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STRIKERS

作者: 紅とんぼ

――ギィン


――ギン、ガキン


暖かな太陽の光、新緑の匂いを漂わせる木々、甘い香りを放つ花達。

この草原は正に美しい自然を満喫するのにうってつけな光景を描き出していた。

しかし今現在、目の前に広がる風景は美しい自然を満喫する、どころではなかった。


「もう!なんでっ!こんなに!敵が、多いのよ!」


「悪っ、かった、なあ!少しずつ、来るかと、思ったら、っとお!一気に、お出ましなんて………なあ!!」


そう、今まさにここでは命がけの殺し合いが行われていた。

長剣を持った男と2本の短剣を携える女。それを取り囲むのは人間より幾分小さく、醜い顔つきに小ぶりな角を頭に2本生やしたオーガ達。先程から彼らは数にものをいわせて襲いかかっているが、2人の冒険者はそれらを見事に防ぎ、かわし、切り伏せている。気づけばもう、最初の半分以上のオーガが倒されていた。オーガの血に木々は赤く染まり、花は無数の足に無残にも踏みにじられている。


「まったく、やっぱり、依頼を、受けるの!あんたに、任せるんじゃ、なかったわね!壮也!」


「そいつは、依頼を、ちゃんと、確認しない、お前が、悪い!………つうか、これなら楽、勝って、いってたじゃねえか!絵里!」


「あの、時は!お酒が、入ってたでしょうが!」


口では喧嘩をしつつも抜群のコンビネーションでオーガ達を次々と切り刻んでいく。今回の依頼は、周辺の村々を荒らすオーガの討伐。詳しい数は不明だったが、比較的大きな村を壊滅させられる程度の数である。少なくとも、楽勝の一言で片付く相手ではない。


「ああもう!こんなこと、なら、魔法使いを、パーティーに、入れとくんだったぁ!」


「なによ、あんた、魔法使いは、魔力が切れたら、何もできないからって、嫌がってたじゃない!」


「こんなことに、なるんなら、入れてたっつの!そら、ラスト!」


ひと際大きな声と共に、すでに大量の血に濡れた長剣がオーガの腹に吸い込まれる。

最後の一匹は小さなうめき声を残して深紅の血の池に沈んでいった。何匹かは恐れをなして逃げ出したようだが、追撃する余裕はない。剣にべっとり付いた血を丁寧に拭い、鞘にしまう。そうしてやっと2人の冒険者、壮也と絵里は木に背中を預けて座り込んだ。2人とも息が荒く、肩を上下させ、全身を汗で濡らしている。しかしあれだけの数に囲まれながら大きな怪我はなく、あるのは小さなかすり傷程度なのだから、2人の実力は相当なものである。少しずつ息を整えながら壮也が呟く。


「流石に、あんだけの数は、死ぬかと思ったぜ……………。」


「大丈夫よ、死ぬ死ぬ言ってる奴ほど、死なないもんだから。ホント、困ったことにね。」


「なんだよそりゃあ、まるで死んでほしいみたいじゃねえか。」


「そうね。私一人ならどっかのおバカさんみたいにこんな依頼受けないわね。」


「んだとテメエ!」


こんな皮肉の応酬もいつものことである。当の本人達も、口でこそ言い合っているが顔は笑っている。

一通り皮肉のぶつけ合いを終えてから絵里は先程とは打って変わって、真面目な口調で切り出す。


「………で、今回の報酬は?」


絵里の変化を機敏に察し、壮也も途端に纏う空気が変わる。


「金貨1枚と銀貨20。この手の報酬にしちゃ若干少ないが、何せ依頼主がそこらへんのいくつかの村だ。襲撃に遭って這這の体で逃げだしてきた村人が、他の村の人間を必死に説き伏せたんだと。それに、ここの国は税の徴収が厳しいとも聞く。これでも精一杯なんだろうよ。」


