兎と頭脳とライバルと...その2
永遠亭の4人と別れた妹紅と慧音は家に帰る為に歩いていた。
その途中、妹紅は慧音に話しかけた。
『ねえ慧音。さっきも聞いたけれど、今日はあいつらとどこに出かけていたんだ?』
と尋ねると慧音は
『あら?そんなに気になるの?さっきも言ったけれど、永琳先生と河城ファクトリーに行って来ただけよ。』
と笑顔で答えた。
すると妹紅は
『じゃあ、何で輝夜のやつや永遠亭のウサギ達もいたんだ?』
と聞くと、慧音はチョット呆れ顔で答えた。
『何でそんなに気にするのかしら?そんなに輝夜さんの事が気になるの?』
と妹紅に尋ねた。
すると
『ば...ばか...ち...違うよ...。気になるわけ無いじゃん。だって、輝夜だよ。輝夜。あの蓬莱ニートが気になる訳あると思う?』
とチョット慌てた様子で答えた。
それを見た慧音は笑いをこらえながら妹紅に
『あら...そうなの?てっきりね...。まあ、気にならないのならいいわ。それじゃあ、早く帰りましょ。妹紅が作ってくれたご飯が待ってるわね。』
と言いながら、少し早く歩き始めた。
すると妹紅が
『お...おい...!慧音置いてくなよ。』
と言いながら、慧音を追う様に妹紅も早歩きで追いかけた。
途中、妹紅が慧音に何回か話しかけるも、慧音は
『家に着いてからユックリ話しましょ。』とか『ご飯が待ってるわ。急ぎましょ。』
などと、妹紅の話しかけを無視し早歩きで家路に急いだ。
しばらくすると、2人の住む家が見えてきた。
『やっと見えたわ。今日も一日疲れたわ。妹紅の作ってくれたご飯を食べてユックリしたいわ。』
と慧音が言うと、
『慧音...そんなに疲れるなら出かけなければ良いのに...。』
と、妹紅はボソッと呟いた。その呟きに対して慧音は
『妹紅何か言ったかしら?』
と聞きなおすと
『な、何でも無い...。それより早く家に入ろうよ。』
と妹紅は慧音を急かした。
すると慧音は
『はいはい。わかりましたよ。早くご飯にしましょ~。』
と言うと、家の中に入って行った。
『あっ...慧音待って。』
と妹紅は慧音を追って家の中に入って行った。
また慧音と妹紅と別れた4人は永遠亭に向かって歩いていた。
すると優曇華がいきなり永琳に尋ねた。
『お師匠さま~。先程慧音先生と話していたゲームですが、ほんとに可能なんですか?そのゲームが出来るとわたしでもお師匠さまや姫様のカッコイイスペルカードを使えるんですよね?』
と、ワクワクした目で聞いてきた。
すると永琳は
『そうね...ゲームが出来上がれば可能だわ。後は、どれだけ協力してくれる人がいるかわからないからスペルカードの種類は何とも言えないわね。』
と言うと、優曇華は
『巫女の霊夢さんや魔法使いの魔理沙さん、アリスさんとかなら協力してくれるかと思うのですが...。』
と永琳に言うと
『そうね...。でも紅魔館の吸血鬼達や、白玉楼の幽霊、八雲家の妖怪達とかはどうかしら?協力してくれれば凄いモノが出来ると思うのだけれどね。』
と永琳は少し寂しそうに言った。
それを聞いていた輝夜がいきなり
『わたしの五つの難題を再現出来るかしら...。うふふ...。』
と呟いた。
それを聞いていた永琳が
『それなら姫様もしっかり協力して下さいね。』
と言うと
『え~...めんどくさい事は嫌いだわ。』
と輝夜はポツリと言うと、
『姫様、もう少し動いて下さい。そのうち、生活習慣病になりますよ。』
と、永琳はキツく言った。
するとそれを見ていたてゐが
『姫様ヤブヘビ~!ゲラゲラゲラ...。』
と笑だした。
すると輝夜は
『うるさいわね~。わたしだってやる時はやるわ...。』
と少し涙目で答えた。
それを見ていた永琳が
『てゐいい加減にしなさい。ホントにあなたったら...。少しは自重しなさい。それと姫様も嘘泣きをしないの。』
と二人に怒ると、
『ちぇ~っ...永琳にはバレていたんだ...。』
と輝夜は残念そうに呟くと
『姫様の考える事はお見通しですよ。姫様もてゐももう少し成長して下さい...』
と、永琳はため息をつきながら呟いた。
そんな3人の様子を見ながら優曇華は苦笑いをしていたがこっそりてゐに蹴られているのには永琳にも輝夜にも気付かれなかった。
そんな事をしているうちに、4人は永遠亭に到着した。
永遠亭に到着すると永琳は
『優曇華、てゐ夕ご飯の支度お願いね。それと姫様は部屋の片付けをして下さい。』
と言うと
優曇華は
『はい。お師匠さまわかりました。急いで支度します。』
と答えた。
すると、てゐは
『え~、あたしもするの?優曇華だけでいいじゃない~。』
と、我儘を言い始めた。
更に、輝夜も
『優曇華~ついでに部屋の片付けもしてちょうだい。』
と駄々をこね始めた。
それを聞いた永琳は、
『優曇華、姫様を甘やかせてはいけません。てゐもすぐに支度しに行きなさい。』
と輝夜とてゐの2人を睨んだ。
てゐはビックリして、
『お師匠様ごめんなさい。すぐ支度します。』
と反省して頭を下げていたが、下げた頭に隠れて舌を出していたのは永琳には気付かなかった。そしててゐは、永遠亭の奥へと走って行った。
輝夜はやれやれとした表情で
『こんな光景前にもあったわね。』
と、永琳には聞こえない様に呟くと続けて今度は永琳に聞こえる様に輝夜は
『わかったわ...。片付けをすればいいんでしょ...。』
とちょっとふてくされた様に言うと、そのままてゐを追いかけて永遠亭の中に入って行った。
一人残された永琳は
『ホントに姫様にもてゐにも困ったものだわ...。』
とため息をつきながら呟くとそのまま永遠亭に入って行った。