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30 百合? パート2

「 退屈。暇じゃー。」

「 ほうじゃねー。暇なー。」


もうすぐお正月。俺とアキはリビングで、テレビを観ながらそんな会話を交わしていた。

冬休みの宿題は終わってるし、大掃除は12月の頭から、母さんが暇さえあれば少しずつやってたから終わってる。

俺達が使ってる部屋も昨日の内に済ませた。


「 姉ちゃんは、母さんと買い出しに行って夕方まで帰ってこんし。、兄ちゃんは元日にならんと帰ってこんし。父さんも平原の伯父さんとこに行っとるし。」

「 どっか行こうにも、留守番を命じられとるけぇ、出かける事も出来んし。」

「 借りてきたDVDも全部視ちゃったし。」

「「 暇なねー。」」


アキと俺の呟きがかぶった。


「 それはそうと夕陽。家におる時はなんでニーソなん?」


隣に座ってるアキが、ショートパンツの下に履いてるニーソをヨダレを垂らさんばかりに見つめてる。なんかヤバいんですけど。

「 なんでって、家におる時はこの組み合わせが、いっちゃん楽じゃけ。(一番楽だから)」


そう答える。俺は、家にいる時は、夏ならTシャツとショートパンツかキュロット。今は冬だから、Tシャツの上にスウェットのパーカーとショートパンツかキュロット。足には夏も冬もニーソだ。


「 ほうなん。こりゃまた、絶対領域でウチを誘っとんかと思うたよ。」

「 そんな訳なかろう!」

「 なんじゃつまらん。――でもその太腿は触りとうなるよね。うっひっひ。どれ、アキおじさんがその感触確かめちゃろか?」


ヒィィ。アキの目がヤバい。手をワキワキさせながら、こっちに来るし。

俺は貞操の危機を感じながら、ソファーの上で後退りする。


「 あッアキさーん。これ以上はいけんと思うよ。」

「 まあそう言わんと。 そりゃあ。 こしょこしょ!」

「 うきゃー。やめて!やめて! くすぐったい~。」

「 こしょこしょ!」


俺はアキにくすぐられて、ソファーの上に寝転ぶ形で、足をバタバタさせながら、身をよじらせていた。

アキはアキで、調子に乗って俺をくすぐって遊ぶ。

まあ暇だし、やる事ないし、誰も見てないからいいだろ。頭の隅っこで、俺はそんな風に考えていた。

この後、よからぬ疑いをかけられるとは知らず。



「 あー、疲れた。」

「 ほうじゃねー。でもいい暇潰しになったじゃろ。」

「 うん。アキどいて。俺起きる。」

「 ごめん。」

「 ………お前ら、なんしようるん?(何してるの?)」

「 仁」「 兄ちゃん。」



俺とアキがふりむくと、リビングの入り口で、口をあんぐりと開けてる仁がいた。

俺とアキは、改めて自分達の格好を見る。

寝転ぶ俺と俺を組敷くような体勢のアキ。――見ようによっちゃ、姉妹が越えてはならない一線を越えてしまった瞬間に見えるだろうな。


「 あの仁。これには、事情があるんよ。」

「 へー。どんな事情ね。教えんさい。」


俺とアキは、仁にかけられた疑いを晴らす為、必死に説明したのは、言うまでもなかった。



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