「…………………まだまだ足りないわね。」


「そりゃそうさ。俺達の夢はでかすぎる。それこそ、人に聞かれたら大笑いされるようなやつなんだからな。」


「この世界の格差を………無くす。」


そう、それがこの2人の最終的な目標だった。2人は見てきたのだ。権力者達に虐げられる貧しい民を。何の罪もなく、ただほんの少し税を納めなかっただけで命の危機に晒される人々を。もちろん、冒険者として多くの国を回る中で、良い政治を行い、民に支持される王がいなかった訳ではない。ないのだが、その数は圧倒的に少ない。多くの権力者は自身のことしか考えず、徒に税を奪い、国を衰退させていく。結局は自分自身にそのツケが回ってくることにも気づかずに。

そしてこの壮也と絵里もまたその拙い政治の犠牲者であった。2人は運よく国籍を持たない、ギルドに属する冒険者となることで日々を生きている。だが、冒険者となる過程で失ったものは決して少なくはなかった。そしてこの2人は、もう二度と大切なものを失わないように、これ以上の涙を流させないために、決意をしたのである。しかし、そのために具体的に何をすればいいのかが分からない。考えた末に至った結論が、


「何をするにもとりあえず金だよなあ………。」


「………………、」


そう、結局金なのだ。権力者を嫌っておきながらどの口が言うのか、となりそうだがこれはまぎれもない事実である。そして金を貯めるべくギルドの依頼をこなす内に両者共に相当の手練になっていたのである。


「………………いこっか。」


しばしの静寂の後、絵里はそう言って立ち上がり、


「そうだよね。まずはお金がなきゃ。だからこんなとこでへばってないで、とりあえず報酬もらいにいこ?」


壮也の方を見て笑顔を作る。ただそこに一抹の悲しみが混じっていることと、その原因を彼は見抜いていた。かすかによぎるのは、まだ幼かった、もう会えないであろう少年。しかしあくまで、彼は気づいていない風を装い、


「そうだよな、じゃさっさと村に…………」


帰るか、と言おうとした矢先だった。


―――黒い風が、吹いた。


「伏せろっ!絵里!」


「………え?―――――ッ?!!」


そこは絵里もかなりの実力である。背後の異変にすぐさま気づき回避を試みた。しかし凶悪なまでに研ぎ澄まされた牙は絵里を――完全にとはいかなかったが、切り裂いた。


「…………………ぁ。」


「絵里ぃ!!!」


すばやく剣を抜き去り、戦闘態勢をとる。そして壮也は改めて敵の姿をみて愕然とする。


「……………ヘルハウンド。」


ヘルハウンド。漆黒の毛皮に身を包んだ巨大な狼。その速さは風の如く、牙は容易く肉を食いちぎる。その姿を見て生きていられるものは数少ない。


(なんでったってこんなとこに!………そうか、少し派手に暴れすぎたか。血の匂いを嗅ぎつけてきたな………。)


必死に思考をまとめ、今にも怖じ気づきそうな全身に喝を入れる。

対するヘルハウンドは先に壮也を仕留めてから食事にありつこうと決めたのだろう。その双眸が壮也を射抜く。それだけで壮也は残る闘志の火を消されそうになる。それだけヘルハウンドは容易ならざるなのだ。


(どうせこっちも体力的に長くは戦えねえ。それに絵里をこれ以上ほっとけん。一撃で決める!)


全身から冷たい汗が噴き出したが、不思議と壮也は一撃で決まる確信があった。実際、パワーに関しては申し分ない。ただ問題は、黒い風とも形容される敵に、剣が刺さるかということ。


(目で見ても追いつかねえな。………こうなったら直感で勝負だ)


つうっ、と汗が一筋頬を流れていく。それからどれくらいの時間が流れたのか壮也には分からない。何より、絵里の怪我が気になる。早く勝負を決したかった。だがこちらから動くのでは、勝負は火を見るより明らかだ。彼には永遠に近いぐらいの時が流れたような気がした。風の音がやけに遠く感じた。


やがて、動こうとしない餌に苛立ったのか、黒い獣はその体を低くかがめる。


(来る!)


