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宝物だったもの
そこであなたは眠ってる。
憂いなど微塵も感じぬ穏やかな笑顔は
遊園地では異彩を放つ。
もう最近はめっきり人の笑い声も消えた
閑散とした遊園地。
メリーゴーランドは
無人の馬をただ
走らせてオルゴールのような
音楽が木霊する。
静かだけれど、ただ無味に
子守唄が流れてるようだった。
立ち竦む私とゆっくりそこに寝ている彼女
あぁ、こんなものか。
達成感などなく、虚しく過ぎる時だけが
私が感じる物だった。
喜びも悲しみもあなたと
通じ会うこともできない。
それだけが私の心を蝕んでいた