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教育改革の失敗。そして、日本は消滅した

作者: さきら天悟
掲載日:2015/09/13

戦後の日本教育の失敗は、詰め込み式教育だった。

高度成長期において、子供たちは良い会社に進むことが正解とされ、

そのためには良い大学に進まなければならなかった。

その結果、子供たちは詰め込んだ知識の量を競い合い、

時には友人が敵になり、心の安らぎを失っていった。

なかには思った成績を上げられず、自ら命を断つもの出た。

まさに受験と言う名の戦争だった。

そして、みな疲れ果ててしまった。


大人たちはこれを救おうと動いた。

ゆとりある教育をと。

まず、個性を尊重することと格差をなくすことに努めた。

それは難しいことではなかった。

特に格差を無くすことは。

ただ授業を減らせばいいだけだった。


それでは子供の学力が下がるのでは?


そう、それが狙いだ。

出来る生徒の能力を下げれば、格差が縮まるというわけだ。


個性の方は?


勉強ができないことも個性だと言ってしまえばいいことだ。



『ゆとり教育』って本当に大丈夫なの?


何事も、やってみなければ分からない。

一つの実験だろう。

人体実験というやつだ。


文科省の人も自分たちの子供を実験台に?


そうではない。

この提言している文科省の官僚の子供たちは、この実験に参加しない。

なぜなら、私学に進むからだ。

私学は、ゆとり教育を導入する義務はない。





従来の詰め込み、画一教育を反省して、

子供の個性を伸ばすことに重点を置き、さまざまな教育改革を行った。

ゆとりを作るため主要科目の授業時間を減らし、

そして、個性を伸ばそうと課外授業のようなものを設けた。

ようなものとは、授業内容の定義がはっきりしないからだった。



遊びたいとか、怠けたいという誘惑に負けない子供にとっては、

有意義な教育法だったであろう。

が、そんな子供にはこの教育は無関係だった。

そぜなら名門史学に進むからである。



誘惑に負けた子供たちは、自制心がない個性を伸ばした。

バカな親も、人と違うことが個性と信じた。

真面目に働く者に軽蔑の眼差しを向けて。


そして個性的な人間に育っていった。

悪く言えば、我儘で我慢が出来ない人間に。

そして、彼らは社会に旅立っていった。







しかし、企業は個性的な学生を欲していなかった。

企業が欲しているのは、ある程度優秀で真面目にコツコツ働く人間だった。

当然、飛び抜けた発想力を持つ学生を欲していたが、

ゆとり教育で育まれる個性とは別物だった。

企業が生み出す製品はオンリーワンを求めるが、

個性的なオンリーワンという人物は必要なかった。

当然のことだ。

その人物が休んだり、辞めたりしたら業務が滞ってしまうからだ。


しかし、彼らは自分の意見を通すべきだと信じた。

他人と同じことをすることを屈辱と感じた。

学校時代は教師がそれを許したが、企業内では受け入れられなかった。


それで彼らは初めての挫折を味わう。

すぐに会社を辞める者が続出した。

企業側も彼らを腫れ物に触るかのように振舞った。

その煩わしさを晴らすためか、企業側は『ゆとり世代』とレッテルを貼った。





ゆとり教育実施から数年が経ち、文部科学省の官僚らは頭を抱えた。

学力低下が明らかだった。


「ゆとり教育は失敗だった。

これからの日本に必要なのは天才だ。

資源がない日本を支えるのは天才しかない。

天才を生み出し、日本を技術立国にしよう」

文科省の事務次官が宣言した。

その教育改革会議に東大出身官僚らがたくさん参加していた。

その彼らは自分自身天才だと自負していた。


会議で、天才教育の具体的な内容が決まって行く。

まず、小学生になる前に選抜試験を行う。

各県1校で3年間教育する。

次に選抜試験を行い、全国6校で3年間教育する。

ふるい落としされたものは通常教育に戻す。

さらに選抜試験を行い、東大で3年間教育する。

15歳で、毎年約30人天才が誕生する仕組みだった。



10年後、天才教育を終えた彼らは企業に入ったり、大学の研究機関に残った。

そして彼らは期待通りに業績を上げて行った。

文科省の官僚らは大いに満足した。


しかし5年後、天才教育は行き詰まった。

文科省の官僚らは実績を上げたことを利用し、

予算を倍増し、より多くの天才を生み出していった。

しかし、その天才質は落ちていないにも関わらず。


というのも、彼らの受け入れ先がなかった。

大学側も研究費を増やすことができず、

企業側も、技術開発部門ばかり増やすことはできなかった。





ついには、天才教育は日本の破滅に導いたのだった。

受け入れてもらえなかった天才らは悪の道に入ってしまう。

精神的な支柱となる思想がない天才らを言いくるめるのは簡単だった。

また、彼らは煩わしいことを嫌がり、純粋な研究にのめり込んでいった。

そして彼らは成果を出した。


完全に副作用がない麻薬。

依頼者は麻薬中毒に苦しむ患者を助けるためだと説明していた。

原価も格安だった。

しかし、麻薬患者には使われなかった。

原価の数万倍でいわゆるセレブに売ったのだった。

悪いやつらは、麻薬中毒者が治ったら困るのだ。


人を傷つけずに気絶させる装置も開発された。

それは強盗などに使われた。

天才らは、強盗らを捕獲するためだと聞かされていたのだが。


しかしこの程度で日本は滅亡しない。

日本滅亡の原因はある製薬会社の禁じ手だった。

インフルエンザウイルスの開発だった。

ワクチンの用意しておて、インフルエンザウイルスを垂れ流したのだった。

製薬会社の狙いは的中し、ワクチンはバカ売れし、株価は急騰した。

しかし、ウイルスが突然変異して、猛毒性を持ってしまった。

耐性をも持ってしまったウイルスにどんなワクチンも聞かなかった。

また、ワクチンの開発まで3年かかると予想された。

金持ちらは海外へ脱失しようとしたが、

この製薬会社の所業が明るみにでると、各国は日本人の受け入れを拒否した。

ウイルス拡散を防ぐと言う名目で。


3年後、ようやくワクチンは完成した。

その時、日本の人口や2000万人だった。

8割強の人が犠牲になっていた。


そして、日本は崩壊した。

C国侵略の脅威を考え、日本はアメリカの1州になることを選んだ。

こうして受け入れ先を考えない天才教育は日本の滅亡に導いたのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] おぉ、面白い。 [一言] たまに日本がアメリカの州になったらという話を聞きますが、そうすると日系大統領は近いうちに必ず誕生するらしいですね。 で私は思います。きっとその日系の大統領は陰謀…
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