ヘルハウンドの姿が消えた瞬間、壮也は自分の斜め左後ろに向かって、剣に全体重を預け、突進した。正に、敵を貫く槍の如く。

そしてその切っ先は見事に黒く染まった狼を貫こうとした。


(やったか?!)


しかし相手も非常に手ごわい。負けじと壮也の右肩に食らいついてくる。

鮮血が溢れだし、焼けるような激痛が肩を襲う。


「ぐっ、おおらぁあああああ!!!!!!!!」


しかし壮也はそんなものなど意に介していないようにヘルハウンドを串刺しにしようと進み続ける。そんな不屈の心に、一瞬だけ漆黒の獣はひるんでしまった。そしてそれが、明暗を分けた。


ドスン!と1人と1匹は、先程のオーガの血で赤黒く染まった木に激突した。黒い体を貫いた刃は先端が木に刺さっていた。漆黒の風は、息絶えていた。


「ぐっ………絵里っ………」


強敵を倒した感慨に浸ることも、刺さったままの剣を抜こともしようとせず、赤く染まった肩をかばいながら、相棒の元へと駆け寄る。絵里はかすれた声で、


「壮也………あれ、倒したの?すごいね。」


幸い、思ったほどヘルハウンドと対峙していた時間は長くなかったようだった。しかし予断は許さない。声はもう彼女の灯が今にも消えてしまいそうなことをありありと示していた。


「………………くっそぉ。」


壮也は歯噛みした。やはり魔法使いをパーティーに入れておくべきだったと後悔した。


「………肩、大丈夫?」


「馬鹿野郎!自分の心配をしろ!」


空さえも、震えた気がした。今日一番の大声だった。しかし絵里にはその言葉は届かなかったらしい。とても自分の心配をしているようには見えない。


「ごめんね壮也、私、いくよ。あの子の所に。」


穏やかに微笑んだ絵里は胸元からネックレスを出した。チェーンの先に小さな、透き通るような蒼い宝石がついているそれは、彼女の弟が彼女に渡したものだった。

両親を失った絵里の過去は悲惨なものだった。働いても、働いても、日々を食いつなぐので一杯一杯だった。

それでも、彼女が生きることを辞めなかったのは彼女に幼い弟がいたからだった。彼女は弟のために毎日必死だった。弟が彼女の生きる理由だった。

そんな姿を見て弟は何かしてやりたいと思い、少しずつ、本当に少しずつ金を貯めて、商人からネックレスを買ったのだった。

大して高価なものでもない。むしろ粗悪な商品だったのだろう。それでも渡された時、絵里は大粒の涙をボロボロこぼして小さな弟を抱きしめた。抱きしめられた弟も泣いていた。

そんな微笑ましい光景を見て、壮也は、貧しい中でもこんな幸せがずっと続けばいいと思った。



しかし運命は残酷だった。



ある日、弟は消息を絶った。そこらじゅうを探したが、見つかったのは川岸にあった靴の片割れだけだった。彼がいなくなってしまった理由は今でも分からない。人さらいにさらわれたとか、川に足を滑らせたとか、とにかく絵里の弟は絵里の前から消えてしまった。

その時の絵里の姿たるや、茫然自失として見ているこっちの方が辛いくらいだった。絵里は最初、弟が死んだことを認めようとはしなかった。しかし、生きていると思うと会いたいという思いが強くなり、どうしようもなく悲しくなってしまう。なので彼女は、弟は死んでしまったのだと思い込むようになった。もう弟は手の届かない所へ行ってしまったのだ。だから、いつまでもくよくよしてないで歩き出そう………と。半ば無理やり彼女は悲しみを抑え込んだのだ。

