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夜酒 ~君の香りに溺れて酔うも酒の所為か~


 大切な 何よりも大切なものをなくしてしまった


 そこから立ち直ることなど 決して出来ないのだろう


 出来ることなら いっそ全てを忘れてしまいたく思う


 何よりも大切なもの 君と過ごした日々や約束さえも


 一時 解き放たれ 心地好くなれるのならば良いのだ


 存在しない 君の影を探し求めたりはしないから


 だけど前を向いて歩けるほどは僕も強くないんだ


 過去を見たくはないけど 未来を見るのは怖くて


 今を生きようとする僕は 時間の間はざまに挟まっていた


 大切な君の残したものは 僕の心の隙間だった


 代わりにそこに入るものなどどこにもあるはずがなく


 酒を流し込むことで 淋しさを紛らわせようとした


 壊れてしまっている自分は 自分がよくわかっている


 現実とは向き合わなくちゃいけないし 逃げられない


 それを酒で理性さえも捨てて 目を背けるという行為は


 情けないどころか 哀れとも呼ばれるほどなのである


 そして何よりも 僕自身が僕を哀れと思ってしまっていた


 果てには君の所為にまでして逃げる僕を 見ていられなかった


 「君の帰りを待つ」などと 期待もしないで酒に溺れる


 本当はこれだけの酒瓶を飲み干すほど 僕は強くないのに


 酔いやすい僕は 春の夜に 酒に君に 酔い潰れていた



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