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もし私が神なら  作者: 福竹
夢のような何か
10/42

ね子の日記 3

今日もすごかったが、もうこれが日常になりつつある。

世界を盾に取られては兎にも角にも完成にこぎつけねばならない。

私だけのものではないけれど、素敵な本も貰ってしまったことだし……報酬もちょっと、かなり、魅力的だしね。

完成の暁にドッキリの看板をもった人達が現れてもそれはそれで。


でも、もしゲームが完成しなくても世界が滅びはしなかったら、一体どうなっていたんだろう。


私達は再会しなかったのかもしれないな。

あの時、私達が駅の入口でぶつかりそうになる少し前、三十秒、いや五秒。

どちらかを足止めすればきっと何も起こらなかった。

あの紳士にとってきっとそれは造作も無いこと。

子猫を転がしておくとか、道を訊くとか、きっとそれだけのことで。

そしてオコは別のクラスになって、違う学校に進学して、彼らはゲームを作って……。

私は本を読んだりちょっとした空想ををしながら、失くしてしまったあの栞のこともいつか忘れて、何を忘れたのかも忘れて。



世界は


ギリギリだ。


***


 書き終えてね子は栞代わりに使っている例の送り主不明のカードを見た。そしてあの栞は今どこにあるんだろうなと思った。私の”選ばれし者の証”。本が好きな人が拾って、気に入ってくれて、使ってくれているといいなと思った。

 しばらくそうしてから日記帳を閉じると、世界のために、彼女は物語を考え始めた。


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