そんな折、壮也を女手一つで育て上げていた母が死んだ。過労が原因だった。壮也も、悲しみにくれた。しかし、いつまでも泣いていられないことも理解していた。母は日ごろから、自分に何かあったら冒険者になるように言っていた。重税を課す国に縛られないように。そして壮也は絵里と共に誓いを立て冒険者となったのだった。


「あいつのとこにいくだって?!そんなことさせっと思ってんのかよ!!」


壮也は必死だが、絵里はあくまで穏やかに、


「自分でも、分かるの。もう駄目だって。ほら、早く行って。また敵が来ちゃう。」


しかし壮也は諦めようとしなかった。その目はまだ希望を宿している。


「手なら…………ある。」


「…………え?」


「回復魔法を使えばいい。」


その言葉に絵里は力なく笑った。

「無理でしょ………。この重傷を………治せるくらいの魔力があるんなら、魔法使いになれるじゃない。それに、やり方分かるの?」


「こうやって稼ぐようになるときに一応は学んだ。魔力の方は………知らん。」


「だったらやめなよ、こんな無駄なこと。」


「命を助けてやろうってのに、なんだその言い草は。」


「だって、もう無理だもの。それにその肩、早くなんとかしないと。」


絵里の言葉は純粋に、自身の相棒を心配していた。


「この傷、治したらな。」


絵里の言葉には全く取り合わず壮也は両手に魔力を集め始める。手の周りがわずかに光る。慣れない作業ながら、思いの外うまくいっている。


(いけるか………?)


だがそこまでだった。それ以上光は強くなろうとはしない。そうこうしているうちに少しずつだが、着実に意識が遠のいていく。


(血を、流しすぎたか………。)


絵里のことを治療しようとしているとはいえ、壮也も十分重症の部類に入る。

零れ落ちそうになる意識を必死にとどめようとする中で、壮也の脳裏によぎったのは亡き母の最後の言葉だった。




壮也、母さんはもう死んでしまうみたいだから、私の骸をどうにかしたら冒険者ギルドに行きなさい。あそこの環境も苛酷だけどここよりはマシよ。仕事に見合った報酬もある。なるのに多少のお金がかかるけどそれなら蓄えがあるからそれで冒険者になりなさい。


あなたを一人にしてしまうこんな不甲斐ない母を許してね。と言ってから母はさらに、


そうだ、一緒に絵里ちゃんも連れて行ってあげなさい。あの子も心の支えが無くなってしまったから、もうここで暮らしていたらひと月も持たないでしょう。お金はちょっと足りないけれどそこは子供料金だとか団体割引だとかで通しなさい。


そこで母は一拍置いて、


………壮也、母さんの最後の頼みを聞いてくれるかしら?


まだ幼かった少年は、無言で頷く。


絵里ちゃんを、守ってあげなさい。ここよりマシとはいえ、それでも危険なことに変わりはないわ。だから、壮也、貴方が守るのよ。何があっても。………でも、死んではだめよ。残される者もまたとても苦しむわ。絵里ちゃんみたいな子ならなおさらね。もし先に死んで来るようだったら母さんあなたを殴っちゃうから。くれぐれも用心しなさい。


そう言い残し、母は安らかな顔で息を引き取った。壮也は一晩中泣いた翌日、母を埋葬してから、絵里と共に冒険者ギルドへ赴いたのだった。




そんなことを思い出しながら、壮也は持てる力を全て使って全身から魔力をかき集めていた。あの母のことだ、壮也が先に死ぬことも禁止したが、もし絵里を先に死なせるようなことがあっても、何をされるか分かったものではない。


(死なせるか………)


しかしそれ以上に、壮也の中の別の感情が彼を突き動かしていた。


「死なせて………たまるかよおお!!!!」


その咆哮に呼応するかのように一気に両手から光があふれだしていく。


(あと……ひと押し。)


うまく制御しようなどとは思わなかった。全身を光で包みこんでしまえばいいと思った。


(…………いけ。)


