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D2-1

遅れてすいません。

投稿したつもりが、出来て無かったみたいです。



まどかが案内されたのは、牢獄だった。

帝都復興のため、凶悪犯でない限りは、各地の労働力として仮釈放しているらしい。労働の対価として、刑期の短縮や、賃金も支払われる。


囚人の大半は、貧困により犯罪に手を染めた者であり、仕事を与え、生活出来るだけの賃金が稼げるのであれば、犯罪を犯す必要も無くなるのだ。


その囚人達の中で、知識を買われ、魔導の研究をしている者がいた。大罪を犯し、牢獄から出されることは無いが、民を守る為の研究を行うという本人の希望と、罪を悔い改める心を汲み取って、牢獄内での研究を認められたのだ。


その囚人の名はジャン。嘗て死霊術を駆使し、街を一つ滅ぼしかけた術者であり、まどか達によって倒され、命を救われた者であった。


「ここに居たのか、ジャン。」


「ん?おぉ、あの時の小娘か。お前達が腐った貴族共を叩きのめし、帝都を救ってくれたのじゃな。ワシとは違う方法で。」


「まぁ、結果的にそうなっただけだ。貴族達も騙されていたようだしな。」


「それでも礼を言わせてくれ。帝都を救ってくれてありがとう。そして、すまんかったのぅ。」


「まぁ、その話は後だ。ジャン、メルクシティで封印の匣を探していたんだろ?何故だ?」


「あぁ、あれは太古の資料で見つけてのぅ、皇帝の魂を補完するのに、使えないかと思うての。」


「その匣、どこまで研究したんだ?」


「うむ。匣自体は、精神を外へ漏らさぬよう、内側に結界を施し、魂の劣化を防ぐ器のようじゃの。これに封印術を施して、完全に閉じ込めるようじゃ。ワシは封印の術に関しては目処が立っておった。じゃが普通の匣では、その結界術には耐えきれんのじゃ。」


「術は、術は出来るのか!」


「そうじゃのぅ、聖人並の精神力と膨大なマナ、そのマナを練り上げ、凝縮する技術、元の帝都におった魔導師でも、三人掛りでようやく出来る程の術じゃがの。」


「そうか、難しいのは最初から承知している。だがどうしてもその術が必要なんだ。私達に教えてくれないか!三日でそれを覚えたい!」


「馬鹿な事を言うな!三日じゃと?無理じゃ。最低でも一週間、しかも大魔導師レベルじゃなければ、修得なぞ不可能じゃ。」


「ジャン、ここに居るメグミは、聖女だ。そして私は、どうやら戦乙女と言うやつらしい。それにジャンが加われば、不可能を可能に出来ると思っている。器はなんとかなる。協力してくれ!」


まどかは匣の欠片をジャンに見せた。


「なんと!確かにこれは……作れるのか!魂の器が!」


「あぁ。協力してくれるなら、この欠片をジャンにやるよ。研究に役立ててくれ。」


「ふむ……五日じゃ。それでも修得は命懸けじゃぞ。覚悟はあるか?」


「あぁ。この匣は、原初のバンパイアを封じるのに使われていたんだ。その匣が壊され、今ある島で暗躍している。

一度は倒したんだが、ヤツは精神を他人に憑依させ、生き長らえるらしい。今度こそその魂を封印して、人々の安全を取り戻したいんだ!」


「その為なら命も惜しくないと?」


「いいや、私達は必ず生き残ってみせるよ。生きてこれからも、人々の災いを取り除く。それが私の、唯一認めた友との約束だからな。」


「気に入った!ワシの全てを教えてやろう。」

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