サスペンス小説 【なき猫】リゾートホテル建設殺人事件 中
この物語は、フィクションです。実際の出来事や人物とは関係ありません。サスペンスな雰囲気を楽しんでいただければ幸いです。
【なき猫】リゾートホテル建設殺人事件の主人公キャラクター
主人公 田中 健一
年齢：36歳
職業：私立探偵
性格：冷静で洞察力に優れ、論理的思考が得意。しかし、時には情熱的になり、真実を追求するためなら危険も顧みない。
背景：警察学校を卒業後、数年間警察官として勤務。その後、私立探偵として独立。多くの難事件を解決してきた。渡辺恵理子と結婚をする。
主人公 渡辺 恵理子 (わたなべ えりこ) - ジャーナリスト
年齢: 33歳
性格: 勇敢で、真実を追求する情熱的な性格。スクープに対する嗅覚が鋭い。
背景 政治家の殺人事件を大きなスクープとして報じ、その記事が高い評価を受け、ジャーナリストとしての地位を確固たるものにした。沖の原島は仕事の取材でやって来た。
三神建設社員
名前：三神 雄二
年齢：45歳
職業：三神建設部長
性格：野心的で狡猾、自己中心的
背景：リゾート開発で大きな利益を得ようとしており、そのためなら手段を選ばない。
名前：橋本 史郎 鈍器で撲殺
年齢：40歳
職業：三神建設プロジェクトマネージャー
性格：効率的で実務的、時に冷酷
背景：開発プロジェクトを成功に導くために、日夜仕事をしている。
名前：加賀美 良子
年齢：30歳
職業：三神建設広報担当
性格：魅力的で説得力があり、社交的
背景：会社のイメージを向上させ、開発計画に対する公の支持を集めるために働いている。
沖の原島の登場人物
名前：我聞 龍二
年齢：50歳
職業：島の漁師
性格：口数少なく、神秘的な雰囲気を持つ
背景：島で生まれ育ち、海と自然に深い敬意を払っている。黒猫の伝説を信じており、三神建設の開発計画に強く反対している。
名前：井上 真理子
年齢：28歳
職業：医者
性格：優しく、動物への愛情が深い
背景：島の唯一の医者。白猫と黒猫の伝説に興味を持ち、その真相を探求している。
名前：木村 梓
年齢：32歳
職業：民宿経営者
性格：地元の人々と観光客の両方から愛される、温かくもてなす心を持つ
背景：島の伝統を大切にしながら、訪れる人々に島の文化を体験してもらうために民宿を経営。リゾート開発には複雑な感情を抱いている。
名前：勝 トシエ（かつ としえ）
年齢：63歳
職業：占い師
性格：神秘的で洞察力に優れ、人々の心の奥を見通す
背景：多くの島民から尊敬されており、彼女の占いは島の重要な決定に影響を与えることがある。黒猫の伝説についても詳しく、その知識を使って島民を導いている。
名前：神林 一郎
年齢：55歳
職業：島の神主
性格：厳格だが心優しい
背景：島の神社を守る神主で、島の伝統と文化を重んじている。龍神の伝説に詳しく、その真実を知る数少ない人物の一人。
名前：安藤 春
年齢：31歳
職業：地元の新聞記者
性格：好奇心旺盛で、真実を追求するタイプ
背景：島の事件について深く掘り下げた記事を書くために、真相を突き止めようとしている。
名前：佐々木 大輝
年齢：36歳
職業：島の教師
性格：温厚で生徒思い、しかし時には厳しい一面も
背景：島の学校で教鞭をとりながら、島の伝統を次世代に伝えることに情熱を注いでいる。
名前：森田 健一
年齢：29歳
職業：スキューバダイビングショップ経営者
性格：活動的で冒険好き、人とのつながりを大切にする
背景：島の美しい海を世界に広めたいという情熱から、ダイビングショップを開業。訪れるダイバーたちに島の海の魅力を伝えている。
名前：沢田 淳
年齢：46歳
職業：警備員
性格：真面目で責任感が強い
背景：三神建設の開発プロジェクトの警備を担当しているが、次々と起こる不可解な事件に疑問を抱き始めている。
名前：藤原 健太
年齢：37歳
職業：不動産投資家
性格：洞察力があり、先見の明があるが、金銭に対しては厳しい
背景：リゾート開発による土地価値の上昇を見越して、早期から島内の土地を買い占めていた。開発が進むことで大きな リターンを期待している。
この島には古くから
「島で黒猫が同じ場所で３回鳴くと人が死ぬ。死を防ぐには白猫を見つけて抱くしかない。」
という言い伝えがあった。
【第二章：新たな犠牲者】
夜の帳が静かに島を包み込む中、三神雄二は一本の電話によって急き立てられるように家を出た。彼の足取りは重く、心には不穏な予感が渦巻いていた。海岸へと続く道は、月明かりに照らされながらも、暗闇に飲み込まれそうなほど陰鬱であった。
