死ぬことまでがプロローグ 5
予想外の忙しさでギリギリになりました、すいません。
変な感じになってたら教えてくださいすぐに直しますので。
『目を覚ませ式斗!』
式斗は自分の名前を呼ぶ声によって目が覚めた。
目を開けるとやはり車の中ではなく見知らぬ白い天井が見える。体を起こそうとしたが激痛で全身に力が入らず、目で見える範囲で辺りを見渡した。
目が覚めた式斗を見てすぐ1人の人間が部屋から退出した。すると残った者たちはみんな大丈夫か聞いてきた。しかし、式斗は痛みで声が出せず、ただ時間だけが過ぎ、式斗が目を覚まして2分ほど経つと先ほど退出した者と医師のような人が部屋に入ってきた。
医師のような人が自分の体を色々調べるように見始めてようやく式斗は病院のベッドで寝ている事がわかった。
先生が自分の体を見ていると部屋にいた人達を部屋から退出させまた体を見始めた。
数分間式斗の体を診察すると先生も部屋から退出し、薬と水を持ってきた。
「きっと痛みで体は起こせないだろうから口を開けてね僕が薬を飲ますから」
先生の言う通りに口を開けた。
薬は粉ではなく錠剤で先生が口の中に薬と水を入れ飲むように指示されたので飲み込んだ。
しかし、水を飲むだけで喉の辺りに痛みが走る。薬を飲み終わると先生は最後に薬の副作用でまた眠くなる事を言うと部屋を退出した。
そして、式斗も眠りについた。
薬を飲んで眠ってから数時間たち目が覚めた式斗は自分が何故入院したのか考えてみたがわからず体もろくに動かせなかった。
少しすると薬を飲ませた先生が病室に入って来た。
「調子はどうだい?薬を飲む前よりは楽じゃないかな?」
元気そうな声で先生が聞いてきた、言う通り薬を飲む前より痛みが引いていて喋ることはできた。
「確かに楽になりました、でも何故僕が入院してるですか?」
式斗は知りたい事を先生に質問した。
「落ち着いて聞いて欲しいんだけど大丈夫かい?」
先生は少し考えながら式斗に言った。
「大丈夫です!」
式斗は落ち着いてられると自信を持って言った。
すると先生は言葉を選びながら話し始めた。
「簡潔に言うと式斗君は事故にあって入院している」
式斗はわかりきってる事を言われ先生に具体的に知りたい事を伝えた。
「事故にあったことは何となくわかるんですけど具体的にどんな事故にあったんですか僕は?」
「すまない、簡潔過ぎたかな」
謝りながら腕を組みまた少し考えてからまるで諦めたかのように話し始めた。
「私もそんなに言葉を選べれる人間じゃないけど正直に言うよ、式斗君とお父さんが乗ってた車に居眠り運転していたトラックが衝突して病院に君が搬送されてきたんだよ」
「父はどうなりましたか?」
式斗が父親の事を質問すると今まで明るい顔をしていた先生が暗い顔をしながら質問に答えた。
「本当に申し訳ない、病院に搬送された時にはもう手の施しようがなかった」
頭を下げながら質問に答えた先生は頭を上げて式斗の顔を少し見てから時計を見た。
「もうこんな時間か、すまないが他の患者さんの様子を見に行くよ、何かあったら手元にあるナースコールを押してくれればすぐに来るから」
最後にまた頭を下げて退出した。
先生が部屋からいなくなると式斗はいつぶりかわからないほど久しぶりに涙を流した。
痛み止めを飲み始めてから一週間が過ぎ、どうやら一週間昏睡状態だったらしく、事故にあってから二週間が経っているらしい、事故でなった全身火傷は治ってきて、残りの足や腕の骨折と体の所々の打撲や捻挫に時間がかかると先生から話され、祖父と祖母のためにも病院を家から一番近い総合病院に移すことになった。
病院を移してから二週間が経ち、式斗は人の力を借りれば起き上がることもできるようになり、食欲も今まで通りになり、先生からは普通の人より治りが早いらしく、先生の予想では二週間後の診断結果しだいでリハビリに入れるらしい。
式斗は毎週休みの日に来る、綾介、凛太朗、一真、尚史達4人に診断結果を報告するとはしゃぐように喜んでくれた。
そして、喜んでいる4人に式斗は覚悟を決めて話をする事にした。
