サスペンス小説 【友喰い】 失踪した友達 四
この物語は、フィクションです。実際の出来事や人物とは関係ありません。サスペンスな雰囲気を楽しんでいただければ幸いです。
【友喰い】失踪した友達の主要キャラクター
主人公:田中 健一
年齢：37歳
職業：私立探偵
性格：冷静で洞察力に優れ、論理的思考が得意。しかし、時には情熱的になり、真実を追求するためなら危険も顧みない。
背景：元警察官で、不正を許せない強い正義感を持つ。探偵としての経験を活かし、真実を追求する。
主人公:渡辺 恵理子 （わたなべ えりこ）
職業: ジャーナリスト
年齢: 34歳
性格: 勇敢で、真実を追求する情熱的な性格。スクープに対する嗅覚が鋭い。
背景 大手報道局で働いていたが、表面的な報道に疑問を感じ、独立。真実を暴くためにはリスクを冒すこともいとわない。
名前:秋田 俊已
年齢: 28歳
職業: 不明（失踪中）
性格: 謎めいており、友人や家族に対しても秘密が多い
背景: 失踪前は友人や家族との関係が複雑で、何か大きな秘密を抱えていた様子。
名前:松本 彩
年齢: 27歳
職業: 看護師
性格: 優しく思いやりがある
背景: 俊已の幼馴染で、彼の失踪に心を痛めている。事件の解決に向けて協力する。
名前:高田 翔
年齢: 28歳
職業: お笑い芸人
性格: 社交的で人懐っこい
背景: 俊已の友人で、彼の失踪前に最後に会った人物の一人。事件の鍵を握る情報を持っている可能性がある。
名前:山田 真由美
年齢: 27歳
職業: 俊已の元恋人
性格: 感情的で直情的
背景: 俊已との関係が終わった後も彼に対する未練があり、事件に巻き込まれる形で関与する。
名前:井上 直樹
年齢: 29歳
職業: フリーランスのデザイナー
性格: 創造的で自由奔放
背景: 俊已と共にクリエイティブなプロジェクトを手掛けていた。事件に巻き込まれたことで、彼の生活にも影響が出る。
名前:佐藤 隆
年齢: 30歳
職業: 俊已の友人
性格: 冷静で計算高い
背景: 俊已とは学生時代からの友人だが、何かしらのトラブルを抱えている様子。事件に関与している可能性がある。
名前:池上 大輔
年齢: 28歳
職業: ITエンジニア
性格: 知的で内向的
背景: 俊已の大学時代からの友人。事件に関する重要な情報を持っているが、なかなか話そうとしない。
【第四章：ビジネススクールの真実】
田中健一は秋田俊已の失踪の手がかりを求めて、ビジネススクールへの潜入を決意した。彼は新しい受講生として登録し、初めてのセミナーに参加することになった。そのセミナーの講師は、松本 彩だった。
ビジネススクールのセミナー会場は、洗練されたデザインと最新の設備が整った高級な場所だった。田中は緊張感を押し隠しながら、会場内の受講生たちと混じり、指定された席に座った。やがて、ステージに松本 彩が現れ、受講生たちの注目を集めた。
松本 彩は27歳の看護師でありながら、ビジネススクールの幹部としても活動していた。彼女はプロジェクターを使いながら、投資に関する講義を始めた。
「皆さん、こんにちは。今日は投資の基本についてお話しします。投資はリスクを伴いますが、正しい知識と戦略を持てば、大きなリターンを得ることができます。」
松本の講義は明快で、受講生たちの興味を引きつける内容だった。彼女は具体的な投資戦略や成功事例を紹介し、受講生たちの質問にも丁寧に答えていた。
田中は講義が終わった後、松本 彩に近づき、個別に話をする機会を得た。
「松本さん、こんにちは。田中と申します。今日の講義、とても勉強になりました。実は、秋田俊已さんの友人で、彼について少しお話を伺いたいのですが。」
松本は一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに冷静さを取り戻し、穏やかに答えた。
「秋田さんの友人ですか。それは奇遇ですね。彼のことをどうぞお聞きください。」
田中は秋田俊已の失踪について尋ねた。
「実は、秋田さんが突然失踪してしまったことに関して、心配しているんです。彼とは仕事上の関係もありましたが、最近は連絡が取れなくなってしまって。」
松本は深いため息をつき、悲しげな表情を浮かべた。
「秋田さんの失踪については、私も非常に心配しています。彼とは恋人関係でもありましたし、仕事の上司でもありました。彼が突然姿を消した理由は、私にもわかりません。ただ、最後に会った時も特に変わった様子はなく、普通に過ごしていました。」
田中は松本の話を注意深く聞きながら、彼女の表情や言葉の裏に何か隠された情報がないかを探った。しかし、松本は誠実そうに見え、彼女の言葉には真実味が感じられた。
「そうですか…。何か心当たりや、秋田さんが何か問題を抱えていたようなことはありませんでしたか？」
松本は首を振り、考え込んだ。
「特に思い当たることはありません。彼はいつも前向きで、仕事にも情熱を持って取り組んでいました。私が知る限り、彼に何か大きな問題があったとは思えません。」
田中は松本の話をメモしながら、次のステップを考えた。秋田俊已の失踪の謎は深まるばかりだったが、ビジネススクールの内部にいる松本 彩の存在は、重要な手がかかりをもっているかもしれない。
田中は松本との会話を終えた後、ビジネススクールの他の受講生たちとも交流を持ち、情報を収集することに決めた。
次に田中健一は、井上直樹との面会のため、彼の仕事場であるデザインスタジオを訪れた。井上はフリーランスのデザイナーとして活動しており、そのスタジオは彼の創造的な活動の拠点となっていた。しかし、スタジオに到着した田中を待っていたのは、予想外の事態だった。
スタジオのドアを開けると、内部は静まり返っていた。田中は辺りを見回しながら、井上を呼んだ。
「井上さん、いますか？田中です。お話を伺いたいのですが。」
返事はなく、スタジオの中はまるで人がいないかのように静まり返っていた。田中は慎重にスタジオ内を歩き回り、井上の姿を探したが、彼の姿はどこにもなかった。
田中は慎重にスタジオ内を歩き回り、井上の姿を探したが、彼の姿はどこにもなかった。デスクの上には散乱した書類や絵が広がっており、その中に一枚の紙が目に入った。
田中はその紙を手に取り、読み始めた。
【友達を探しに行く】
という一言だけが書かれていた。
その文字は急いで書かれたように見え、不安と焦りが滲み出ているようだった。
田中は井上に何度か電話をかけたが、全て留守電に繋がった。彼は不安を感じながら、スタジオを後にした。
数日後、田中の不安は現実のものとなった。井上直樹が失踪したとの報告が届いたのだ。彼の家族や友人も彼の行方を心配していたが、手がかりは何もなかった。
つづく
