第3話 ファイト!エキサイティーング!って鳴き声、珍しいよね
やっと草原でました!
マイペースですみませんw
「はぁ、はぁ、はぁ...」
「やったぞ!遂にワームを全部焼き尽くしたぞおおおおおおお!」
ラグナは今ちょうど、魔法訓練その1、「ワームっておいしいのかな?取り敢えず焼いてみよう作戦」を終えたところである。
「やったぞ!魔法を試す前にワームの数を数えたら軽く800を超えていたときはどうなることかと思ったが、遂に、遂にやり遂げたんだ!属性魔法習得完了だぜ!」
使える魔法が増えたよ、やったねラグナちゃん!
「ってことで俺は寝ます。」
ラグナは依頼を受けてから初めての休憩である。
因みに他の奴らは3,4回休んでます。畜生!
「あんた、今依頼中よ?それも護衛の。普通寝る?」
スズリが呆れたように言うが仕方ない。
格闘と違い、常人ほどの魔力しか持ち合わせていないラグナの魔力はもう空っぽなのだ。魔力は精神と直結しているため魔力が空になると精神的にもかなりきついのだ。
「まぁまぁ、僕がきっちり護衛してますんで。ラグナさん寝させてあげてください。」
お!さっすがレオ!んじゃねるか。おやすみ。
ドーン!
「ななななななんだああああああ!」
馬車の激しい揺れと轟音によってラグナの睡眠は30分で強制終了させられた。
「あれ?皆は?」
おかしい。馬車の中に誰も残っていない。
取り敢えず外に出てみるか。
ん?なんか暗いな。日陰かな?しかも前が何も見えないぞ?
「ファイトッ、エキサイティーング!」
「あぁ、ジャビットさんチーッス」
なんだ、ジャビットが目の前に居たせいで暗いのか、なるほどなるほど。
って
「よく考えたら超絶ピンチじゃねぇかよ!いや、俺は良いけど...」
確かにレオは治癒魔法が使えて魔力も桁外れに高い。けど攻撃魔法が使えないんじゃ倒しようが無い。
スズリは攻撃魔法が打てるけどそれでも普通の人間だ。
ジャビットはこの草原では一番強い敵なのだ。おじさんも固まってるし、ポチだってきちんと戦えるのか?
もしもレオとかが気を利かせて寝ている俺を起こさないようにあの二人だけでジャビットに挑んだら...
最悪の場合喰われるかもしれない。
ラグナの全身の体温が一気に冷め、汗がうっすら滲む。
「俺の大切な人たちが、寝てる間に?」
膝からラグナが崩れ落ちる。同時にジャビットの振り上げ→振り下ろし攻撃が繰り出される。
が、そこはラグナだ、腕一本で攻撃を受け止め、拳を静かに放つ。
ジャビットもまた、静かに消えてゆく。
あぁ、雨まで降ってきやがった。おれは今何のために生きてるんだ?
あいつらを失ったいま何ができ「うっわ、雨降ってきた!馬車に戻るわよ!」
遂に幻聴か。神様、せめてあいつらの事を忘れさせてくれよ。
「ラグナさん、なにやってんすか!外でてると濡れますよ!」
あれ?幻聴じゃない?
ラグナが顔を上げた先には。
元気一杯に走ってくる2人+ポチの姿が。
あれ?めからとろろが...
「お前ら!心配したじゃねぇかよ!」
考えるより先に体が動き、3人まとめて抱きかかえる。
「ラグナさん、そういうお年頃なのは分かるんですけど俺男ですからね?」
ボケを入れるレオ
「っっっ!ちょっと!何いきなり抱きついてっ、うぅ」
初めて男性に体を触れられ、というか抱きつかれてパニックになって赤くなるスズリ。
「キュー!」
うれしそうなポチ。
やっぱり仲間は最高だな!なんて当たり前のことを再認識するラグナであった。
「で、まとめると」
「BBQでもしようって事になったけど俺が寝てたからお前達とポチだけでBBQしにいって、雨が降ったから帰ってきたら俺が外で放心状態になってて、声かけたら抱きつかれた、と」
ラグナお得意のまとめである。
ラグナのほうの事情はもう二人に話してある。
「しかし、抱きついちゃうほど一人が寂しかったんですね。」
ニヒヒと笑うレオ。
「い、いきなり抱きつくなんて何考えてんのよ!私今まで男には触られた事すらなかったのにいきなりその、だっ、抱きつかれるなんて...あわわわわ」
りんごのように顔を真っ赤にしているスズリはともかく、レオはいつも通りの対応で少し安心する。
「お、樹海についたぞ!」
今更自分の行動に恥ずかしくなって話から逃げるようにラグナが言う。
こうしてラグナ達は樹海エリアに突入するのだった。
今後この依頼に大きな影響をあたえる何人かのフードを被った男達の気配には気付くことも無く...




