表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/98

???との邂逅 三度目の……



名もなき島の基地。

マリアに留守を任せて、いよいよ明日は出発の日。

その夜、旅の支度を終え、ジョーカーの淹れるお茶をひと口含み、喉を鳴らしてフゥと息を吐いた時、手に持っていたはずのティーカップが寿司屋の湯呑みに変わり、ちゃぶ台に置かれた菓子盆に、形の歪んだ煎餅が盛られている。


「あ。」


「島での働きお疲れ様でした。まずはゆっくり……」


「いや、ゆっくりしてただろう!」


「あら、そうですか?」


「(絶対わざとだ……)で?茶飲み友達が欲しくなって呼び出したんじゃないんだろ?」


「えぇ。そろそろ貴方に言っておかねばならない事があります。」


「とは?」


「ひとまず戦乙女の試練は合格です。ですが……」


「まだ何か?」


「神々の中には、貴方と魔族の関係を 心良く思ってない柱もいます。今後、あの者達をどうなさるつもりですか?」


「どうもこうも、変わらないよ。いけないの?」


「まぁ、そう言うと思ってましたけど……前例が無いのよねぇ……」


「何が?ハッキリ言えばいいのに。」


「貴方を戦乙女と認める条件として、魔族と手を切ること……と言われています。」


「無理に決まってるだろ。これからも色んな魑魅魍魎とも仲良くなろうと思ってるんだ。だいたいおっさんが戦乙女って時点でおかしいのに、勝手な条件付けないでもらいたいな!」


「はぁ……そうなると、奥の手を使うことになりますね……」


「なんでも使ってよ。」


「一つ聞かせてください。なぜ仲間にこだわるのですか?」


「ほっとけないだろうよ!実際役に立つし、助かってる。」


「それは、利用価値の問題ですか?」


「利用価値じゃない!存在価値だ!それとも何か?神様ってのは、私達を道具だと思ってるのか?」


「……」


「仲間ってのは道具じゃない。替えが効かないんだよ。言いたくは無いけど、私にとっては神様って存在の方が信用出来ない。」


「私にそれを言いますか……」


「私の国に、お客様は神様って言葉がある。お客様ってのは、こちらの労働に見合う対価を払う者。難癖付けたり、理不尽な注文付ける客は、疫病神だ!」


「はぁ……やっぱり貴方はソフィアの子ね……」


「なんだそれ?」


「そのうち分かるわよ。そして今は信じなくていいけど、これだけは覚えておいて。私は貴方の味方よ。」


「よくわかんないけど、わかったよ。」


「では、結論を伝えます。これからまどかを戦乙女として承認します。魔族の仲間については、今後貴女の枷となる事は間違いないでしょう。故に自己責任でお願いします。」


「つまり?」


「なんにも変わらないってことね……」


「そうか。ひとついい?枷ってどういうことだ?」


「もう気付いてるはずよ。」


「……」


「勘違いをひとつ正しておくわね。神の理不尽は、人では決断出来ない事を英断した結果なのよ。」


「?」


「偶然の積み重ねで一時的に難を逃れたとしても、災いは必ずやって来る。人の手に負えない大きさでね。人は神罰と言うけれど、それは先送りにした災いが、膨れ上がっただけのこと。神は意図的に罰など与えないわ。よっぽどの事じゃない限りはね。」


「さっき女神様は、私は味方よ。って言ったよな?」


「えぇ。貴女、人にも魔物にも善悪があるって言ってたでしょ。それは真理よ。神も例外では無い。私が言えるのはそこまでよ。」


「そうか……」


「少し喋りすぎたわ。もう戻りなさい。」


まどかは再び基地に戻った。


(貴女は最悪の場合、神と戦う事になる……)

To Be Continued ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