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第7話 白雪姫、初恋をする

 白雪姫は、一個下の隣国の可愛い王子を気に入りましたが、その王子には年上の兄が存在していたのです。しかも、その兄は太っていて、とても白雪姫の好みではありません。そんなブタ王子に限って、白雪姫の許嫁だったりします。


 せめてイケメンだったなら将来性を考えて優しく接するのですが、それも期待できそうにないのです。ブタ王子は空気を読まず、白雪姫の事を大変気に入り、兄弟2人でちょくちょく遊びに来ます。ブタ王子が姿を見せた瞬間、美しい白雪姫が無表情な顔に変わり、社交辞令的な挨拶だけしています。


「白雪姫、君はなんて美しいんだ!」


「はいはい、みんな、そう言うんですよ。前から言ってましたよね? 次来るときは、弟王子様と一緒に来てくださいと……。それと、あなたは気温が5度以上上がるから、半径20メートル以内には近付かないでと……。ブタには分かんないかな?」


「ああ、罵る白雪姫も素敵だ。もっと僕を罵ってください!」


「ちっ、ドMが!」


 白雪姫は、心底ブタ王子を嫌っていました。しかし、可愛い弟王子には違った接し方をしていたのです。兄王子をエサ(ベイト)で釣って引き離した後は、可愛い弟王子とようやくラブラブする機会が訪れます。白雪姫にとっては、唯一の幸福で女の子になれる時間でした。


「ああーん、弟王子様はいつも可愛いわ。ねえ、お姉さんがキスとかハグとかいろいろ教えてあげるわ。ちょっと一緒にしてみない?」


「ダメですよ、白雪姫。お兄様に見られたら、僕が殺されてしまいます。お兄様の許嫁とキスなんてしているところを見られたら、訓練と称して剣でズタズタにされますよ。陰険で独占欲が強いからこそ、あんなに太ってしまったのです!」


「大丈夫よ、弟王子様。ブタ野郎は、お母様に今頃調教されているわ。私が彼の事を嫌いと言ったら、結婚を止めるように説得してくれるようになったから……。しばらくは、ボーレスハムのように縄で縛られて動けないはずよ!」


「それなら、ちょっと白雪姫の唇にキスを……、いえ、なんでもありません!」


「うん、可愛いわね。正直に言ってごらんなさい。私の唇に何をしたいの? もしかしたら、アダルトな行為までしちゃうかもしれないわよ?」


「ああ、白雪姫、なんで僕のズボンを下ろそうとしているの? しかも、舌舐めずりまでして……。雰囲気が怖いよ……」


「正直にしてみたい事を言わないと、私が弟王子と一緒にしてみたい事をしちゃうかも。最近の小学生は過激らしいからね。なんなら、一夜を共にしてみる?」


「ダメ、2人にはまだ早いです!」


「ふふ、冗談よ。いずれは、その体を堪能してあげるから大人しく待っていなさい♡」


 白雪姫は、半ば襲うように弟王子様の唇を奪います。弟王子様も最初の内は嫌がっていましたが、しばらくすると自分からキスを求めてくるようになったのです。2人は、しばらく恋人同士のようなキスを楽しんでいました。そこをブタ王子が嫉妬してきました。


「あー、お前、俺の白雪姫になんて事をしているんだ! 離れろ、今後一切近づくんじゃない!」


 嫉妬深いブタ野郎にキス現場を目撃されて、白雪姫は愛する弟王子と引き離されてしまったのです。それ以来、ブタ野郎の計らいによって、白雪姫と弟王子は会うことさえ許されませんでした。白雪姫には、弟王子への愛情と欲求不満が蓄積されていきます。


「ちっ、あのブタ野郎が……。まさか、お母様の呪縛を断ち切って来るなんて……。さっさとドMとしてボーレスハムになっていれば良いものを……。ああ、弟王子様が私の許嫁だったら良かったのに……。お菓子作りが大好きな美少年なんて、私の理想なのに……」


 白雪姫は、弟王子と会えない数日間、それはそれは可愛らしい乙女として大人しくしていました。奴隷小人の数も減少せず、学校には平和な時間帯となっていました。白雪姫が元気がないと、王妃も心配で食べる物がノドを通りません。


「ああ、私の雪ちゃんが絵画のような美少女になっている。このままずっと眺めていたいけれど、そろそろ元気になってもらわないと痩せ過ぎてしまうわ。あのブタ野郎さえいなければ、彼女がこんなにやつれる事もなかったのに……。可哀想な雪ちゃん……」


 白雪姫は、もう2日ほどマトモに食事をしていません。ブタ野郎の問題を解決しない事には、乙女としての危機を感じていたのです。王妃様の調教という切り札さえも防がれた今となっては、ブタ野郎は恐ろしい獣と化していたのです。


「どうやら、あのブタ野郎を暗殺するしかないようね……。お母様の授業を受けていて正解だったわ。ウチの国の国産リンゴに、病死としか思えないような薬を注入してっと……。私が犯人と疑われないように、弟王子様にも似たリンゴをプレゼントしてっと……」


「それだと、間違って弟王子様が毒入りリンゴを食べてしまうかもしれないわ。仮に、そうなっても良いように、あらかじめ一週間眠る程度の薬物を盛っておき、看病と称して近付いた時に殺すのが得策だわ。


 もしも、弟王子様が毒入りリンゴを食べた場合には、看病と称して解毒薬を飲ませる事もできるし、その時にブタ王子を暗殺すれば良い。人の出入りが多い分、私達が疑われる可能性は低くなるわ!」


「さすがは、お母様。早速そのようにして暗殺計画を進めましょう!」


 こうして、白雪姫は2人の王子に名前付きでラッピングされた綺麗なリンゴをプレゼントしました。1つは、一週間ほど眠り続ける毒入りリンゴ、もう1つは愛情たっぷりの美味しいリンゴを……。

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