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聖火バトンリレー小説の始まり 開会式

さて、こちらはWeb小説を書かれる方でリレー小説をつないでいく小説となります。来年のオリンピックまでつなげていければ楽しいなという物になりますよぅ!

 セシャトは、いつもの制服からスポーツウェアに着替えると、古書店『ふしぎのくに』の外で屈伸運動を始めていた。

 それを見守るのはヘカ、トト、そして全書全読の神様。



「まさか、東京オリンピックの協会連中も一年も前から、Web小説推進委員会が聖火リレーを始めるとは思わなんだろうな。それも、走者が全員集まっておらんというのに」



 世界的にも有名な古書の街、神保町。そこより、Web小説間でバトンを回し、東京オリンピックまで、リレー小説を行いましょうという企画が発足されたのが数か月前。

 栄えある第一走者への聖火の届役として、古書店『ふしぎのくに』が選ばれたのだが……

 ヘカは走るとか意味が分からないん。タクシーで行きたいん!

 トトは、僕は汗をかくキャラじゃないので!

神様は、私が走る? ヘカも休み休み言え! おっとバカだった。

 などというものだから、消去法でセシャトが走る事となった。実際、聖火リレーの速力は歩くような物。まず疲れる事はないのだが……



「さて、準備運動も完璧です! カルピスを飲んで英気も養いましたよぅ!」



 スポーツウェアを着るとインドア派のセシャトも運動好きの健康的な女性に見えなくもない。普段見られないスポーツウェアのセシャトを写真に収めにカメコや地域住民達が集まってきていた。



「実際の聖火リレーのはじまりは福島県でしたね! 福島のお米やお魚はよくトトさんが送ってくださいましたが、とってもおいしいです! 福島の皆さんに負けないように私たち神保町も元気よく行きましょうね!」



 係の人に聖火を渡されたセシャトは、ゆっくりと走り始める。お世辞にもランニングをしていた風には見えないが、セシャトは息を切らせながらずんずんと進む。



「どんな物語の方々によって、この聖火は届けられるんでしょうか?」



 歩いているような速度でセシャトは走る。この日の為にアディダスの運動靴まで買って、毎日1キロをヘロヘロになりながら走ったのだ。

 そう、彼女セシャトは一般の人より圧倒的に体力がない。普段、ふふふのふとか言いながらケーキを食べ、Web小説を読み一日を過ごす。

 そんな生活を繰り返しているセシャトが太らない事が奇跡に等しい。



「ハァハァ、ちょっと息苦しくなってきましたよぅ」



 このWeb小説推進委員会発足の聖火リレーは距離があってないようなものなのだ。何故なら世界観を越えてバトンを渡さなければならない。



「セシャトさーん! 頑張ってくださいーい!」



 セシャトは疲れた顔で声のする方を見ると、そこは給水所、もとい給スイーツ所。秋文がそこで待っていた。



「秋文さん、応援にきてくれたんですねぇ!」

「はい、セシャトさん! プリンですよ」



 完全に立ち止まるセシャト。そこでプリンを食べて気力回復。



「はっひゃああ! これは元気が出てきました」



 セシャトは少しだけ、速度を上げる。今セシャトが走っている道。これはWeb小説のベースとなる。各種投稿サイトに繋がる道なんだなとふと気が付いた。



「70億の人類は、それを越える物語を作り、そして次の世代に引き継いでいくんですねぇ、果たして私はあとどれくらいの物語と関わる事ができるんでしょうね」



 少しばかりセンチな気持ちになる。セシャトは疲れたという事を忘れていた。あの作品は面白かったな! あの作品は……とセシャトは本来見えないハズの物を見た。

 それは髪の毛の長い、あの頃の神様。

 その神様は銀髪の少女と少年の手を引く、その神様とセシャトは目があったような気がした。だけど、それはただの白昼夢だったか?



「黙っているとあの頃の神様はりりしいですねぇ。2020年、私は少しは成長できますかね? それともいつも通りの私なんでしょうか?」



 セシャトは夢想した。

 世界各国の人々が、己が力を信じ、この東京という地で競い合い。美しい汗を流す。そんな彼らに恥ずかしくないように、セシャトは前を向き、そして一歩一歩走る。

 聖火はセシャトの気持ちに比例したかのように元気にめらめらと燃えていた。



「セシャトさん、シュークリームっすよ!」



 欄。

 久しぶりに会ったなとセシャトは思うと笑顔を向けて彼女の渡してくれるシュークリームを食べる。



「これは! 甘いですぅ!」



 本来スイーツを食べながら走るという異常な行為が出来るのはセシャトが妖怪甘味狂いと呼ばれている所以なのかもしれない。

 セシャトは汗を輝かせながら、遠くに聖火をバトンする相手が見えてきた事に嬉しくなる。それはいつかの月間紹介にて小説を紹介させてもらったあの人だ。



「ふふふのふ、あの人はどんな物語でこの聖火リレーを繋げていただけるんでしょうね!」



 可憐な少女、姿はよく見えない。だけど、セシャトが走ってきた事を見ると表情を緩ませる。



「はぁはぁ、聖火をお願いします!」



 そう言ってセシャトは少女に聖火を渡した。その瞬間、セシャトは元の世界へ、少女は少女の描く世界を走り、次の方に聖火をバトンする為に書き出していくんだろう。

 東京オリンピックまで届け! そう願いながらセシャトは地面に突っ伏した。


「今日のおやつは豪華な物をいただきましょう」

さて、次のバトン走者は! @ame4520 あめさんですよぅ! 参加希望の方はお気軽にご連絡くださいね! ちなみに、バトン走者のご情報は『ふしぎのくに』ブログにて公開しています!

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