四月十四日、その時
珍しく早めに食事を終えた私は、茶碗を洗い、相方とパソコンでアニメを見た。
アニメは実に面白いものであり、私は大いに満足した。
九時二十分になり、私は風呂にお湯をはりはじめた。
私は風呂をためる間、タバコを一本吸うのが習慣だ。その日も何も考えず、タバコをふかしに玄関先へ出た。
お気に入りの灰皿はほぼ満杯で、私は一本を実に丁寧にふかしていた。
と、そのとき。
しゃがんでタバコを吸っている私のお尻は突き上げられた。
私はすぐに地震だとわかったが、タバコを吸うのをやめなかった。
地震は大きかった。そして長かった。
最初に突き上げられると、横に揺れた。
それでもまだ私がタバコを吸っていると、相方がドアを開け、
「大丈夫ならよかった。揺れが強いからまだそこにいるといいよ」
と言った。
私は新たにタバコに火をつけると、さっきの地震は強かったなぁ、などと思いながら一本を吸いきった。
地震は長かった。
相方がドアを開けたときはまだ揺れていた。
私は何も気にせず家に入ると、そこはいつもの光景だった。
グラスはそこにあったし、パソコンもそこにあったし、なにも変わりない風景だった。
相方が笑いながら、
「パソコンは死守した。」
などと言い、飼い猫のみーちゃんの尻尾が驚きでクリスマスツリーのようになっているのをみて、笑いながら写真を撮ったりした。