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第二話 伝説の猛獣フェンリルの負傷

 辺りが風により不穏さを生む中。僕は王道5番地、メーレの門(森の入り口)へ到着していた...。

 ここは変に鳥の鳴き声が1匹も耳に入らず、周りの木々に何か大きな深い傷後が所々残っているような場所。

 例えを言うなら、凶暴な化け物が不意に襲ってきそうな森道だ。

 そんなヤバそうな森道にこれから入って行くんだが...。

 僕は、この状況が怪しくてしょうがない。

 なぜなら、リューガーさんが言っていた貴族直属の騎士の姿が全く見当たらないからだ。

 話の雰囲気的に、ここで見張り番が数名いてもおかしくないのに、何故かあそこには高そうな馬鎧を着た馬が8頭だけしかいない。

 しかも、なぜ討伐専門のハンターではなく対人専門の騎士達がいるのか...、それがさらにこの疑問を加速させていた...。

 「………………。それでも僕はこの先に進まなきゃ、、、村人の笑顔を守るために」

 草の生えた土道に沿って、僕は不穏な森の奥へと突き進んだ。

 

 

 * * *

 

 

 『ちゅん、ちゅん、ちゅん』

 森の中と外では大違いだった。

 小鳥達が楽しそうに木の上で喋り、リスなどの小動物は安心して木の実などを食べて腹を満たしている様子だった。

 そんな、狐につままれた状況のせいで僕はありえないことを考えてしまった。

 「グレートウルフは本当にいるのか?」、と。

 だが、その考えはすぐに間違っていると気付かされる。

 「「「ぎゃー!!!」」」

 森の奥から男性集団の恐怖じみた叫び声が森中に響き渡った。

 「間違っていた!」と思った僕は。急いで叫び声が響いた所に、猛然と走りながら助けに向かう。

 (「ばか!、ばか!。村の人達が困っている時になんでこんなことを思ってしまったんだ!」)

 (「どう考えたっているはずなのに!!」)

 僕は走りに走った。まだ助かるかもしれない命のために...。

 

 「うわぁ!!!」

 「やめろ!!、くるなぁ!!!」

 『がるるる、がお!』

 「疾風!!!」

 

 一名の騎士が襲われる目前に、なんとか疾風でグレートウルフの噛みつきを剣で押えることができた。

 「き、君は...」

 助けた騎士が話かけてきた...でも。

 今は、グレートウルフの噛みつきを剣で押さえつけるので精一杯だ。

 「それよりも、他の負傷した人を連れて早く森の外へ逃げて下さい!!!」

 「は、はぃ分かりました!。隊長!!!」

 「はぁ、はぁ。あの小娘は?」

 「分かりません。でも、早く外に退避しましょう」

 ……………、さっきの騎士が、他の騎士達を連れて外に避難する足音が、だんだんと遠ざかっていくのを感じる...。

 僕は、グレートウルフを押える付けるのをやめた。

 するとグレートウルフはすぐに僕から数メートル距離を取り、先ほどの戦闘体勢に戻った。

 『がるるるる!!!』

 (「…………やはり、このグレートウルフ」)

 (「体格がすごく小柄で。子供みたいだ...」)

 剣を竿にしまい、完全に敵意がないことを相手に両手を振りながらアピールする。

 それを感じってくれたのか、相手もまた威嚇をするのをやめ、こちらの顔をじっと見つめ返してきた。

 …………、互いを見つめ合って、森には沈黙の数分が経った...。

 その時、信じられないことが起きた...。

 ふんふん。

 『人間、回復薬草(ポーション)を持っているな』

 なんと、グレートウルフが僕に話しかけてきたのだ。

 「・・・。ええ!!君喋れるの!!!」

 『聞きたいことがある、なぜ我を倒さなかった』

 「うーん、グレートウルフの子供見たいだと思ったから」

 『…………我をそのような低種族と同じにするな。我は誇り高きフェンリルの種族、そこら辺の喋れない知能とは全く違う』

 彼はどうやら伝説の生き物、フェンリルみたいだ...。

 するとフェンリルは突然僕に頭を下げ、こうお願いをしてきた。

 『人間に願いをする。その回復薬草(ポーション)を使って、偉大なる我の母の怪我を治してくれ』

 

 

 * * *

 

 

