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ね子の日記 9
二通目のメッセージが届いた意味は大きい。
考えれば考える程あのメッセージは、私に彼と手を繋がせるためにあったように思う。
敵ではない。
それをわざわざ知らしめるための、私を知り尽くした周りくどいやり方。
あなたは一体何者か?
あの紳士でさえあなたの使い走りに過ぎない気もしてきた。
「やや。君はひょっとしてね子さん」
再び会って私の名を呼ばれたあの瞬間は思いが報われる一つの物語の終わりでした。
お久しぶり。
今もその角を曲がってくるかもしれないって思っていたんですよ。
名も知らぬ私の初恋の君。
それが最後の文章の、思いもかけぬ幸せな第一部完。
あのときから私は物語の第二部を生きているような気がしているのです。
これは作られた幸福なのでしょうか。




