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アベレージヒッター~平凡な俺の異世界生活~  作者: 勝地瑛星
第3章 窮鼠猫を嚙む
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1.訓練

 波乱万丈のあのクエストを終えてから1週間が経った。その後も俺はクレアと共に日々クエストをこなしている。薬草採取や木の実採取などの初心者向けクエストはもちろん、この前はコボルトという低ランクモンスターを1人で倒すなどもこなした。と言っても、クレアが最初に倒し方の手本を見せてくれて俺はそれを真似ただけだが。とにかく、最初のクエストとは打って変わって安心安全、順風満帆な冒険者ライフを送っている。こんな生活を送れているのも全てクレアのおかげだ。何か恩返しをしたいのだが、欲しいものを聞いても「無いわ」の一点張り。A級冒険者は高難易度のクエストを受けられ、それらの報酬はどれも高額だ。欲しいものがあれば大抵のものは買えるのだろう。


 そこで俺が考えたのが、クレアの知らない所で冒険者として1人前となり、出来るだけ楽をさせようという案だ。これが恩返しになるかは分からないが、今クレアに掛けている負担が少しでも軽減されることにはなる。という事で当分の目標は「強くなること」にして、秘密の特訓をしているのである。


  「くそ、また駄目か……」

  今いるのはクレアとクエストをしている途中に教えて貰った広場。周りに魔物が嫌がる匂いを出す草が生い茂っており、魔物は寄り付かないらしい。まさに特訓には打って付けの所なのである。ここでやっている特訓というのは、魔法を自在に操れるようになる特訓である。実は、日々魔法の練習をしており、既に「火」、「水」、「土」、「雷」、そして少しだけだが「風」、「光」も使えるようになった。しかし、「闇」と「スキル」はどれだけ練習しても出来るようにならない。


 原因は最近になって分かった。1つは一般的に知られている魔法の習得方法である。クレアは魔法が使えるようになるには、その属性の魔法を使える人に教えて貰うことが必要と言っていた。クレアも幼い頃に火の魔法を教えてもらい、何年も練習するとできるようになったらしい。しかし、俺の考えではこの理論は間違っている。確かに俺はクレアに魔法の使い方を教えてもらい、実際にその様子をこの目で見たが、普通ならそれから何年も練習しないと使えないということになる。だが、俺はものの数秒で使えるようになった。習得に何年もかけたクレアと数秒でできた俺の違いはどこにあったのか。


 それが原因2つ目である。この世界は科学が発達していない代わりに魔法を使って生活をしている。例えば、調理に使う火やランプの炎は火魔法が込められた「魔石」を使っている。ここだけ見れば、ファンタジーっぽくて便利に思えるが、裏を返せば科学的に発生した「火」を見たことがないという事になる。具体的には、魔力を使ったファンタジックな「火」ではなく、空気中の酸素と可燃物を利用した科学的な「火」をこの世界の人々は知らないということ。この話をクレア、宿の女将に話して見たが揃いも揃ってキョトン顔をしていたのでほぼ間違いないだろう。


 つまり、この2つから考えられる仮説が「魔法の習得には魔法を見ること、その現象の発生条件、原理を知ることのどちらかが必要説」である。恐らく、魔法自体を使えるようになるには見るだけでもOKで、自分の適性の最大火力を出すには原理を理解しないといけないのだろう。この説の正しさは俺の今使える属性魔法が証明している。


「火」、「水」、「土」、「雷」については見たことはもちろんあるし、義務教育の過程で原理を学んだのですぐに使えた。「光」の魔法は怪我を治すときにマリアさんが使っている様子を見てどんな魔法かは分かった。だが、どんな原理かはいまいち分からず出力はそれほどだった。逆に「風」の魔法は原理は分かるが、目には見えない為、出力があまり出なかった。

 そして、「闇」と「スキル」については実態も掴めず、原理も分からない。だから、その2つは何度やっても使えるようにならないのだろう。


 とは言ってもつい1週間前まで魔法素人だった俺が6属性も使えるようになったのは大きな進歩と言えるのでは無いだろうか。うん、結構頑張ったよな? 今日はこれぐらいにして帰るとするか。そう呟きながら秘密の特訓所を後にする。しかし、この時の俺は知る由も無かった。いくら魔法が使えても圧倒的な力の前では無力だという事を。


最後まで読んでいただきましてありがとうございます。

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また、誤字脱字等ございましたら、報告していただけると幸いです。

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