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薔薇に死す者  作者: 甘味処雨
10/11

宝物だったもの

そこであなたは眠ってる。

憂いなど微塵も感じぬ穏やかな笑顔は

遊園地では異彩を放つ。


もう最近はめっきり人の笑い声も消えた

閑散とした遊園地。

メリーゴーランドは

無人の馬をただ

走らせてオルゴールのような

音楽が木霊する。


静かだけれど、ただ無味に

子守唄が流れてるようだった。


立ち竦む私とゆっくりそこに寝ている彼女


あぁ、こんなものか。


達成感などなく、虚しく過ぎる時だけが

私が感じる物だった。

喜びも悲しみもあなたと

通じ会うこともできない。


それだけが私の心を蝕んでいた


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