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ね子の日記 7
罰ゲームで芳生くんと行くことになった買い物で母親と遭遇した。
とても恥ずかしかった。
しかも「あらね子」などと呼ばれると周りの人も結構見るんである。
吾輩は猫ではない。
名前を書くとき今まで出会った猫達を思い出す。
もう会えない猫達やもう一度会いたい猫達。
でもすぐに書き終えてしまう。
私の名はそういう名前。
もし名前がね子でなかったらきっと五年前芳生君に栞を貰うことはなかった。
「僕は君にこれを渡すために、今まで生きてきたのかもしれないな」
そう言ってくれた金属製の猫の形の栞。
本当にあれは今どこにあるんだろうな。
あの栞を貰わなかったら今日掌に絆創膏を張ってもらうこともきっと無かった。
* *
引き出しを開けたら『グッジョブ!』と書かれたカードが入っていた。
ね子は少し考えてそれを今日書いたページに挟んだ。




