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君の嫉妬が欲しくて
「誰よあんた、」
空気がぴしっと凍る音がした
「先にあんたが名乗るべきだと思う」
そう言ってより一層手に力を入れる
そろそろ限界だ俺が止めよう
「おい、遙止めろ」
ぴくっ
遙の手の力が緩んだ
その隙にさっきの女は逃げた
この割り込んできた女は佐渡遙
俺の好きな人
変わっているといっただろう
そう彼女は変わっている
俺に歪んだ愛を突きつけてくる
でもそんなところが好き
普段は普通の子なんだ
「はぁ…まったくなんでそんなに変な虫がつくかなー、大体ね、いろんな子と話しすぎ!!!」
これだこれが可愛い
俺はこの嫉妬が欲しくて、女の子に絡まれるようなことしてる
ああ本当かわいい