央都ラウサ
どうも皆さんこんにちわ和博です。
僕たちは今、大きな街の南の端にいます。
「ようこそザイラ王国王都ラウサへ。またの名を蒼藍星間連邦王国電脳空間管制都市ラウサへ。」
神子さんが笑いながら言う。
そうここは、冒険者ギルドを初めとしてこのゲームの冒険者に関わるありとあらゆる設備を提供する組織の本部が集合する、このゲーム最大にして、最央の街。
ゲーム内最大にして最強の国家ザイラ王国国王の居城。ラウサ。
ビギナー冒険者の最初の目的地。
[ようこそ我が王都へ。まあ、これでも東西南北それぞれ2000km四方ですから藍蒼の4分の1程度ですよね。小さい小さい。]
いや。日本人の感覚からすれば十分でかいです。
「このザイラは王国のベイリア県に相当する大陸を有してる。形は同じだけど、大きさが4倍になってるね。」
ラウサ冒険者ギルド(ザイラ王国総務省冒険者庁 蒼藍星間連邦王国地官総務省戸籍局ザイラ冒険者管理部)
FSOのプレイヤーはここで冒険者の登録をしなければならない。僕たちもここで冒険者登録をした。手に入れた冒険者カードは僕とローウェンが重々しい赤銅色。アレサが光り輝く白だった。
マサキさん曰くレベル帯によってカードの色が異なるらしく、レベル50以下の初期帯と呼ばれるレベル帯は赤銅色。二桁帯は銀色。100以上200未満が銀色200以上500未満が金色。500以上千未満が白金色。
千以上は透明。1万を超えたいわゆるLOPは、カードを保持しておらず、現実世界の身分証がそのまま通用するよう切り替えられるらしい。
だからギルドという名前なのに国家機関が関与しているのかと納得したが実際には、蒼藍王国の戸籍を管理する部署が関わっていることからも分かるとおり、冒険者カードは、いわば、冒険者の免許でもありFSOにおけるプレイヤーの戸籍謄本に当たるらしい。
「さて、きみたちはこれからどうするかな?」
「どうすると言われても。」
[我々ザイラ王国政府はこれよりこのバリエ大陸全土の全モンスター掃討を行います。]
『3C-AGE&LSN-FNT-FEN FSO運営より、全プレイヤーに通達します。只今より15分後からFSO全サーバー郡共通メンテナンスを行います。
メンテナンス中はゲームのプレイ、ログイン、ログアウトが一切行えなくなります。
また、エリア0、バリエ大陸への立ち入りができません。
これらに関する事故を防ぐため、作業に関与するLOPを有するギルドを除く全プレイヤーの強制ログアウトを只今より10分後から順次開始します。
メンテナンス予定時間は16~27時間を予定しております。
プレイヤーの皆様にはご迷惑をおかけします。が、ご了承のほどよろしくお願い申し上げます。
なお、本メンテナンス終了後、全プレイヤーに対し最優先クエスト『ザイラ王国平定戦 ―バリエ大陸残存モンスター掃討作戦―』が発令されます。
本クエストでしか入手できないレア装備を準備してありますのでよろしくお願いします。』
運営からのアナウンスが流れ、これに合わせ、自発ログアウトしていくプレイヤーも見られる。
「あれ?ログアウトボタンがない?」
「うん。無いよ。グランドギルド『SCUKG』は、その持てる戦力と技術を持って、本メンテナンスに関与します。特にSCUKG筆頭ギルドSUKPGTはね。」
いくつものギルドという法人格が集まって構成されるギルドのギルド。それがグランドギルド。SCUKGは僕らが加入したパーティSUK-K&PGTのLOP七人が代表格となる、LOPのみのギルドSUKPGTが代表ギルドとして登録された、所属プレイヤー数京人に上り、その全てがレベル8千以上という超強力な組織である。
[何で自分たちもという顔してますね。冒険者カードの所属ギルド欄を見てみなさい。]
「「SCUKG筆頭ギルドSUKPGT所属?!」」
[ええ。]
ハルナさんの話によると、プレイヤーが冒険者登録前にパーティに所属した場合、そのパーティリーダが加盟するギルドに自動的に登録されるらしい。
「SCUKGってのはSouran Cosmic United Kingdom Governmentの各単語の頭文字を取った名前。我が国の政府。
基本規則は王国法遵守、規則強制の禁止。例外を除くレベル5千未満の加入禁止、サブスキルとして文官を有すること。かな。」
その翌日発動されたクエストにより、ザイラ王国領であるバリエ大陸からモンスターが居なくなった。
それに合わせ、バリエ大陸上は、現実世界と同じレベルに発展した。わずか1週間でである。




