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S2-4



「司祭がか?確かなのか?下手な言いがかりはこちらの立場を危うくするぞ!」


「あぁ、実はこの島に来て、一度三王と会食をした時に、リュウジュと笛で司祭に操られた事がある。その時に確認している。」


「なんと!事実なのか……おとぎ話ではないのだな。」


「おそらく魔蟲は、そのリュウジュのある場所に巣食っている。相当な力を蓄えていると見た方がいいだろう。まずはこいつを討伐しなければならない。もう少し潜入調査をしたかったが、その時間が無くなったようだ。」


「なるほど。その討伐、我も同行しよう。」


「それは助かる。だが、問題はもう一つある。」


「なんだ?」


「この島に結界が施されている。魔女王の力で、魔物を島に寄せ付けないための。だよな。」


「あぁ、その通りだ。」


「その結界、張られている方向がおかしい。外からの侵入を防ぐ結界ではなく、島からの逃亡を防ぐための結界だ。」


「まさか!ありえん!現に魔物の上陸を防いでおるではないか。」


「魔物が島に寄り付かない理由は、結界ではない。ということだ。」


「他の理由だと?」


「あぁ、この島は、他の魔物を寄せ付けぬほど強大な魔物が、縄張りとしている……ということだ。」


「なんだと!この島が、魔物に守られた島だと言いたいのか!」


「まぁ、結果的にそうなっている……って話だ。なにしろ島の人間は、その魔物の餌なのだから。その餌が逃げ出せないように、結界を張っている。それをさせているのが魔女王……そういうことだ。」


「魔女王が魔物……まさか魔女王の正体が、魔蟲なのか?そいつは、突拍子もない推測だな。にわかには信じられんぞ。」


「そうだな。それを確認するためにも、魔蟲を討伐をする必要がある。」


「なるほどな。倒しちまえば、結論が見えてくるか……だがまどかよ、お前の推論が正しければ、魔女王を倒すと、他の魔物に島が襲われるってことになるんじゃ無いのか?」


「そうなる可能性が高いだろう。だからその前に、今ある結界を反転させるか、外側に新たな結界を張る必要がある。そう簡単には出来ないだろう。その結界を張るまでは、ギルドの力が必要になるな。ステラ、お願い出来る?」


「そのためのギルドさ。島のためだ、やってみせるよ。」


「頼りにしてるよ。」


「しかし、魔導師達は魔女王の配下だろう?結界の再構築をするにあたって、信用出来る者が居るかどうか……」


「それなんだけど、今ウチの屋敷の森で、実験的に結界を張っている。それが有効なら、魔晶石さえあれば、魔導師が居なくても結界が張れると思う。」


「なに!本当かまどか!」


「試してみる価値はある。」


「よし。わかった。魔晶石はギルドで集めよう。」


「あと、もう一つ。武王の最後の言葉が気になる。」


「ん?魚食ったか?ってやつか?」


「たぶん、武王は何かを伝えるために、漁師ギルドに行けと言っているように思う。私はそれを確かめたい。」


「どおりで、あのタイミングで美味い魚の話など、呑気にも程があると思ったが、そういう意図があるかもしれないな。同行していいか?」


「構わない。むしろ、私が気付かないことも、シルバならわかることもあるかもしれないから。」


「うむ。ではまず、漁師ギルドへ行ってみるか。」

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