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死ぬことまでがプロローグ 4

最近忙しくてなかなか続きが投稿できなくてすいません!

【午後12時00分】

入学式もようやく終わり携帯の電源を入れた4人は起動するまで話し合っていた。

「あ〜〜疲れた!」

柿崎が伸びをしながら立ち上がり3人が近寄ってきた。

「確かにほとんど座ってるだけは疲れるな、でも結局彼奴来なかったな」

龍前寺が言うと一真が質問した。

「まだ連絡なしか?」

携帯がようやく起動した4人は通知を確認した。

龍前寺の携帯に式斗からのメールの通知が1件あった。龍前寺は、すぐ内容を確認し3人に伝えた。

「式斗からメールが来てた」

『内容は?』

龍前寺の言葉に3人同時に反応した。

「大丈夫としか書いてない」

式斗の無事が確認できた4人はこれからのことについて話し合った。

「お昼だけどみんな昼ご飯はどうするの?」

最初に口を開いたのは凛太朗だった。

すると柿崎と鬼島は学食と答え龍前寺はとりあえず式斗に連絡してから決めると言って、柿崎、鬼島、凛太朗、と別れて龍前寺は式斗に電話をかけることにした。



【午後12時10分】

いつの間にかベンチの上で眠っていた式斗は携帯の着信音によって目覚めた。

「ふぁ〜〜っ、 また寝てたみたいだな、着信誰だ?」

あくびをしながら大きく伸びをしてから電話に出る。

「綾介入学式終わった?」

電話の相手は龍前寺綾介だった。

「終わった?じゃねえよ!お前何してんだよしかも声からして寝起きだろ?」

式斗の質問に対して綾介は怒りながら逆に質問してきた。

「確かに電話来るまで寝てたけど、色々あって学校に間に合わなかったんだよ!」

式斗が質問に答えるとさらに綾介は質問してきた。

「色々ってなんだよ!」

「電話で話すのめんどくさいから今度話すよ」

式斗の答えに綾介はとりあえず本題に入ることにした。

「今日は体調不良で欠席扱いになってるから適当に 病院で診断受けて診断書もらって学校に提出しろよ」

綾介の話に式斗は少し安心した、何故なら入学式無断欠席すれば入学拒否になる可能性もあったからだ。

「あと、書類とかあるから今から会えないか?」

「良いけど今学校の近くの公園にいるから学校に向かうか?」

綾介に向かうと言うと怒られた。

「お前バカか?欠席扱いのやつが学校の近くうろついてたらダメだろ!俺が行くから公園で待ってろ!」

「わかった」

待ち合わせができたので電話を切った。

綾介が来るまで時間つぶしに携帯ゲームをやって待つことにした式斗は携帯のアプリを開いた。

そして、少し時間が経ち綾介も時期に来る頃救急車と消防車がサイレンを鳴らしながら公園を通り過ぎた、式斗は救急車と消防車の数に驚いたが気にせずゲームをすることにした。