「いっけえぇええええ!!!!」


白い光が、辺り一帯を包み込んだ。












光が収束してから、絵里はゆっくりと目を開き、傷の部分を恐る恐る触れてみる。そして驚愕した。


「……………………………うそ。」


無いのだ。さっきまでの傷が嘘のように癒えている。体も軽い。さっきの出来事は夢ではないかとも思ってしまうが、ちぎれたネックレスのチェーンが真実を物語っていた。

彼女は自分の左で突っ伏している相棒に目を向ける。一瞬、魔力の使い過ぎで死んでしまったのかと心配したが、息もしているし、うつ伏せのままもぞもぞ動いている。どうやら取り越し苦労だったらしい。

そんな相棒に絵里は一言、


「魔法使いに転職したら?」


対する男は顔を上げずに、


「………せめて魔法剣士だ。」


見ると彼の肩にあった傷まで治っている。一体どこからそんな力を出したのだろうか。感心していたが、今はそれどころではない。いつ敵がまた襲ってくるかも分からないのだ。


「早くここから立ち去りましょ。ほら、壮也、いつまで寝てんの?」


それに対し壮也は何故か歯切れ悪く、


「あの、よ、絵里。言いにくいんだけどよ。」


「何よ。」


絵里は珍しいものを見る顔になった。この男がこんな話し方をするのは滅多にない。


「どうやら、魔力で足りなかった分は体力で補ったらしくてな、体が全く動かねえんだ。」


「…………………………。それで、私にどうしろと?」


「運んでくれ。」


両者の間に、はるか北方の、極寒の風が吹いた気がした。絵里は呆れて、


「壮也……………それは、かっこ悪すぎ。」


「ちょ、おい!それが命の恩人に対する口のきき方かあ?!」


しかしながら、もうすでに絵里の興味は別の所へ移っているらしく、


「それより、今あんた動けないんだ。」


絵里の顔が、ワルに染まる。

うつ伏せになっている関係上、表情はうかがえないのだが、心なしか壮也の顔が青ざめた気がした。


「ちょっとお待ちになって絵里さん!その含みのある言葉は一体………って痛い痛い痛い!!頭を踏むな!腕を蹴るな!脇くすぐんなぁってぎゃははははは!!!!!」


一通り今までの憂さ晴らしをしてから絵里は壮也の体を担いで歩きだす。比較的軽装備とはいえ、大の男を絵里は小言を言いながら運んで行く。壮也はその背中で、馬鹿力だなぁと感慨に浸っていた。(もちろん口には出さない。出せない。今は防御も反撃もできないのだ。)


すでに西に傾き始めた赤い夕陽に彩られた野原を、冒険者の女と冒険者の男改め、ただの荷物は歩いていく。

そんな道中、絵里は小さく言った。


「壮也………、」


「ん?」


「ありがとね。」


「……………ぉう。」


二人の顔は、夕日ではないもので紅く染まっているようにも見えた。


次に、壮也が注意深く切り出す。


「なあ絵里、」


「なあに?」


「俺の剣、さっきの場所に置いてきちまった。」


「………………………………。」


絵里の足がぴたりと止まり、体が小さく震えだした。もちろん怒っているのだ。壮也も震えていた。絵里が恐ろしいのだ。そして絵里はその怒りを隠そうともせずに背中の重い荷物の方に顔を向けて、


「どうして、そんなこと今頃言うの?」


笑顔を浮かべているが、どう見ても怒っている。下手な怒り顔より破壊力満点だ。

そんな素敵な笑顔を向けられた壮也は茶目っ気満載に、


「いやあ、ささやかな嫌がらせをって………違うって!今気づいたんだよ!本当に!だから背負い投げはやめてって…………ぐはぁ!!!」


受け身もできないまま、壮也は地面に背中から思いっきり叩きつけられた。





そうして、今日も2人は今日を生きていく。


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