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アベレージヒッター~平凡な俺の異世界生活~  作者: 勝地瑛星
第1章 アベレージヒッター
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2.平凡な男

 改めて自分の事を話そう。佐藤翔太23歳独身男性。ごく一般的な家庭に生まれ、地元の公立小中高に通い、都内の某一流大学を卒業——ではなく、ごくごく平凡な大学を卒業した。


 その後、都内の中小企業に就職し忙しい日々を送っていた。ここまで聞くと何不自由無い人生を送ってきたと思うだろう?そんな訳が無いだろう! 俺の人生問題だらけなんだよ!


 いいか、よく聞け。まず名前と歳だ。「佐藤翔太」って名前は、1996年に生まれた日本人男性で一番多い名前なのである! つまり、平凡な名前ってことだ! おっと失礼、全国の同じ名前の方、すみません、悪気はないんですよ。


 次に一般的な家庭って所。みんなが想像している倍は普通だからな。父はサラリーマン。母はパート勤め。ここまではいい、問題なのは年収。父は新入社員の1年を除いて日本全国民の平均年収を20年連続でキープし続けているんだ。そんなことありえないって? 残念ながらうちの父はその不可能を可能にする、ジ・アベレージマンなのである。


 そんな父の異常ともいえる平均体質遺伝子を俺は色濃く受け継いだようで、小学校低学年までは勉強、スポーツなどがそれなり(平均ぐらい)に出来ていたのでチヤホヤされていたが、高学年に上がると周りの成長に追いつかれ、中学校、高校では全国平均の学力と体力を叩き出すものだから、ついたあだ名は「モブくん」だったり、「アベレージヒッター」などと散々な異名がついてしまった。もちろん放課後に図書室で勉強をしたり、スポーツクラブで体力UPのトレーニングを受けたりとそれなりに努力したつもりだ。しかし、いくら努力しても結果は同じだった。学力テストでヤマを張った所はことごとく外れ、スポーツテストで少し記録が伸びたと思ったら、周りはさらに記録を伸ばしやはり平均点に。


 そんな自分に嫌気がさして、進路選択の際には敢えて自分の学力(平均)より下の大学を受けてみた。が、何故か落とされ、滑り止めにしていた平凡な大学には合格。親には迷惑をかけたくなかったので渋々その大学に行くことを決めた。


 こんな風に俺の人生は平凡で普通、社会の流れに沿うようにして流れていっているのである——まるで何者かに成長が妨害されているように。


 そんな俺が異世界転生を果たした。いや、転生って元の世界で死んでから飛ばされる事だよな…。俺は満員電車で通勤していただけなので死ぬようなことは無いはず。もし仮に、電車内で転んで頭を強く打ったとする。しかし、何をしても平凡で平均的な俺の事だ、死因は老衰かがんと相場が決まっているはず。という事は異世界転移?まあ、とにかく現状把握が最優先事項だ。


 周りは…うん、何も無い。見渡す限りの大草原。木は一本も生えておらず、海上で見るような地平線が遠くの方に見える。初期装備は、シャツにネクタイというビジネスマンスタイル。うちの会社は頑なにクールビズを実行しないのでこの格好。恐らく守備力は2と言ったところだろう。手にはスマートフォンや手帳などが入ったブリーフケース。収納能力は並程度。この装備でこれからどうしろと。ま、愚痴をこぼしても仕方がないので行動開始。


 とりあえず、喉が渇いていたので水を探すためにただひたすらに歩いた。小一時間ぐらい歩いて、やっと森を発見した。歩いている間、ここって実はモンゴルなのではと小さな希望を抱いていたが、途中で犬と兎が混じったようなヘンテコな生き物に出会った事でその希望は儚く消え去った。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます。


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また、誤字脱字等ございましたら、報告していただけると幸いです。

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