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S1-3



後日みんなで参加する旨を伝え、教会を後にする。

リュウジュで操られた時、まどか達を使って、街の人達をどうにかしようと言っていた司祭、これをチャンスと思ったのか、がっつり食いついてきた。


「これでよし。いよいよ蜘蛛とご対面だ。」


「「まどかお嬢様、ご相談がございます。」」


「ん?どした?二人して。」


「「三日、三日だけ時間をくださいませ。」」


「何かやりたい事、あるの?」


「「今は申せません。ですが、必ずお役に立ってみせます。」」


「わかった、ジョーカーには私から言っとくよ。」


「「ありがとうございます!」」


二人はそのまま、姿を消した。



まどかは教会からの帰り、道具屋に寄った。以前注文した物が出来たと言うので、その受け取りだ。道具屋の親父が、布に包んだ物をカウンターに取り出す。まどかは包を解いて、中の物を取り出した。

取手の付いた鉄の板、直径30cmくらいだろうか、そこに均一の丸い窪みが並んでいる。外周には2mmほどの縁があり、筒状の取手の中には、細長い千枚通しが仕込んであった。


「一応、注文通り作ったつもりですが……何にお使いなんですか?」


「うん。期待通りだよ。これはね、調理道具なんだ。まぁ、異国の食べ物を作る道具だよ。」


「へぇ、想像がつきませんねぇ……」


「試してみて、使い勝手が良かったら、また注文するからね。」


「毎度ありぃ!」


まどかは、満面の笑みで道具屋を出て、そのまま屋敷へと帰った。すぐさま収納から魔ダコを取り出し、大鍋でゆでる。同時に、作り置きしていた干し魚で出汁をとった。

さすがに鰹節は無いので、小魚の内蔵を取り、カラカラに天日干しして、少し炙って出汁を取るのである。思いのほか良い出汁が出た。

茹で上がった魔ダコを1cmくらいに切り、出汁に小麦粉を溶いて生地を作る。


「よし。みんな、タコパしようぜ!」


道具屋に作ってもらったたこ焼き器を火にかけ、油を塗って馴染ませる。何度か繰り返し、油が馴染んだところでみんなを呼んだ。

生地を流し、魔ダコを一つずつ窪みに入れる。

取手の千枚通しを引き抜き、


「よく見てて。」


窪みの周りにはみ出た生地をまとめながら、くるっ、くるっ、と返して行く。こんがり焼けたところで皿に取り、塩をかけ、みじん切りの野菜をのせてマヨネーズをかける。仕上げに干し魚を細かく砕いた物をかけ、みんなに渡した。


「まどか、たこ焼き作ったの!」


メグミには、馴染みがあった。


「これは!また新たな料理でございますか!」


「美味そうな匂いっすね!いただきます!……アチッ!アチャチャ……」


「ハンス、慌てるな。やけどするよ。」


「ふー、ふー、はふはふ……熱っ!ホハホハ……おいひー!」


「では、わたくしも……なるほど。生地が中まで固まる前の、ギリギリで止めるのですな……はふはふ……これは!外のカリッとした食感と中のトロッとしたクリーミーさ、たいへん美味しゅうございます!」


「はふはふ……っち、うん。上出来。」


「まどか様ー、熱くて食べられないっす。」


「しょうがないなぁ、中を割って、少し冷まして食べな。」


「でも、たこ焼きはアツアツだから美味しいのにね。まどか、私もやってみたい!」


「ではそのあとに、わたくしも挑戦致します。」


「あぁ、みんなでワイワイ作りながら食べる。これこそタコパだよ。」


その日は代わる代わるたこ焼きを焼いて、みんなで食べた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 醤油が作れるのならかつお節もチャレンジして欲しい。 発酵食品は日本人の魂。 ヨーグルト、チーズはもう少し先かー。
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