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もし私が神なら  作者: 福竹
ゲームを作ることになって、そして
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ね子の日記 1

 想像もしなかった一日の最後に、ね子は去年買ったまま結局使わなかった日記帳を取り出した。

 今日のことを記録に残さずに何とする。この日記帳はこの日のためにあったのだ。そう意気込んで書き始めた彼女だったが、実際文字にして書いてみると書きたかった理想の文章との乖離に絶望し、引き受けてしまったゲームのシナリオに対する不安がどんどん増し始めたので早々に切り上げて寝ることにした。

 日記帳をしまおうと引き出しを開けると見慣れぬカードがあった。それには印刷された字で


『志塚芳生と手をつなぐな』


とだけ書かれていた。

 鍵付きの引き出しとはいえ、カードなら僅かな隙間から中に入れることは可能かもしれない。鍵は一応本棚に並んだ本の後ろに隠しているのだが、探そうと思えばそれほど難しいものではないだろう。

 しかし―― とね子は思った。さっき日記帳が収まるスペースが有るかどうか確認したときにはこんなものはなかった。ね子は少しの間考えて、しまいかけた日記帳をもう一度開いて数行を書き足すと、インクがつかないように気をつけてカードを最初のページに挟んだ。


***


『勇者製作所』のゲーム作成に関わることになったことを機に日記を始めようと思う。

これはスケッチのようなもので、覚えいるうちに、忘れないように、急いで書き留めるメモ達である。


残したいのだ。思わず笑ってしまったあのときのことを。

その思いに誠実であろうと決めたのだ。

吉崎ね子さん。私はあなたが好きだ。それに気づいたあの瞬間の全てを。そのために。

それが私のしたいことで、その方法を探しているのだ。



とりあえず今日は――

ごねんぶりにおうじにあったらかれはひめのしんせきで、ひめのあにはたいちょうだった。

しろにつくとかれらあてにちょうせんじょうがとどいていて、わたしもそのたたかいにかせいすることになった。

それからなぞのまほうつかいがあらわれてわれわれに『せかいのそんぼう』にかかわるなにかをつげようとしたがわれわれはこわくなってにげた。


なんだこれは。

私の崇高な目標は早くも挫けそうだ。

しかしこれは誇張であっても妄想ではないのだ。


そしてたった今、私の元に謎のメッセージが届いた。

恐らくは魔法使いからである。

これが『世界の存亡に関わること』なのだろうか?

メッセージの内容からして、魔法使いの背後にはあまり強大でない黒幕がいる気がする。


でもこの件はなんだか他の人には言いにくい。


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