠美はそう思いながらも、きちんとターニャマリーとしての反応をする。


「あははは!ママ、メイドクイーンってすごいね?」


「えぇ、すごいのよ。英雄だもの。あ、でも女性があんまり強いと男の人は困っちゃうわね、出る幕がなくなっちゃうし。フフフ。」


「そうなの?メイドクイーンってつよいから、ひとりでかてそうだよね?」


「そうね、タマ。でも1人の力で何でもできるって思っちゃダメよ?この絵本のメイドクイーンさんも、魔王と1対1で戦うことができたのは、周りの騎士さんや仲間の人達が、頑張って他の魔物と戦ってくれたから。戦友なの。信頼できる仲間がいたから魔王を封印で来たのよ・・・まだわからないかな?」


「なかま?しんらい?よくわからないけど、ともだちはだいじにするね!」


そんなタマの頭をミネラは笑顔で「そうよ、それでいいわ。」といいながら、優しく撫でるのだった。



《へぇ、『実録 メイドクイーン伝説!』という絵本なのね。本当に実録なのかどうかは不明だけど、子供向けとしては面白いわね。》


と、本の表紙に目をやり珠美は思った。


そして、


《そろそろ私も3歳だし、色々と物事を始めるには良いタイミングよね。将来一流になるヴァイオリニストやピアニストは、ほとんどが『3歳から始めました~!』とか言っているし、私も剣と魔法のトレーニングを今から始めて、将来の一流を目指すわ!》


と意気込む珠美であった。




――― 次の日、自警騎士団訓練場 ―――


「ヨーコ!けんのおけいこ、おねがいします!」

「はい、お嬢様、よろしいですよ!フフッ。」


ヨーコはタマの侍女兼護衛だ。12歳で剣の腕前はかなり立つ。


二人は30分くらい打ち合いをしてみるが、ヨーコにはすべて躱される。

タマは3歳だから当たり前なのだが。


《おかしいなぁ、モブキャラじゃないのなら、すぐに何でもできるのに・・・》


珠美はそんな都合のいいことを考えていた。

しかし、この異世界はリアルなのだ。ゲーム世界のようにホイホイと強くはならないのだ。


《ん、お?こうか?》


中身は27歳の火野珠美、頭脳で分析する。何度か打ち合っているうちに、見えてきた!


が、体の反応がまだ付いて来れない!





・・・1週間くらいがたった。ヨーコの剣戟を紙一重で避けることが何度かあった。


しかも、予めわかっていたように避けるのだ。ヨーコもそれには驚いていた。


そして気になるのは、タマがいつも稽古が始まる前に行う指先が滑らかに動く仕草、《通称 モミモミ》という仕草だ。


ヨーコはタマの《メイドモミモミ事件》のことを聞いたことがある。

自分もそのうちモミモミされるのではないかと、まだ控えめな胸を棚上げて、心配しているのであった。


しかし、タマ(火野珠美)は理解している。ヨーコは今はまだ洗濯板だと!


そんなことはどうでも良く、タマの剣修業の日々は、まだ始まったばかりである。



タマの計画では、午前中に剣の稽古、午後からは魔法のことをやり、三時のおやつまで頑張る!ということにした。


剣の稽古を終えて・・・


「ねぇねぇ、メイドさん何してるの?」


といいながら、ボフッとメイドさんの下半身に抱き着くタマ。


「あ、お嬢様。今は洗濯をしていますよ?」


「ふーん、メイドさんって、つよいんだよね?おねーさんは、まおうをたおせるくらい?」


「フフフ。私は戦闘メイドではありませんから、武術も魔法もそんなに使えませんし、まだまだ弱いですよ?」


「せんとうめいど???」


「はい、メイドクイーン様と一緒に戦うメイドのことですよ?」


「へー、ねぇねぇ。そのふくかわいい!そのヒラヒラよく、みせて!」


と、メイドさんをしゃがませるタマ。


「はい、どうぞ。え?あっ!えっと、お、お嬢様!?

そ、そこはモミモミ・・・あっ・・・しないでくださいっ!!!」


流石、火野珠美の無意識が、メイドの双丘をモミモミしていた・・・。


「だって、みりょくてきなんだもん!」


とエヘッと無邪気に笑う。そんなことをしてる場合ではないよ?タマ(珠美)。


屋敷の窓から、その様子をメルサスとミネラが見ていた。


「タマは、メイドにべったりのようだな。そんなに好きなのか?」

「えぇ、そうみたいですわね。メイドクイーンの絵本をよく読み聞かせていますし、メイド達の可愛い服が好きとも言っていましたね。」

「少し早いが、家庭教師をつけようと思うが、どう思う?」

「そうですわね。やる気があるみたいですし、いいと思いますわ!」


モミモミの件には触れないようだ。

結局、次の週から家庭教師がついた。剣と魔法、それから教養、礼儀作法。

貴族のお嬢様の一日はすごく忙しいのだ。



―――― そして、5年の月日が流れた ―――――

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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