さらに少し時間が経ちゲームのスタミナがなくなると公園の出入り口のあたりで名前を呼ばれた。

振り返って見るとそこには龍前寺綾介がいた。

「こうやって会うのは久しぶりだな」

式斗は、綾介の方に向かいながら言った。

「1ヶ月ぶりくらいだな」

綾介も式斗の言葉に頷いた。

卒業式の次の日から綾介は家族全員で海外旅行に行っていて、帰国してきたのがつい昨日なのだ。

「今回は何各国行ったんだ?」

式斗が興味本位で綾介に聞く。

「今回は、スペイン、フランス、イタリア、ドイツ、イギリスの5カ国に行ったけど」

綾介がいつものように答えると式斗は自分から聞いておいて驚きながらも羨ましそうに呟いた。

「海外旅行か〜一度は俺も行きたいな〜!」

綾介は式斗の呟きを聞いて言った。

「だから行く前に聞いたじゃないか!一緒に行かないかって!」

式斗は綾介に一緒に行かないか?と誘われていたが、断ったのだ。

そして、式斗は今さらになって理由を言った。

「家族水入らずの海外旅行に俺が付いてくるのは非常識だろ!」

理由を聞いた綾介はあきれながら言った。

「お前は、弟の命の恩人だ!本当なら兄の俺があの時身を挺して弟を守るべきだったんだからな、お前も家族みたいなもんだ、だから遠慮しなくてよかったんだよ!」

「俺じゃなくても気づいていれば誰でも普通に助けに行ってるし、それに、あの時気づくのが遅かったら俺も動けなかったよ」

綾介の言った事に対して誇ることなく式斗は述べた。

綾介は話を変えるかのように式斗に聞いた。

「お前昼飯は食べたか?」

綾介の質問でようやく朝から何も食べていないことに気づいた式斗は笑いながら答えた。

「朝からなんにも食べてないの忘れてた」

「何があったんだよお前が朝食抜きなんて珍しいだろ?」

式斗の返答を聞いて綾介は驚きながら聞いた。

「その話は後で食べながらでも話すよ、それに腹減ったから早いとこ飯食いに行こうぜ!」

綾介は納得して公園から出た。

式斗が綾介にどこの店に行くか聞くと楽しそうに答えた。

「いつものとこだよ!」

「お前ほんと好きだよな」

式斗は綾介の言葉でどこの店に行くか理解しその店へ向かう事にした。


何故式斗は綾介の言葉で理解できたかと言うと、龍前寺綾介はいわゆる金持ちの坊ちゃんなのだ。

綾介の父と祖父はアイデアを売って年収数億稼いでいて、さらに、2人で剣道教室を開いている。そして、母と祖母は名の知れた超一流の料理人で依頼が来ればどこにでも行き要望通りに料理を作るらしい。

故に式斗達は綾介と数回しか外食した事がなく綾介が初めて行って好きになってから綾介が外食と言えばほとんどいつものところというのだ。


【午後12時30分】

高校から15分ほど歩いた所にある商店街のハンバーガーショップへ向かっている最中綾介の土産話を聞きながら2人は歩いているとあっという間に目的のハンバーガーショップに着き店に入った。

お店に入ると店員さん達が『いらっしゃいませ!』と元気に挨拶をしてくれた。


店内は昼時なのもありいろいろなお客さんが来ている。

レジには4、5人のお客さんが並んでいたので綾介と一緒にケータイクーポンとメニュー見ながら食べるものを決めながら並ぶ事にした。


2人の順番が来ると会計別で注文をする事にした、式斗はミックスバーガーセットのギガサイズを注文し綾介はスペシャルバーガーセットのギガプラスサイズを注文した、式斗の会計金額は800円、綾介の会計金額は1,200円、2人の金額とボリュームの差が大きく一般高校生では綾介の注文したスペシャルバーガーセットのギガプラスサイズは食べきる事ができないのだが綾介は難なく完食できるらしい。


注文した商品を受け取ると他のお客さんから少し離れた席に2人で座った、そして、式斗は朝から自分にあった出来事を食べながら一部始終を綾介に話した。

「ブッハハハハハハ!」

食べながら話を聞いていた綾介は食べていたハンバーガーを吹きながら爆笑した。

すると、少し離れた席のお客さん達が変な目で見ているのに気づいて式斗は他のお客さんと距離をとってて良かったと安堵した。

最初から笑われる事が予測できていたので式斗は他のお客さん達からできるだけ離れた席に座ったのだ。

2、3分笑っていた綾介も息切れしながら感想を言った。

「1日に2回もベンチで寝てんなよ!さすがに笑うだろ、でも、確かに朝のことは気になるけど、とりあえず食べて、入学式の欠席理由を作ってから考えるしかないだろ?」

綾介の言う通り式斗は欠席理由として行きつけの病院で適当に風邪の診断をしてもらはないと高校入学取り消しになることを入学事前説明の手紙に書いてあったのをしている。

「そうだな、とりあえず早く食べて一旦家に行って着替えるのと保険証と診察券を取りに行かないとな、 お前は食べたらどうするの?」

式斗はこれから先の予定を立てながら綾介に予定を聞く。

「暇だからお前についていくよ」

綾介は最初からそのつもりだったかのように言うと今までより早いペースで食べ始めた。


式斗が食べ終わる頃には綾介も完食していて式斗は長年付き合ってきたが今でも綾介の食欲と早食いに慣れないからまたいつものように質問した。

「どうやったらそんな早く食べれるの?そもそも、食い過ぎだろ?なのに何で太らないの?」

式斗が綾介に質問すると親指を立てて笑顔で答えた。

「俺にもよくわからん!」

いつものように返された答えに式斗は納得がいかないが席を立ちゴミをゴミ箱に捨てハンバーガーショップを後にした。


式斗の家に向かっていた2人は家の方角で煙が上がっている事に気づき、足早で煙の上がってる方角へ行った。


【午後13時30分】

煙の立つ建物まで着くと2人は呆然と立ち尽くした。

理由は簡単だった。式斗の住む団地が丸ごと燃えているのだ。普通の人なら自分の家や友人の家が燃えていればなってもおかしくない状態だろう。

呆然と立ち尽くしていると救助活動していたレスキュー隊員が担架に人を乗せて救急車に運んでいった、それに気づいた綾介はレスキュー隊員が運んでいる担架の人の事を救急車で待機している救急隊員に聞いた。

「すみません、この人い、い生きてるんですか?」

綾介は少し顔色を悪くしながら聞くと救急隊員は残念そうな顔をして答えた。

「経験から言うとおそらく助からない、でも生死に関しては先生しだいです、それとこの方の知り合いです?」

綾介の質問に答えさらに身内か質問してきた救急隊員に式斗が言った。

「ちょうど通りかかった時に運ばれるのを見て気になっただけで別に知り合いとかではありません、手間をかけました」

式斗は救急隊員に頭を下げるとすぐに綾介の腕を掴みその場から立ち去った。


【午後13時35分】

近くの公園まで行くと式斗は止まり携帯を見始めた。

母親のメールだけ着信の通知をOFFにしておりメールが来ていても気づかないようにしていたので母親のメールを確認した。すると一件だけメールが来ていた。

[さようなら、

これから色々あると思うけどお父さんと何とかしてね(笑)]

