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プロローグ:窮理の船に乗せ……
人よ、人よ、気高き子らよ
愛しき船に、その身を委ね
来る新たな御代を待て
王よ、王よ、気高き王よ
窓を闢き、陽拝んだごとく
不死とし移ろう四界看よ
__未発見の粘土板文書(前28世紀ころ)より
キシュに降りたる王権は
幾千年の時を越え
神門関の扉叩く
東蛮勇は盛り栄え
千年秩序は崩れ去る
残り香いずれ地の底へ
__著者不明の粘土板文書(前12世紀末)より
「『忘源郷』」
それは『忘れられた始源の英雄たちの理想郷』。神の慈悲。古の者たちが集まる、小さな小さな新世界。
こちら側が廻っているように、あちら側もまた廻っている。