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悩む女の秘密
シスターから細かい内容を聞いた。
ある女を殺せ。ただそれだけが頭に残り
集中を欠いてしまった。
銀杏から声を掛けられたが受け止めきれず
逃げる場所を探した。
そこから立ち去るときの
シスターの変わらぬ笑みと
銀杏の問いかける声が私には残ってる。
私は顔に手をかざす。
そうすると悔しさが募って行く。
よりにもよってあの人か。
あのときは夕刻、今はただ眩くばかりの
星空があった。
星はただ光るだけ、
私の悩みを晴らしてはくれない。
やらねばならない。
私の世界を照らしてくれたあの人を
自らの手で閉ざさなくては、
私は吠えた。
心の中で
感情が迸るままに
そして夜は更けて行く。




