四月十六日、運命の時
八時から仮眠していた私は、突然、ドーンと突き上げる音と感覚で目覚めた。
電気は消えていた。
真っ暗な中を相方がスマホで電気をつけながらやって来ていた。
縦か横かわからない揺れに、すぐに私は地震だとわかった。
考える間もなく、相方の誘導に従って台所を通り、スリッポンで外へ出た。
玄関は散乱しており、スリッポンを見つけることは容易ではなかった。
しかし、相方は足を使い、器用にものを退け、私のスリッポンを見つけ出してくれた。
揺れはまだ続いていた。
相方は、一緒に仮眠をとっていたが、午前一時にぱっちり目が覚め、みーちゃんが鳴くのでご飯をあげようと台所に行ったときに突き上げられたらしい。
その前には震度四の地震があり、なんとなく警戒していたそうだ。
私が起きなければ背負って行くつもりだったらしい。
揺れが始まるまで一二秒間があったため、私のところへたどり着いたらしい。
そのあとは壁を伝って来るしかないほど強く揺れたとのこと。
私はシェイクされるような感覚に襲われながら外に出た。
アパート前は騒然としており、一昨日の地震で慌てて外に出てきたお隣さん家族も出てきていた。
揺れはまだ不気味に続いていた。