M3-3
まどか達の屋敷。
地下にある部屋には、装飾も何も無く、隅に灯りだけがある。一見拷問部屋のようにも見えるが、その手の器具も無かった。
魔族にとって、拷問とは愉悦のための行為でしかない。情報が知りたいなら、脳に直接干渉して覗きみればいい。わざわざ自白させる必要など無いのだ。
今回も既に情報は取得済である。ただ二人の男の置き場がないため、この部屋に放り込んでいるに過ぎなかった。
だが、そんな都合など知らない男達、目の前で熟れた果実でも潰すように、仲間の頭を簡単に粉砕された上に、自分達の脳を除き見られ、地下に押し込められた二人は、発狂寸前の恐怖の中にいた。
まぁ、そのおかげで、人間の感情を芳醇な葡萄酒のように味わう魔族のチェリーとコバルトは、上機嫌であったわけなのだが。
転移を使って、まどか、メグミ、ジョーカー、エミリオが武王邸から戻る。
「「おかえりなさいませ。お嬢様。」」
「ただいま。みんな無事?」
「まどか様ー!」
「ハンス、どうだった?」
ハンスは不可視化を見破られた事や、繋ぎの男に逃げられた事、相手が全員バンパイアである事や、チェリーが銃撃を受けた事など、一通りの報告をした。
「チェリー!あまり無茶をするなよ。」
「ご心配をおかけして、申し訳ございません。まどかお嬢様に頂いた身体を傷つけてしまって……ですが、こちらを入手致しました。」
「魂が無事ならいいよ。で、それは?」
チェリーは体内より取り出した弾を まどかに渡す。魔法武器の外観や、発動した術の効果等をまどかに報告した。
「なるほどな。私と同じことを考えたヤツがいるのか……(まさかソイツも転生者って事は無いよな?)しかも撃ち出す弾の種類によって、術の効果を変えれる訳か……よし、ジョーカー、ハンス、ちょっと……」
まどかは、兼ねてより考えていた物を作ることにした。材料と製法を二人に渡し、エミリオにも手伝うように言った。
「後は……魔弾の対処だが、チェリー、コバルト、……することは可能?」
まどかは一つの方法を耳打ちする。
「「容易いことかと。」」
「よし、じゃあ、そっちは任せるよ。あと、二人にお願いしたい事があって、メグミのことなんだけど……」
「「まさか!本当なのですか!メグミお嬢様が……」」
「まだその種……と言うべきかもしれないけど……だから二人には、メグミを守って欲しい。」
「「かしこまりました。」」
「さて、準備は整いつつある。リンドーを待って行動開始だ。こちらの支度が整ったら、武王邸に戻る。」
-メグミは不安になる。自分だけが活躍の場が無いことに焦っているのだ。森を造り、力もだいぶ上がっている。だがまどかには遠く及ばず、ついこの間もリュウジュの発芽に失敗していた。その焦りを見透かしたように、まどかが声をかける。
「メグミ!メグミには、重要な役割を担って貰うよ。」
「え!わ、私が!」
「あぁ。メグミにしか出来ないことだ。そしてそれが、今回の切り札になる。」
「が、がんばる……」
「緊張しなくていいから。まずはエミリオの傍を絶対離れないで。いい?仮に私達がどんなにピンチになろうと、メグミはエミリオから離れてはダメ!」
「わかったわ。」
なんとか間に合った…
ただ、明日までに書けなかったら
ごめんなさいです。




