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A3-2



ハンスは、屋敷前の庭に線を引いている。

帝国No.1の職人から、才能があると言われた庭師の仕事。なるつもりは無いが、せっかくの自分達の屋敷なので、庭を作ろうと思ったのである。勿論、まどかに褒めて貰いたくて。


(わぁ!ハンス!凄いじゃない!綺麗!)

(まどかの方が綺麗だよ。)

(もう、ハンスったら……)

(本心さ。まどか、好きだよ。)

(うん。私も好きよ、ハンス……)


「なんてことにならないかなぁ……えへ、えへへ……」


ハンスの妄想は、時にエネルギーとなって行動力を生む。


「そう言えば、花の仕入れとか出来るんすかね……」


結構大事なとこが抜けていた。そう言えば、この島で三人の王の話し以外、貴族の存在を聞か無い。敷地を広く取り、庭を整備するなど、貴族以外では聞いたことが無い。ガーデニングとか、しないのかな……


ハンスが考え事をしていると、馬車がやって来た。どうやら迎えが来たらしい。玄関の前まで来ると、司祭が降りてくる。


「お迎えにあがりました。聖女様、三賢人の皆様、お支度をお願いします。」


まどかとメグミは、メイド達が手入れをした衣装を ハンスの服はジョーカーが仕立てを発注した、タキシード風の衣装を着た。馬子にも衣装とは、この事だろう。なかなか様になっていた。


「チェリー、コバルト、後は頼んだよ。何かあったら、例のアレで。」


「「行ってらっしゃいませ、お嬢様。」」


メイドの二人を召喚した後、連絡用に思念リンクしておいた。まどか達が捕えられるような事があったら、二人が救出することになる。戦闘のセンスは、ジョーカーが鍛え、合格点を出すほどにはなった。まぁ、ジョーカーの出す合格が、どの程度のレベルなのか……ちょっと怖い気もするけど……


「お招き、ありがとうございます。」


「いえいえ、こちらこそ神託の開示で、町の民が騒ぎを起こしたそうで、申し訳なく思います。」


「済んだ事です。お気になさらず。」


「流石は聖女様、御心が広い。しかし…このような林がありましたかな?ただの草原だったように記憶しておりますが……」


「そうですか?気のせいじゃないですか?」


「ですかねぇ……不思議な事があるものです。」


「どうしました?洗脳でもされましたか?」


「ま、まさか、はははは……」


(明らかに焦ったな……)


「司祭様、本当に私が聖女なのですか?全く自覚は無いのですが…人違いという事はありませんか?」


「間違いありませんよ。お疑いでしたら、法王様に確認して頂きましょう。」


「わかりました。時に司祭様、法王様とはどのような方なのですか?」


「そうですね、まどか様は、この国の事をあまりご存知無いのですね。法王様とは、この国の行く末を示す御方です。法力によって神と繋がり、未来を見る事の出来る御方。貴女方が来られる事も、事前にご存知でした。噂では神竜の血を飲まれて、能力が開花されたのだとか……」


「神竜の血を?竜が居るのですか?」


「この島が一つに繋がる以前、中央に位置した火山島に居たとされております。」


「今は居ないのですか?」


「どうでしょう、今のところ、その姿を見たものはおりません。以前居たとされる火山は、法王様の名で立ち入りを禁じておりますゆえ……」

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