「みんな一つ俺のわがままを聞いてくれないか?」
式斗の声に4人はいつものノリで答えた。
『急に改まってどうした?遠慮なんかしなくていいぜ!』
式斗は4人の言葉を聞いてから要件を言った。
「みんな悪いんだけどこれからはお見舞いに来なくていいよ」
式斗が言ったわがままに綾介が式斗に迷惑だったか聞いた。
「お見舞い迷惑だったか?」
「毎週来てくれるのは嬉しいけど、毎回新幹線で行き来する距離からお見舞いしに来てくれるのはこっちの方が申し訳ないから来なくて良いよ」
式斗の答えに納得した4人は、最後に言い残したことを言って病室を後にした。
『式斗、退院祝いするから、しっかり怪我治して学校に来いよ!』
式斗は4人が言った最後の言葉を聞いて、学校のことを思い出した。
しばらくして祖父と祖母がお見舞いに来たので学校のことを聞いたところ、理事長と話して何とか在学状態らしく退院したら出来るだけ早く学校に行って補習などをこなせば進級もできるらしく何とか助かった。
あっという間に二週間が過ぎ、診断結果によると予想通り一週間後にリハビリを始める事になった。
リハビリを始めた1日目、立つことが出来ず、先ずは立ち上がることから始める事になった。
1人で立ち上がって歩くまでに一週間が過ぎ先生からは運動はまだ禁止と言われ歩行の練習を続ける事にした。
リハビリを始めて二週間が経ち、式斗は、私生活ぐらいなら困らないくらいに回復していた。しかし、式斗の通う学校は部活メインの学校のため今の式斗では勉強に追いつけても運動で成績が出せないため退院日を先延ばしにして体力付けのリハビリを始める事になった。
体力付けのリハビリもそれほど時間はかからず始めてわずか二週間で怪我をする前には劣るものの学校でも通用するくらいの体力がついた。
事故から2ヶ月程度過ぎ式斗は退院する事になった。医者は想像以上に早い退院だと言っていた。
退院した式斗は綾介、一真、凛太朗、尚史4人にメールで退院の報告をするとすぐに返事が返ってきた。内容は当然喜びの文章と早く学校に来いの二言だった。
そして、式斗はとりあえず学校の寮に入るための準備をするため祖父と祖母の家に向かった。
祖父と祖母の家に着くと式斗は学校で必要になる物を買いに出かけ夕暮れ時に帰ってくると祖母がご飯を作って待っていた。
「おかえり、式斗君」
珍しく祖父も仕事から帰って来ていた事に驚きながら返事をした。
「ただいま、じいちゃん今日は早いね驚いたよ」
式斗が思ったことを口にすると祖父は笑いながら言った。
「あたりまえだ、今日は式斗の退院日なんだからな」
すると祖父も祖母の手伝いに台所へ行った。
食事もすみ風呂も上がりあたりも暗くなってくると祖父と祖母は就寝につき、式斗もする事もなかったので寝る事にした。
式斗が寝てから数時間だった頃息苦しさに式斗は目を覚ました。
「この臭いガス漏れか?」
式斗は祖父と祖母の部屋を見ると、そこには祖父と祖母の姿がなくその代わりに台所の電気が付いている子に気づき静かに近寄ってみると祖父と祖母が何か話している。
「もう一度考え直さないか?」
祖父が祖母に言い寄ると祖母は祖父に聞いた。
「考え直してもどうしようもないでしょ?他にいい考えがあるの?」
祖母の問いかけに祖父も諦めたかのように言った。
「そうだよなぁ、これが一番式斗君にとっても良い事なんだよな」
祖父が覚悟を決めるとズボンのポケットからタバコを吸う時用に持っているライターを取り出した。その瞬間式斗は玄関に向かって全力で走った。
式斗が玄関から出た瞬間、祖父と祖母の家が爆発した。
そして、逃げきれなかった式斗は爆発によって吹き飛ばされ祖父と祖母の家の向かいにある家のドアにぶつかり意識が薄れていった。
最後に意識が薄れていく中式斗は逆ぎれのように言い放った。
「ちくしょうが!治ったと思ったら逆戻りかよ!」
感想など気軽にしてください。
来年は、1月過ぎれば少しは時間が空くと思うので、それまでは遅い投稿になるかもしれませんが、よろしくお願いします。