まるで死に際に送るメールではないであろう内容のメールを見て式斗は送信時間を確認した。

【午後 12時00分】

ちょうど消防車や救急車が公園の近くを通る前に送信されている事に気づきやはりこれが死に際に送った最後のメールであると式斗は確信した。何故ならさっき担架で運ばれた人間は式神式斗の母、式神美佐江だったのだ。だから綾介は救急隊員に生死を確認したのだ。しかし、式斗からしたら美佐江の生死などどうでもよくむしろ住む家をなくしたことの方が問題なのだ。

普通の子どもなら親の生死がわからない状態なら焦ったり悲しんだりもするのだが式斗は少し嬉しかったのだ。式斗は産まれてから今まで母の愛情を知らない、ただ毎日死なない程度の衣食住を与えられ生かされてきた。故に式斗からしたら母親とも言えない存在なのである。だが一応式斗は父親式神彰に母の死と火事で家がなくなったことついでに会社の近くに向かうことをメールにし送信した。


メールを送信してから珍しく5分もたたず返事が来た。メールの内容にはわかったとだけ書いてあった。

式斗が携帯をしまうと綾介は心配そうに声をかけた。

「色々大丈夫か?」

「心配すんなよ!」

式斗はいつものように言うと財布の中を確認した。

「手持ちの金が2千円と小銭がいくらかしかないか」

少しがっかりしながら式斗は財布をしまい綾介に別れを告げる。

「とりあえず俺は父さんの会社に向かうよ、またな!」

「生死を確認しなくて良かったのか?」

式斗の別れの言葉に綾介はまた声をかけた。

「生きてても死んでてもどっちでも良いよ、できることなら死んで欲しいな、自分で殺らなくてすむし」

式斗が平然と言った言葉に綾介は何も言わず財布から5千円札を出し式斗に手渡した。

「2千円ぽっちじゃ心許ないだろ、もってけよ!」

式斗は少し躊躇ったが綾介の意を酌んで受け取ることにした。

「悪い、今度ちゃんと返すから!」

式斗が礼を言うと綾介は式斗に背を向け歩きながら断った。

「礼ならいらない!何せ弟の命の恩人だ、5千円ぐらいその恩返しだと思ってくれよ!」

綾介は最後にそう言い残すとそのまま家に帰宅した。

式斗も父の会社へと向かった。


式斗は父の会社の近くまで来ると連絡が来るまで気になったお店を見て回ることにした。

【午後21時00分】

辺りが暗くなりようやく父からの連絡があり父の会社の駐車場に着くとすぐ近くで名前を呼ばれ声のした方を見ると見慣れた黒色の車と父彰が立っていた。

「仕事お疲れさま」と言いながら車の方に駆け寄った。

「そういえば今日が入学式だったな、制服にあってるぞ」

式斗が近くまで来ると式神彰は思い出して言った。

「そうだったんだけど色々あって入学式間に合わなかった」

式斗は怒られる覚悟をして正直に答えた。

しかし、彰は怒りもせずに車の鍵を開け中に入るように合図した。

「とりあえず話はご飯でも食べながらしよう、今日は入学祝いも兼ねて外食でもしよう」

彰も式斗と同じで自分の妻の死など気にしていなかった。


それなりに有名なファミレスで夕食を食べることにした2人はドリンクバーとそれぞれ式斗はステーキ定食を彰はハンバーグ定食を注文し、料理が来る前に飲み物を取りに行った。

飲み物を飲みながら式斗は朝からの出来事を父彰に話した。

話を聞いた彰は腕を組みながら少し考えてからこれからのことを話し始めた。

「今日のところはご飯を食べたら車で朝まで寝るとして、明日は有休を使って一度実家に行くでどうだ?」

式斗もほとんど賛成だったが学校をどうするか聞いた。

「それで良いと思うけど、学校はどうしよう」

彰は時計を見てから答えた。

「明日の朝起きたら学校に連絡するよ、事がことだから親が連絡すればさすがに退学はないと思う!」

彰の言葉に式斗は少し不安もあったが自分ではどうにもならない事なので父親である彰に任せる事にした。

話がまとまると待っていたかのように注文した料理が運ばれてきた。


夕食が終わった2人は車を近くの公園の駐車場に止めて朝まで寝る事にした。



目が覚めるとそこは車の中ではなく白い天井が見え起き上がろうとしたが体は動かずさらに感覚が麻痺している。そして、式斗を睡魔が襲いまた深い眠りについた。









次でプロローグを終わらせます!

感想や意見など色々ありましたら是非教えてください。

最後に今年中にプロローグ終わらせるつもりです!

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