 あれから僕は、フェンリルの事情をあまりよく知らないまま。

 その偉大なるフェンリルの母の元へ行くため、フェンリルの背後に着いて行く。

 「フェンリルさん、、」

 『名が固い、フェンで十分だ』

 「フェンさん、そのどうしてお母様は悪なる者と戦って、大きな負傷をしたんですか?」

 無表情のまま、フェンは淡々と説明する。

 『我の母は、フェンリルの里に使える高貴族な者。ここにきたのはフェンリル族の使命、ここに悪なる者がくると言われた。その悪なる者と母はここで戦い。その結果、母は打ち破れてしまった。母は互いなるダメージを負った。我が兄弟、回復魔襄を使える者おらず。ある場所で母の傷を自然治癒で治そうとしていた。これも全て、悪なる者、"オルカ"のせいだ』

 「……………オルカ」

 『着いたぞ』

 フェンさんが立ち止まった場所は、薄暗くて湿っぽい洞窟だった。

 『ここに、我の絆(家族)が全員いる』

 どうやらここに、怪我をした偉大なる母がいるらしい...。

 僕とフェンさんはそのまま、淀んだ状態で洞窟の中に入り奥へと進んだ。

 ………結構暗いな。"トルートルーム"の蛍光が少し周りを照らしているだけ、残りの蛍光物らしき物は何もない...。ん!、眩しい!。

 フェンさんがツタのカーテンを口で開けると。目に激しい光芒が広がり、僕は腕で顔を覆っていた。

 「くっ…………。・・・。」

 洞窟の裏側に出ると、そこはとても大きな円形状の空間が広がっていて。

 岩の天井が空へと突き抜けている状態の神秘的な場所だった。

 『おい、フェン。それが言っていた人間か?』

 声が聞こえた方に顔を向く。

 そこには7匹の小柄なフェンリルが、ひときわ目立つ巨大なフェンリルを囲うように、僕を威圧するように立っていた。

 『そうです。"兄上"、この者が回復薬草(ポーション)を持っています』

 『ほう。名はなんと言う』

 「……リヒトと申します」

 『ではリヒトよ。早々にその回復薬草(ポーション)(われ)の母を治してくれぬか?』

 …………確かに、母らしきフェンリルは前腕から肘にかけて大怪我をしている。

 これを全て完全に治癒するとなら、今持っている回復ポーション(回復薬草の略語)の数で足りるかが怪しかった。

 『何、立っておる。早く母の元へ行かぬか』

 「分かりました...。ですが、これをタダでやる訳にはいきません!」

 僕の、この発言に不満を持った。1匹のフェンリルが、今にも噛みついて来そうな勢いで前に出てきた。

 『おい、人間風情がそれを持っているからとあまり調子にのるなよ!。(おのれ)の一族が代表者なしに取り決めを決めるなんてありえない!』

 『お前は下がれ!!!』

 フェンの兄が威厳ある発言により、周りのいかった兄弟達を制止させる。

 『すまぬ、吾の兄弟が無礼を申した。この場合を借りて、吾が母。トリスティアに変わり、吾代表。フェルトルトがこの場でそなたの取り決めごとに、誓いをたてる。どのような誓いか、ここでもうせ』

 「…………あなたがたの母上が治り次第、そっこく。この道から立ち退いて貰いたい...」

 フェルトルトは軽くうなづき、『了解した』と僕の要望を母の代わりに承諾してくれた。

 そしてさらにフェルトルトはこう言った。

 『吾含め兄弟が母の治療に邪魔になるだろう。ここは外に出て安全を守る』、と。

 なぜか全員、洞窟の外に出て行ってくれた。

 …………さて、こちらも約束を守るため。この寝ているフェンリルの傷を癒して、村の問題を早く解決しよう。

 バック(マジックバック)から、回復ポーションと先ほど買った資料本を取り出す。

 「えーと、フェンリルは自然治癒が遅く1年ぐらいかかる。そのため自然治癒よりも傷後や後遺症も残らない回復ポーションや回復魔襄での治療をおすすめ...さらに包帯なども巻くと効果的だと思う...。よし!」

 

 自然治癒しかけた足に回復ポーションを2,3本垂らして、バック(マジックバック2回目)から長めの包帯を2個ほど取り、それをフェンリルの足に巻きつけた。

 治療が終わった後でも。フェンリルの母は怪我を治すため(自然治癒)か、ずっと寝ているままだった。

 そんなフェンリル様子をじっと見ていると、天井から注ぎくるゾネ日差しがやけに気持ちよく感じ、邪魔な音が一切聞こえてこない静寂な空間のためか。

 (「なんか僕も眠くなってきた.....」)

 その寝ているフェンリルに寄り添った。ゾネの光をずっと浴びていたからか、もふもふの毛からはお日様の良い香りがした。

 「安心する...」と思いながら目を瞑った瞬間、いつの間にか深い眠りに落ちていた...。

昨日忙しくて投稿できなかったです。本当にすみません。

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