田中は民宿2階の窓から海岸へ向かう三神雄二を見た。
「何かおかしいぞ。三神部長がこんな時間に外出するなんて…」
恵美子「追いかけましょう。何かが起こっているかもしれません。」
彼らは急いで三神雄二の後を追った。岩場に近づくにつれ、波の音が耳を打ち、風が冷たく肌を刺す。そして、その先には衝撃的な光景が待っていた。
「これは…まさか！」
恵美子「三神部長！」
三神雄二は岩場に横たわり、動かない。彼の体からは生命の熱が失われ、周囲には血の匂いが漂っていた。そして、その傍らには一匹の黒猫が静かに座っていた。
突然、岩場の陰から勝トシエが声を上げる。
「黒猫の呪いじゃ！三神建設の関係者は黒猫に呪われている！」
「三神建設は島での開発は中止じゃ！」
島民たちの間に恐怖が走り、三神雄二の死は島の不安を一層深くした。田中と渡辺はこの謎を解き明かす
ため、さらなる調査を進めることを決意する。
民宿に戻った田中と渡辺は民宿経営者の木村梓に確認をした。
「木村さん、昨夜、三神部長が急に電話で呼び出されたと聞きましたが、その理由をご存知ですか？」
「携帯電話では例の件だとおっしゃってました。相手はかなり怒っているようでした。」
「その"例の件"とは具体的に何ですか？」
「それは…、わかりません。彼は、この問題が大きくなる前に何とかしたいと思っているようです。」
「わかりました。三神建設の広報の加賀美さんに詳細を聞く必要がありますね。木村さん、ご協力ありがとうございます。」
田中は、三神建設の広報である加賀美さんに電話をかけた。三神部長が殺された件を伝えると彼女はショックをうけ彼女の声は、いつもの落ち着きを欠いていた。
「加賀美さん、お忙しいところ申し訳ありません。三神部長が電話で話していた"例の件"についてお聞きしたいのですが。」
「田中さん、その件ですが実は海岸からレアメタルが発見されたのです。、私たち三神建設はその発見に関わっています。しかし、それが公になれば、島の未来に大きな影響を与えることになるでしょう。」
「つまり、このレアメタルの発見が島の開発を加速させると？」
「はい、その通りです。ただ、それには賛否両論があります。島民の中には、自然を守りたいと願う人々もいれば、経済発展を望む声もあります。三神部長は、この問題をどうにか平和的に解決したいと考えています。」
「理解しました。この情報をもとに、さらに調査を進めます。加賀美さん、ありがとうございました。」
電話を切った田中は、窓の外を見た。沖の原島の静かな海が、これから訪れる嵐を予感させるかのように、穏やかな波を打っていた。
沖の原島の朝は、いつものように静かな波音で目覚めた。しかし、犯人から島にレアメタルが見つかった報道が安藤春により島中に新聞報道がされる。島の住民たちは、レアメタルの発見という衝撃的なニュースによって、平穏な日常が揺らぎ始めていた。
田中と渡辺は、事件の捜査を進める中で、島の開発に関する様々な意見に直面していた。一部の島民は、新たな発展の可能性に期待を膨らませていた。しかし、他の島民は、自然環境の保護と静かな生活を守りたいと願っていた。
「このレアメタルの発見が、事件の動機になっている可能性がある。」
「ええ、そうかもしれません。島の未来を巡る利害が、事件に絡んでいるのかもしれません。」
その日の午後、田中と渡辺は、島の古い神社で密談をしている二人組を見つけた。彼らは、島の開発に反対する運動を計画しているようだった。
田中: 「あの二人、何を話しているんでしょうか。」
渡辺: 「聞き耳を立ててみましょう。」
二人は木の陰に隠れながら、神社で話し合う二人組の会話を盗み聞きした。
「このままでは、島が変わってしまう。私たちの生活が壊される前に、何とかしなければ。」
「そうだ、でも、急に反対運動を始めても、島民全員が賛同してくれるとは限らない。計画を練らないと。」
田中と渡辺は、二人組の会話から、島の開発に対する反対意見が根強いことを知った。そして、その反対運動が、事件の鍵を握っている可能性があると感じた。
「この情報は重要だ。島の開発に反対する人々と、レアメタルの発見を歓迎する人々の間で、どのような対立があるのか、もっと詳しく調べる必要がある。」
恵理子 「そうですね。この島の未来を左右する大きな問題です。私たちも慎重に行動しなければ。」
事件の真相に近づくため、田中と渡辺は、島の住民たちとの対話を深め、島の未来についての理解を深めていくことにした。
つづく
