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A4-1



まどか達の屋敷、蔵の中。

杜氏の男達に、リュウジュについて尋ねた。


「うーん……そんな果物、聞いたことが無い。お前知ってるか?」


「いや、俺も知らん。少なくとも、町には出回って無いですぜ、まどか様」


「そうか、やっぱりな……」


まどかは自室に戻り、アプリさんに確認する。


『アプリさん、あの笛……何だか解る?』


『アイテム情報……名称、竜使いの魔笛まてき。竜種を使役するアイテム。特殊な音により竜のマナを操り、使役する。』


『なるほど。ということは……アプリさん、あのリュウジュの果汁、竜のマナを宿しているのかい?』


『正解です。』


(そうか。だからクシナはマナの回復が早くなり、シンバは力が漲るのか。そして魔笛に操られる……じゃあ、三人の王も?)


『果汁により摂取した竜のマナは、体内で消費され、半日程で消えます。』


『じゃあ、今なら大丈夫だな。ありがとうアプリさん。』


「よし。作戦会議だな。チェリー!居るか?」


「はい。こちらに。」


「みんなを集めて。緊急会議だ。」


「かしこまりました。」


会議室に、ジョーカー、メグミ、ハンス、チェリー、コバルトを集める。まどかは法王邱での一件をみんなに話した。リュウジュの正体、笛の音、蜘蛛型魔虫の存在……そしてエミリオの事も。


「そんな事になってたなんて……私、全然気づかなかった……」


「なんと!そのような方法で!わたくしまで操られるとは、執事失格ですな……このような失態、二度目があってはなりませぬ!」


「そう自分を責めるなよジョーカー、耐性があっても防げない、厄介な手口だけど、方法がないわけじゃない。それに……ジョーカーが受肉した時、レッサーワイバーンを取り込んだだろ?多分元々ジョーカーは、笛の影響を受けやすいんだと思う。」


「あの……いいっすか、俺、リュウジュ……お土産に貰って来たっす……」


「ハンス!」


「す、すいません!」


「でかした!良くやった!」


「え?」


「そいつで実験しようじゃない!笛の音の性質と、それを打ち消す方法。」


「で、出来るんすか!」


「わからない。でも、やる価値はある!チェリー、コバルト、手伝って!」


「「かしこまりました。」」


チェリーとコバルトの体内には、オルゴールが仕込まれていた。各周波数帯の音をリュウジュに向けて鳴らし、ジョーカーの魔眼で反応を見る。何度も繰り返し、まどかは一つの音に辿り着いた。


「これだ。この音で笛の音を相殺出来るはず。ジョーカーも操られずに済むよ。」


「まことでございますか!これでわたくしも、お役に立つことができます。」


「よし。行動開始だ。まずはリュウジュを探さないと。MJ2、行くよ!」


まどかは思う。つくづく自分は、安請け合い過ぎると。そのせいでみんなを振り回して、危険な目にも合わせている。

この島には、なし崩し的に住み着いて、穏やかな生活をするつもりだった。正直、帝都での騒ぎで懲りていたはずだった。

それを 夢に出て来た少年の頼みを聞くなんて……どうかしてる……でも、ほっとけないよなぁ……


「ハンス、おそらくリュウジュは、法王が立ち入り禁止にしている場所にあると思う。不可視化で調べて来てくれない?」


「承知!」

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